他人のIDやパスワードを悪用するなどした10代の不正アクセス禁止法違反が増えている。警察庁のまとめによると、平成25年の年齢別被疑者数は10代が最多であり、続いて30代、20代、40代、50代、60代だった。最年少は14歳だったという。
SNSやゲームの仮想アイテムが目的
不正アクセスの動機は、「不正に経済的利益を得るため」が最多だが、次いで平成24年には最多だった「オンラインゲームやコミュニティサイトで不正操作を行うため」「嫌がらせや仕返しのため」が続く。
10代に限ると、「(あの人が持っている)仮想アイテムがほしい」「気に入らない子のブログやSNSのプロフィールを書き換えたい(消去したい)」などが目的となることが多いのだ。
取材したところによると、不正アクセスをして仮想アイテムを奪ったり、気に入らない子のプロフィールを勝手に書き換えることが法律違反とは思ってもいない子が多い。そもそも他人のSNSやゲームアカウントなどに不正にアクセスすること自体が法律違反であることは、予め教えておくべきだろう。
「パスワードは他人に教えない」指導が大切
同発表によると、不正アクセスの方法はパスワードの設定や管理の甘さにつけ込んだものがもっとも多く、次いで言葉巧みに当人から聞き出したりのぞき見て行われている。ハッキング等ではなく、パスワードを類推して不正ログインしたり、或いは直接当人から聞き出すなどのアナログな方法が使われているのだ。
たとえば、「仮想アイテムが無料で手に入る裏技がある。教えるにはパスワードが必要だから教えて」「オリジナルの壁紙を作ってあげる。設定するためにパスワードが必要だから教えて」などと、言葉巧みに聞き出す。そうすると、10代の子達は気軽に教えてしまうことが多いのだという。
被害者にならないよう、パスワードはそもそも他人には教えてはいけないという指導が必要だ。