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第八回 商品知識を深めることもお忘れなく
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第八回 商品知識を深めることもお忘れなく

2014-11-23 19:00
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    前回は、経済は色々なことが影響し合い、それが株価にも影響してくるし、外国の株価も国内の株価に影響してくると申し上げました。

    株というのも投資商品の1つでありますが、投資商品というのはこれに限られるものではなく、債券や投資信託、投資信託の一種であるリート、ETF、商品先物に不動産や金など実に様々です。

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    不動産の投資というと、ワンルームマンションなどを思い浮かべる方も多いと思いますが、ご自身がお住まいの自宅だって十分に投資商品です。

    株式は普通に投資商品として考える場合、証券取引所(最近は金融商品取引所といって、多種多様な上場商品を取り扱っている例も多いです)に上場しているものが一般的です。

    ソニーやトヨタの株というものは、東京証券取引所に上場されています。上場というのは、簡単に言うと「取引所の取り扱い商品」となることで、売りたい人と買いたい人を匿名で出会わせてくれ、売買を成立させやすくすることです。(証券取引所の機能につきましても、いずれご説明したいと思います)

    上場すると、売買しやすく、価格がわかりやすくなります。一方で、株式には非上場の株式もあり、これらは値段もわかりにくく、売買もしにくく、売りたくなっても買い手を探すことができないこともあります。

    同様に、買いたくなっても買えないことも多いです。しかし、草創期の有望な企業の株式を持っていると、いずれ上場したり、上場しなくても配当収益が大きくなったりすることで、財産を増やすことが可能なこともあります。大抵の非上場企業は、成長しなかったり、潰れたりもしますけれど。

    おいしい話はない

    この非上場の株式に投資する方法として、ベンチャーキャピタルという金融商品もあります。

    これらのほかに、「本源的資産」と言われる金融商品から派生して生まれた金融商品もあります。以前、ちょっとご説明した「先物」「オプション」といったものです。さらには、一定条件で権利を交換する「スワップ」や、スワップにオプション機能が追加された「スワップション」、プロが主に取引する種々の短期金融商品などなど。

    また、注意しなければならないのは、これら真っ当な投資商品に加えて、巷には完全な詐欺商品も存在しているということ。突然あなただけに耳寄りな情報を提供してきて、「チャンスは今だけだから」なんて勧誘があれば、それは詐欺商法だろうと疑ったほうがいいと思います。だって、本当においしいだけの話があれば、見ず知らずのあなたに持ってこないで自分で独り占めするのが普通でしょう。

    逆に言うと、世の真っ当な投資商品には「おいしい話」はありません。取ったリスクに応じた収益の可能性や、払ったコストに見合ったポジション(金融資産を持つことをポジションを持つと言います)を取れるだけのことです。その結果がどう出るかは、それを売った金融機関にもわかりません。なぜなら、将来のことを知っている人なんかいないからです。

    最後は自分の判断で

    例えば、ロシア株は石油の価格に連動して動きやすい傾向があります。石油価格が上がりそうだと思っても、一般の人が個別のロシア株を買うのは難しいので、ロシア株を組み入れた投資信託を買ったとしましょう。

    その投資信託は、程度の差こそあれロシア株が値上がりすれば、それに応じて値上がりするでしょう。でも、その投資信託を売った人にわかるのはここまでです。

    ロシア株は値上がりしたのに、その投資信託の運用が下手でちょっとしか値上がりしないかもしれません。あまりにも下手で逆行安したり、逆に運用が上手で物凄く値上がりするかもしれません。

    ロシア株が連動しやすいといわれる石油価格が、案に相違して暴落するかもしれません。また、ロシア株の値上がり率が石油価格の値上がりに追いつかないかもしれません。それなら原油の先物を買ったほうがよかったということになるかもしれません。

    更には、石油は上がったのに、ロシアがウクライナと緊張状態になったとして、他の石油連動商品とは別にロシア株だけ急落するかもしれません。

    これらのことは、金融の専門家にも予想できる場合とできない場合があり、一般には予想できないと考えたほうがいいです。まして、10年、20年先を見据えた投資を行う際には、こうした危機や予想外の事態というのは何度も起こります。

    ですから、個々の投資判断をする際には、金融機関に期待するのは、投資対象商品の特性やコスト、一般的なリスクの説明を求めるくらいに留めておきましょう。

    彼らは最終的には、あなたの資産が増えるのか、減るのかには、なんの責任も取ってくれませんから。

    RSSブログ情報:http://www.tabroid.jp/news/2014/11/nisa-tanaka008.html
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