えんどうさん のコメント
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少年は寂しかった。
何故ならば、彼に兄弟はいなかったし、学校の友人が放課後グラウンドを駆けずり回る頃、彼は一人お受験の為に駅の向こう側にある塾に通わなければならなかったからである。彼は両親からそこそこの期待を寄せられているのを敏感に感じとりはしたが、いつしかそれはしがらみとなって彼をそこそこ苦しめた。勉強は嫌いではなかったが、それでも友達との時間は何ものにも変え難かったのだ。彼は幼いながらも、友人関係においてその繋がりを強固なものとする方法の一つは何事かを共有することだと知っていたし、何よりそうして共有したものには鮮度があり、また足が早いということに焦りもした。
塾から帰る頃には日が沈み、町はその姿を変えて待ち構えている。塾のある路地には妖しげなドレスを身に纏った女性が立ち並んでいて、少年は何だか目のやり場に困って顔を伏せ、地面にこびりついたガムを数えて歩いたものだった。
路地を抜けると駅
帰り道の少年の寂しさを思うと、胸が苦しく思います。しかし大切なお友達と2人だけの思い出は、かけがえのないものなのですね。
少し鮮明さが薄れても、その思い起こすという行為の中に、薄れず色褪せない永遠のものがあります。彼らが一番よく知っているのでしょうね。その子がずっと少年の傍にいるように、大人になってもずっと、その子の隣を歩いたことを忘れない彼のままであってくれるのなら、大変嬉しく思います。
その子も、今もずっとそのような彼のことだから大好きで、傍にいるように思うのです。
大切なお話として、心にとっておきます。お聞かせくださり、ありがとうございました。
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