1月14日にリリースされた「刀剣乱舞」というゲームをご存知でしょうか。歴史上の名だたる名刀たちに宿った付喪神(つくもがみ)たちを率いて、歴史を改変しようとする謎の敵を倒していくというストーリーのゲームです。
キャラクターや台詞回しなどから、どちらかというと女性ユーザーを意識していることがうかがえますが、実は男性歴史ファンにも楽しめる要素がたくさん詰まっています。
というのも、前述の通り本作は「歴史の改変を防ぐ」ことを目的としているからです。明治維新・江戸時代・織豊時代(=安土桃山時代)、戦国時代...と、順に時代を遡りながら、歴史上重要な戦いがあった場所へ行き、戦闘をするのがメインになっています。
よく見ると、各ステージのボス戦では敵部隊の名前から目的を探ることができます。
例えば、この画像でしたら敵は「大阪で徳川家康を暗殺する」ためにその時代にやってきたということです。
これがまた、歴史ファンであれば一度は考えたことのあることばかり。函館の戦いで、土方歳三が死んでいなかったら? 本能寺の変で、織田信長が脱出できていたら? 三方ヶ原の戦いで、徳川家康が逃亡に失敗していたら? そういったいかにも歴史が大きく変わりそうな戦いがたくさん出てきます。
中には敵の目的がわかりづらいステージもあるのですが、それはそれで「このあたりの時代はこういう情勢だな。もしここで歴史が変わっていたら?」ということを考えながらプレイできて面白いです。私見ですが、このあたりは架空戦記ものの小説や、戦国時代をモチーフとしたシミュレーションゲームと共通しているのではと思います。
全体を通していわゆる「萌えゲー」というだけでなく、歴史が好きな方であれば充分楽しめる作りだといって良いでしょう。
もちろん、今まで歴史に興味がなかったという方にもオススメです。ストーリーそのものに歴史用語はあまり出てきませんし、上記の通り順に時代を遡っていくので、「○○時代の前って何時代だっけ?」といった状態でも大丈夫ですよ。
「歴史に『もしも』は厳禁である」とよく言われますが、それは学界の話であって、一般人はどのように歴史を楽しんでも良いと個人的には思っています。こうしたゲームによって、暗記ばかりで嫌なイメージしかなかった方にも歴史を楽しく感じられるようになれば嬉しいです。