そんな実況されたら... 気になって見に入っちゃうじゃない!(笑
劇場ではカメラ、ビデオ、ケータイ電話、あらゆる電気ガジェットの使用は厳禁。劇場こそ聖域にして最後のユートピア、なんていうイメージがありましたが、それはもう古くなりつつあるのかもしれません。
現在、ミュージカルの上演中にリアルタイムでドンドンつぶやいてもらう「ツイッタ―シート」なる試みが全米各地で広まりを見せているとNews.com.auがレポートしてくれました。
例えばプロビデンス パフォーミング アーツ センターの場合、劇場の後部に少数の専用席を用意。(なんと無料) そして特別なハッシュタグを付けてもらうことを条件に、演劇のセット、音楽、衣装、そして感じたことを何でもつぶやいてOKとのことです。
この「ツイッタ―シート」はブロードウェイの一部でも既に取り入れられ、現在も増加傾向。劇場側としては、公演とソーシャルメディアの関係性についてより深く理解できるメリットがあるという寸法です。
日本では中々耳にしないこの試み、もちろん米国でも賛否両論の声があがっています。
例えば反対者は、劇場はテクノロジーとは隔離された聖域であるべきで、スマホの利用は他観客の気を散らせるだけだと主張しています。一方賛成者は、劇場と言えどもうデジタル世代を受け入れないわけにもいない。それに楽しみ方も限定されるべきでないと述べています。
ちなみにツイッタ―シートに初めて参加したスコット・モリューさんは、フォロワーかすぐに反応(役者も含む)が返ってくるのが、とても楽しかったことです。
「公演が他人事ではなく、自分のことのように感じることができました」
by モリューさん
プロビデンス パフォーミング アーツ センターは今のところ直接的な影響は確認できていないとのこと。今年いっぱい続けてみて、それから判断するようです。
別の劇場ではインターミッションならぬ「ツイッタ―ミッション」があり、役者や関係者がツイッタ―経由の質問に答える試みが行われています。いずれの形にせよ、生の人間同士の演劇とツイッタ―は、もう少しの試行錯誤で幸福な距離感がつかめるのかもしれませんね。
(伊藤ハワイアン耕平)