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山田玲司のヤングサンデー 第104号 2016/10/3

それでも隣が気になる問題

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太陽の直径は地球の109倍らしい。
そんなバカでかい太陽も宇宙の中ではまだまだ平凡な大きさらしく、宇宙には太陽の1420倍という意味の分からない大きさの星もあるそうです。

もちろんそんな超巨大恒星も銀河系の中では沢山の星の群れの1部に過ぎません。

手塚治虫は、こういう「果てしないこと」を「火の鳥」や「ブッダ」などの漫画で盛んに描いています。

巨大な世界だけでなく、その反対のミクロも描き出し、その上「途方もない時間の流れ」まで漫画で表現した人です。

僕は子供の頃は、そんな表現が怖くてしかたなかったけど、今見ると「そうだよな、自分なんか1瞬で消えてしまう儚い塵なんだから、細かいことなんか気にしないでいこう」なんて思えるので、ありがたい漫画です。

そんな事を描いた手塚治虫先生なら、さぞ「小さなこと」なんか気にしない人だったのだろう、と思ったら、これがそうでもない。

番組で話した「虫プロの新入りの若者」に自分の漫画に感想を聞いて、「古い」と言われては「帰って下さい」と恐ろしく落ち込むわけです。

「人と比べること」が人間を1番不幸にします。
もちろん手塚先生もそんなことはわかっていたでしょう。「人に勝つこと」なんか、果てしのない宇宙の中で「1瞬の塵」である人間にとってはいかに無意味であるか、というテーマを描いていた人です。
そんな、いつかは消えてしまう存在である人間の「苦しみ」を超えて「永遠」へと繋がろうとする物語が「火の鳥」なのです。

そんな物語を生み出した手塚治虫先生でさえ、自分と他人を比べてしまっていたのです。