防衛省が11月25日に公告した『秘匿携帯電話プログラムの改修等』という入札によれば、自衛隊がこれから導入する携帯電話端末はAndroidスマホになるようです。一般向けとは違う性能が求められそうな『自衛隊スマホ』だけに、そのスペックは非常に気になるところ。
実際に我々が手に取る機会はまずないとは思いますが、ここではウェブで公開されている入札情報に書かれている要求仕様をまとめてみようと思います。
さすがに要求スペック高いぞ
おそらく何かしらの一般販売モデルをベースにした端末を導入することになるのだろうと思われますが、けっこう高スペックを要求しているようです。以下に抜き出すと、
CPU: 1.7GHz以上、クアッドコア以上
メモリ: RAM 2GB以上、ROM 32GB以上
外部メモリ: microSD、microSDHC に対応していること。
通信方式: GSM、3G(HSPA)、LTE に対応していること。
GPS: GPS機能を有すること。
ディスプレイ: 解像度 720×1280 ピクセル以上
専用線対応: 専用線データ通信が利用できること。
進化スピードの早いスマホだけにハイエンド機に近いハイスペックを要求するのも納得ですが、ここで気になったのが通信方式の条件。
3Gの仕様として『HSPA』が指定されており、このことから通信規格が異なるauの回線を想定していないことがわかります。また日本国内では使われていないGSM方式に対応し、専用線データ通信も使えるようにと明記されていますね。
「秘匿」ならではの機能がある
『秘匿携帯電話』と名付けられている通り、暗号通信に加えてシステム管理装置から遠隔操作で端末の機能を制限したりできる模様。すごいガチガチのセキュリティ。
・携帯の発着信およびメールの送受信機能の制限
・WiFi、ブルートゥース、SDカードの一部機能制限
・電話帳、アドレス帳、およびメール履歴等の保存データの消去
不正アクセス防止のため、遠隔操作できること
・ログインパスワードの変更
・端末のロックおよび初期化
・アプリダウンロードおよびインストール制限
他にも「iPhoneをさがす」的なGPSによる紛失対策や、アドレス帳や送受信履歴の秘匿化などが挙げられており、一般向けに販売されるスマホ以上に強力なセキュリティ配慮が要求されているのがわかります。
僕ら一般人にとっては身近ではない話題でもありますが、こうした「プロ仕様」のセキュリティから学べることも色々あるかもしれませんね。
秘匿携帯電話プログラムの改修等(PDF) [防衛省・統合幕僚監部ホームページ]
(ワタナベダイスケ)