感染拡大が報じられている『エボラ出血熱』。病名は耳にするけれど、日本ではあまり馴染みのない感染症でもあります。このエボラ出血熱がいったいどんな病気なのか、現時点での世界的な発生状況、そして感染経路や予防策について信頼できる3つの情報源をもとにまとめてみましょう。
エボラ出血熱の発生状況 〜外務省より〜
致死率が非常に高く、極めて危険な感染症であるエボラ出血熱。現在は西アフリカのギニア、および隣接する地域を中心に感染が広がっています。最新の感染拡大状況は、外務省の海外安全ホームページで確認することができます。
なお、執筆時点(2014年8月14日)の各国累計感染者数は以下のようになっています。
・ギニア: 死亡373人を含む506人
・リベリア: 死亡323人を含む599人
・シエラレオネ: 死亡315人を含む730人
・ナイジェリア: 死亡2人を含む13人
該当地域への渡航や海外に行く予定があるという方は、現地の状況を確認するために一度目を通しておくべきサイトです。
どんな病気なのかを知る 〜厚生労働省より〜
医学的なことについては、専門家以外からの情報を鵜呑みにするのは禁物。しかし確かな情報を元にエボラ出血熱がどんな病気なのか、どのように感染するのかを知っておく事は大切です。
厚生労働省のウェブサイト内には『エボラ出血熱に関するQ&A』というページが用意されており、エボラ出血熱について簡潔にまとめられています。
このなかから、「エボラ出血熱とはどのような病気ですか?」「どのようにしてエボラウイルスに感染するのですか?」という2項目について一部を下に引用しておきます。より詳しい情報については、厚生労働省のサイトで確認してみてくださいね。
エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症です。エボラウイルスに感染すると、2~21日(通常は7~10日)の潜伏期の後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状を呈します。次いで、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)等の症状が現れます。
エボラウイルスに感染し、症状が出ている患者の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)や患者の体液等に汚染された物質(注射針など)に十分な防護なしに触れた際、ウイルスが傷口や粘膜から侵入することで感染します。一般的に、症状のない患者からは感染しません。空気感染もしません。
どんな取り組みが行われているのか 〜国境なき医師団より〜
現在、エボラ出血熱の発生が確認された地域では『国境なき医師団(MSF)』が緊急医療援助を展開しています。しかし特効薬がないため、対症療法で死亡率を下げることが最善策なのだそう。
MSFのウェブサイト上では『広がり続けるエボラ!いま私たちにできることとは?』や『エボラ出血熱:MSFは実験段階の治療薬を使いますか?』といったページで、最新の取り組みについて知ることができます。また、約3分ほどでエボラ出血熱に対する理解を深められる下の動画も勉強になります。
恐怖心ばかりが先行しがちですが、正しい知識を身につけてしかるべき対策ができるようにしておきたいもの。スマホを使えば、移動中やちょっとした空き時間を使ってこのような有用な情報に触れることもできます。ゲームやSNSもいいですが、こうした情報収集にもスマホを活用していきたいものです。
(ワタナベダイスケ)