2015年コミック界隈で、最初のサプライズとなった「講談社、全コミック誌を電子化」のニュース。電子配信そのものはアマゾンやiBookstoreなどを通じての販売ですが、講談社のウェブサイト上では現在、1000ページを超える無料試し読みができるようになっていますよ。
心配になるくらいに、試し読みが充実
1月5日配信開始のヤングマガジンこそ試し読みページ数が38ページだったものの、特筆すべきは本日配信開始の月刊少年マガジン(紙の雑誌版=約850ページ強/試し読み789ページ)、1月7日配信開始となる週刊少年マガジン(紙の雑誌版=約500ページ/試し読み475ページ)!
なんと、ほぼ1冊まるごと試し読みができる計算になりますし、週刊少年マガジンでは巻頭の堀北真希さんグラビアまで試し読みOKです。「商売として大丈夫かしら」なんて、読んでいるこちらが心配しちゃうほどの充実ぶり。
スマホ・PC等のブラウザですぐに読める
試し読みコンテンツは、会員登録などの面倒が一切なく、スマホやPCなどのウェブブラウザで「試し読み」ボタンを押すだけで、すぐに読むことができます。
スマホ/PCとも、紙面の左右部分をタップ(クリック)してページの送り・戻し、中央付近のタップでメニューを呼び出せるようになっています。メニュー表示時は画面下部のスライダーや目次でページを選択することも可能。
試し読みのビューアーとはいえ、画質・速度、自動ページめくりといった設定がしっかり作り込まれているのも好感触ですね。
マガジン以外のコミック誌も6月までに電子配信へ
講談社のリリースによれば、上の3誌に続いて今後も『マガジンSPECIAL』『月刊ヤングマガジン』『デザート』『モーニング』『Kiss』『ネメシス』『BE・LOVE』『ARIA』『別冊フレンド』『なかよし』の順に電子配信が進められるのだそう。
すでに電子配信化が完了している『月刊アフタヌーン』や『ハツキス(ヤマザキマリ版ジョブズの掲載誌)』を含む9誌とあわせ、6月には講談社の全コミック誌が電子化されるとのことです。
また、電子化スケジュールのなかには、電子コミック誌の先駆けともいえる『モーニング』もあり、こちらはアプリ『Dモーニング』との併売となるのかもしれません。
・月500円の価値は大アリ! 発売日にモーニング最新号が読めちゃう『Dモーニング』(アプリレビュー記事)
・「冷たい読者」に刺さる漫画アプリを。『Dモーニング』のつくりかた(インタビュー記事)
漫画業界の地殻変動もここまできたか、と思わせる講談社のこうした動き。もちろん良い作品はきちんと購入して読んでこそ、正しいサイクルが機能するのが、コミックの作り手と読み手のあるべき関係性ですが、まずは豊富な試し読みコンテンツを電子コミックの入り口として、さらに読者が増えていくと良いのではないでしょうか。
週刊少年マガジン、月刊少年マガジン、ヤングマガジン電子化特設サイト [講談社]
講談社は6月までに全コミック誌を電子化し同時配信いたします(PDF) [講談社からのお知らせ]