前回、株式のローソク足のチャートを掲載して、読み方の図を横に貼り付けただけで、特段の解説も致しませんでした。
これまでも円グラフや線グラフなど、色々と載せていましたが、それらは一般社会でもよく見るものですから、特段の解説は要らないと思っています。
しかし、ローソク足というのは、相場ものの値動きを表わすときにはよく使うものの、それ以外ではあんまり見ません。それを、イキナリ使うのは不親切だったと反省しております。申し訳ございませんでした。m(_ _)m
今回は、ローソク足を中心に株価などのチャートの見方をご説明します。ローソク足は、毎日の株価の始値と終値、高値、安値がわかるほか、その日が上げ相場だったのか、下げ相場だったのかも一目瞭然にわかる、非常に情報量が多く、わかりやすいチャートですから重宝します。先週の解説図を再掲しますね。
前回の図では、海外で経済的ショックがあったときに、昨日の終値から水準の大きく変わったところで相場形成がされていることなども読み取れました。で、もっと大きなトレンドがわかりやすくなるように、昨年前以来の日経平均を描いてみました。
ありゃ。これは、なんだかわかりにくいですね。仕方ないので、普通のチャートにしてみましょう。これは、毎日の終値だけを示したものです。
こっちの方が、わかりやすいです。データ量が多い場合には、むしろこうして情報量を減らしてしまった方がわかりやすいのです。情報量の減らし方としては、他に「月足(つきあし)」にするという方法もあります。月足というのは、日々の終値を使って、その中の始値、終値、高値、安値を使ってローソク足を描いたものです。
このように、上で示した通常の日足の線グラフと同じ期間を描いているのに、かなり印象が変わってきます。
これをみると、また新しい発見があります。例えば、去年の12月は、月中に大きく動いたものの、月の始めと終わりはあんまり変わらなかったのだな、とか。10月は、大きな下ひげ(下に安値を表わす線が長く伸びている)がある。つまり、月中に大きな下げがあったのに、途中で盛り返して月初より少し高く終わったのだな、ということです。
これは、日々の値動きや個別の変動要因を細かく追っていくだけでは、かえって分かりにくくなってしまうものです。
最後に、期間の取り方をちょっと。
よく年初来、というような表現を行うことがあります。「株価が年初来高値を更新した」というように。
でも、年の初めの頃は、年初来といっても数日しかなく、あまり意味がありません。そうしたときは、前年の年初来を使うこともあります。また、チャートを描くときの起点を、前の年の終値から始めることも多くあります。
これは、例えば一年間の騰落率を計算するときに、昨年末と今年の年末の比較をするのと同じことです。起点を年明け最初の終値にしてしまうと、年初の1日の値動きが、どこにも表現されなくなってしまうからです。
ちょっとしたことですが、覚えておくといいと思います。