立ち位置でそのままカメラを構えて撮ることを映像の世界では、目高=メダカで撮ると云います。今までアリの目線、ネコの目線、トリの目線とやってきたようにカメラ・ポジションが切り取る世界には必ず意味があります。そこで今回は魚のメダカにたとえて、メダカの目線とは一体、どんな意味があるのか?について
愛用のカメラを首から下げたモデル のじゃさんを誰かの落とし物のフェイクファーと共にパシャリ♪ ごく普通に胸の位置でスマホを構えて撮りました。立ち位置の目線で撮ることは、目にしたものをそのまま撮ることから、創意工夫がないという意味でデフォルトな構図のカメラ・ポジションです。
写真学校の授業で立ち位置の目線ばかりで撮っていると先生にもっとカメラ・アングルに工夫を凝らして、表現力をアップしてみてください、などと云われてしまいます。まぁ、そうなのですが、もう少しこのメダカの目線について、よく考えてみましょう。
このカットで同じメダカ目線で少し近づいて撮ってみます。今度は写真の見方を変えてみます。一枚前の引き絵もこの腰から上のカットもそうですが、人物以外の余白の部分が多いことに気づきます。
こうした余白が多い写真は、見る者に自由に様々なことを想像させてくれます。
それぞれが好きなことを連想しながら、写真を楽しむ余地を与えてくれるのが、一見、退屈がゆえにデフォルトなどと呼ばれてしまうメダカの目線なのです。
カメラを構えた状態で直ぐに撮ることができるメダカの目線は、他の目線と比べて速射できるので、当然のことながら、ドキュメンタリーやポートレイト、風景、スナップ写真など、世界中で名作写真が多いわけです。
つまり何を捕らえ、何時がシャッター・チャンスなのか? 被写体への演出力といった写真のベーシックに立ち返ることになるとても大切な目線と考えることができます。気儘に撮りがちだけど、基本でもあるメダカの目線でそんなことをちょっと意識しながら撮ってみてください。
最後にのじゃさんをメダカの目線でパシャリ♪ 路地にポツンとしゃがんでいる雰囲気が出たような...。
では、来週もお楽しみに!