• このエントリーをはてなブックマークに追加
けっきょく「ハイレゾ音源」って、何がすごいの?【話題の用語解説】
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

けっきょく「ハイレゾ音源」って、何がすごいの?【話題の用語解説】

2014-06-17 07:30
    140616highreso_top.jpgテレビがハイビジョンや4Kになったように、オーディオも進化しますよ。

    従来のCDよりも高音質なオーディオデータとして、ひっそりと普及が進みつつあるのが『ハイレゾ音源』こと『ハイレゾリューション・オーディオ』です。代表的なハイレゾ取り扱いオンラインストアとしては、ソニーの『mora』やオンキョーの『e-onkyo music』などがありますね。



    「アップルがiTunesでハイレゾに参入するかも...?」なんて噂があるほど、秘かな注目を集めるハイレゾ音源。最近までは「CDより高音質ならハイレゾでいいんじゃね?」くらいにアバウトな定義だったのを、先日には日本オーディオ協会が明確な定義について報道発表するなど、普及に向けた整備が本格化してきた印象です。

    そんな今だからこそ、「デジタルオーディオの基本的な仕組みとハイレゾ」について簡単に解説してみましょう。

    デジタル音楽の仕組みと音質

    本来アナログの信号である音声をデジタル化するにあたっては、音の波形を細かく区切る「標本化」と、標本化した音のレベルをデータ化する「量子化」が行った後でデジタルデータにする(符号化)手順を踏みます。ここで音質に大きく影響するのが「標本化」「量子化」の細かさ。



    140616highreso03.jpg

    ソニーのハイレゾリューション・オーディオサイトより引用。グラフ横軸が標本化、縦軸が量子化の細かさを表す


    上の図は、オリジナルの音声信号(アナログ)を細かく区切ってデジタル音声データに変換する様子を表しています。中央のグラフが従来のCDと同等の音質で、右がハイレゾ音質のイメージ。ハイレゾではより細かくデータが区切られてアナログの波形に近くなっているのがはっきりとわかりますね。


    数字で比較する「CDとハイレゾ音源」

    続いてオーディオCDとハイレゾ音源の音質を、数字的なスペックで比較してみましょう。まず一般的なオーディオCDに収められるデータは、標本化周波数44.1kHz/量子化ビット深度16bitと決められています。

    技術的なことが苦手な人も、ひとまず44.1kHz/16bitとだけ覚えておいてくださいね。

    140616highreso04.jpg

    一方、日本オーディオ協会によれば、標本化周波数96kHz/量子化ビット深度24bit(96kHz/24bit)という性能を満たしたものを「ハイレゾ」と定義するのだそう。つまりCDと比較して標本化(キメの細かさ)で2倍以上、量子化(音の深さ)で1.5倍の高音質となっているわけです。

    140616highreso05.jpg

    当然、音質が上がったぶんだけファイルのデータ量も大きくなってしまいます。そのため、ハイレゾ音源は音質を落とさずにデータをサイズダウンできる「可逆圧縮」という特性を持つFLACやWMAといったファイル形式が用いられ、今までのiTunesやmoraでのAACなどのデータとは異なるフォーマットになります。


    ハイレゾを楽しむために必要なもの

    Androidのスマホやタブレットでは、すでにハイレゾに対応した端末もいくつかあります。思いつくところをリストアップしてみると、エクスペリアZ2、ZL2(ソニー)やサムスンのギャラクシーノート3、auのisai等々といったところ。

    140616highreso06.jpg

    これらの端末では、ハイレゾならではの音質を楽しむには外部のヘッドホンやアンプが必要な場合もあるものの、ソフト的な面では内蔵のミュージックプレイヤーアプリでハイレゾ音源を再生可能です。

    140616highreso07.jpg

    そしてAndroidといえば、ソニーのウォークマンシリーズもハイエンド機の『NW-ZX1』を筆頭に、急速なハイレゾ対応を進行中。ヘッドホンなどのスマホに接続できる周辺機器でも対応アイテムが増えています。

    ただし、残念ながらiPhoneの場合は現時点でハイレゾを楽しむ敷居が高いと言わざるを得ません。iOS標準のミュージック・アプリ、PC側のiTunesアプリケーションともに、ハイレゾで用いられるFLACやWMA形式の音声ファイルに対応していないのが現状です。

    140616highreso08.jpg

    一応は再生アプリとしてオンキョーのHF Player(iTunesはこちら)にアプリ内課金でのHDプレーヤーパック(1000円)を購入すれば再生はできますが、本来のハイレゾ音質を楽しむにはiPhoneに別途外付けのオーディオ機器を接続する必要がありますし、楽曲データの取り込みにも一手間かかります。

    でも、オーディオ関連事業の強化が噂されるアップルだけに、次期iPhone6ではハイレゾ対応になるなんて可能性も多いにありそうですよね。そのあたりも含めて、今ハイレゾ・オーディオは要注目なんですよ!


    「ハイレゾリュ―ション・オーディオ(サウンド)」について記者発表会を開催 [日本オーディオ協会]
    ハイレゾリューション・オーディオサイト [ソニー]

    (ワタナベダイスケ)

     

    RSSブログ情報:http://www.tabroid.jp/news/2014/06/whats-high-res.html
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。