今週の「おは用語」では、スマホやタブレットで活用される位置情報、そしてそれに関連する人工衛星システムについても解説してきました。GPS等、自分の現在地を特定する仕組みから、位置情報を使ったサービスやアプリまで。まとめて振り返ってみましょう。
GPSと、それを補助するシステムたち
スマホやカーナビ等で用いられる位置情報システムの王道『GPS(グローバル・ポジショニング・システム/全地球測位網)』は、人工衛星を利用した全地球規模の測位システム。
しかし都市部でビルの多い場所や地下街など、あるいは山間部といった人工衛星からの電波が届きにくい場所もあります。そこでGPSを補助するための仕組みとして、携帯電話の基地局を用いる『A-GPS』が多くのスマホで採用されているのです。
A-GPSでは基地局の他にも、自宅や職場、街中の公衆無線LANといったWi-Fiアクセスポイントの位置を利用していることがあります。もし自分の所有するアクセスポイントの位置情報を提供したくなければ、オプトアウトの設定が必要ですよ。
GPS以外にも人工衛星を利用する仕組みがあります
現在30個ほどが地球のまわりを周っているとされるGPS衛星の他にも、スマホをはじめ我々のネット生活に関係している人工衛星がいくつもあります。
GPSとは別に、特定の地域の上空に長くとどまる軌道をとる人工衛星『準天頂衛星』を利用する位置情報サービスも実用化が進められつつあります。日本では2010年打ち上げの準天頂衛星初号機『みちびき』がGPSの補強や、新たな位置情報サービスに向けて稼働しているところ。
また、海上や島嶼部、山間部といった地上基地局がない場所に音声通話やデータ通信を提供するための『衛星携帯電話サービス』も、インマルサットなど複数の衛星およびサービスが存在していますし、気球や飛行機による通信ネットワーク提供もさまざまなところでテストされています。
ソーシャルからゲームまで利用が進む「位置情報」
人工衛星や通信ネットワークから得られる位置情報は、スマホやタブレットでさまざまなアプリ・サービスに利用されています。地図やナビゲーションはもちろんのこと、ソーシャルメディアで共有される話題や、陣取りゲーム『Ingress(イングレス)』まで。位置情報の利用事例には本当にたくさんのものがあります。
スマホで位置情報サービスを利用している時は、バッテリーの消費量が多くなりがち。また、自分のいる場所がすぐにわかって便利な反面、位置情報の公開には注意を払わないとストーカーや空き巣の被害に遭うこともあるかもしれません。不用意に公開しないよう気を付けましょう。
それでは来週も一週間、スマートに!
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