ガラケーとスマホくらい差がある...というか、それ以上の違いを感じます。
腕時計のように装着し、スマホと連動していろんな情報を表示する「スマートウォッチ」。今回、ASUSから「ZenWach(ゼン ウォッチ)」を長期間テストする機会をもらったので、1ヶ月ほど使い倒しての所感をお伝えします。
スマートウォッチって何? どんなことができるの?
あらためて説明すると、スマートウォッチはスマホと常時通信し、メールや電話の着信を振動などで教えてくれる、腕時計型の機器です。もちろん、時間も確認できます。
すでに様々な製品が発売されていますが、現在はグーグルの規格「Android Wear(アンドロイド ウェア)」に対応する製品が多いですね。また、ちかぢかアップルの「Apple Watch(アップル ウォッチ)」も発売される予定です。
ZenWachはスマホのようなタッチパネルを持っており、リモコンのように、遠隔でスマホをある程度は操作できます。また、音声でも操作できます。
「スマートウォッチを使わなくても、ポケットからスマホを取り出せばよいのでは?」という意見もありますね。でも実際に使ってみたところ、これは予想以上に便利なものでした。
スマホを使うまでもないことはけっこうある
人間は、一日に何回ポケットからスマホを取り出すのでしょうか?
時間を確認したいとき、天気を見たいとき、メールやLINEの着信があったとき...スマホを見たくなるたびに、スマホをポケットやカバンから取り出してロックを解除し、画面を見る。もはや慣れていましたが、これは相当めんどうなアクションであることに気付きました。
スマートウォッチがあれば、手首をチラっと見るだけで、だいたいの用は済みます。スマートウォッチには、時間はもちろん天気も表示されています(文字盤によりますが)。メールの着信も、件名くらいならすぐ確認できます。そのあとは無視してもよいし、短いメールならそのままディスプレイで読めます。
もし長文のメールだったり、ていねいな返信を返したくなったら、あらためてスマホをポケットからひっぱり出せばいいわけです。
私はスマホを触る回数がけっこう減りました。それだけ、スマホのバッテリーも長持ちしています。
スマホを使っているときも便利
また、スマホを操作しているときでも、スマートウォッチは役に立つことがありました。
ニュースを読んでいるときにメールが届くことがありますが、このときスマートウォッチで中身を確認すれば、いちいちアプリを切り替えることなくニュースを読み続けられます。読書やゲームなど、アプリに集中したいとき。スマートウォッチがあれば、スマホでの作業に没頭できるわけです。
これは、「パソコンに2つ以上ディスプレイを接続した時の便利さ」に近い感覚です。
時計としては使えるのか?
ZenWatchを腕時計がわりにしたときの使い勝手も気に入っています。私はふだん腕時計をつける人間ですが、ZenWatchに取りかえても、サイズや重量の違和感はありませんでした。
腕時計としての機能を重視しているので、画面は「常にON」の設定です。ディスプレイは常に光っているので、暗い場所でもはっきり時間がわかります。
この状態でもバッテリーは1日持ちます。さすがに2日は無理なので毎日の充電は必要ですが、そこに不便は感じません。
ZenWatchは一般の腕時計のバンドやパーツを使えるのもグッド。裏面に充電端子があるので、トップ画像のようなベルト(NATOストラップ)は不向きですが、気にせず使っています。文字盤をあれこれ入れ替えるのも楽しいですね。
スマートウォッチを使いこなすためには条件がある
以上、ここまで持ち上げてきましたが、その一方で「だれもが便利に使える」とは思えないポイントも多いです。
スマートウォッチはGoogle Nowに対応しているので、カレンダーに書き込んだスケジュールを告知してくれますし、外出の時間やルートまで自動で知らせてくれます。ただし、これを利用するにはGoogle Nowを使い込んでおく必要があります。
参考:「ググる」の次は「ナウる」。『Google Now』がナウすぎて恐ろしい
私はGoogle Nowをヘビーに使っているので問題ないですが、そうでない人はそこまで恩恵を受けられないのでは。
また、音声認識である程度の操作ができますが、その精度はぼちぼちといったところ。そもそも、近くに人がいるときに音声認識を使うことに気恥ずかしさを感じます(スマートウォッチが普及すれば解決するかもしれません)。
また、通信にBluetoothを使っているせいか、Bluetoothヘッドセットと一緒に使うと音声にノイズが交じることもありました。
現在、ZenWatchは私の左腕にすっかり馴染んでいます。ガラケーをスマホにしたときのように、もう普通の時計に戻ることはないでしょう。