なんてことはない高等学校のワンシーンが目に焼き付いて仕方がない、彼は、窓側の席に座っていて、現代文の授業を静かに受けていた。
むせ返るような、夏の暑さの中で、教室へ吹く救いの風が、パステルカラーの緑色のカーテンをなびかせ、差し込む陽日が彼を輝かせていた。
僕が、視線を奪われるのは、これからの人生ただこの一瞬だけだろうと思えるほど、様になっており、それでいてどこか儚い感情に胸を支配されていることがどうしても、悔しくなってしまう。
そういえば、彼を目で追うようになっていったのは、いつ頃のときだっただろうか。ただ、間違いなく言えることは彼のその魅力というには、余りにも澄んだ瞳は、とても暗い引力のようなものを持っていて、僕はどうしてもその瞳の力に抗えなかったということは、確かだった。
彼、本間優一に出会ったのは、この高等学校に通うようになった初日のことだった。
桜吹雪というには、散