こいつ...くしゃくしゃに折り曲げても、動くぞ...
今日の日本発スーパー技術紹介のお時間ですよ。日本の最高学府、東京大学が開発した世界で最も軽量(3g/m2)かつ最薄(2マイクロメートル)となる有機LEDが科学技術振興機構(JST)のリリースによって発表されました。しかもくしゃくしゃに折り曲げても電気的特性が損なわれないとのこと。
何がスゴいのかと言うと、これによって有機LEDの照明やディスプレイをあらゆる曲面などに貼り付けることができるようになるため、スマホやタブレット、家電のみならずインテリアや街の景観さえも一変させてしまう可能性のある発明なんですよね。
この薄さと曲げ耐性の秘密は、1.4マイクロメートルの極薄ポリエチレンテレフタレート(PET=ペットボトルのアレですね)フィルム上に有機半導体材料を積層する独自技術。PEDOTという従来より低温で形成できる導電材料を用いることで極薄フィルムへの積層を実現しているとのこと。
さらに、ゴム素材の基盤に薄膜有機LEDを張り付けることで、なんと伸縮自在の有機LEDディスプレイを作ることまでできてしまいます(下図参照)。まさに夢の超技術です。
この開発プロジェクトはJST課題達成型基礎研究の一環として、東京大学 大学院工学系研究科によって進められたもので、オーストリアのヨハネス・ケプラー大学との共同研究とのことです。
ちなみにオーストリア側を主導したのは、同大学のジークフリート・バウアー教授ならびにニアジ・セルダー・サリチフチ教授。さすがカッコいいプロジェクトに参加してるだけあって名前もカッコいいぜ。
名前、といえば本論文は『Ultrathin, highly flexible and stretchable PLEDs(超軽量、超柔軟、伸縮自在な有機LED)』と名付けられ、研究成果が科学誌「ネイチャー・フォトニクス」のオンライン速報版(英語)で公開されています。
ディスプレイ技術競争にフィードバックされることは必至ですよね:
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共同発表:世界最軽量、世界最薄の柔らかい電子回路の開発に成功~羽毛よりも軽く、装着感のないヘルスケアセンサーへの応用が期待~ [科学技術振興機構(JST)]
Ultrathin, highly flexible and stretchable PLEDs [NATURE PHOTONICS]
(ワタナベダイスケ)