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  • 【第318号】おはな詩とKIND OF RED

    2020-11-30 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第318号 2020/11/30

    おはな詩とKIND OF RED

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    11月最終週のメルマガの担当を務めさせていただきます。

    久世孝臣と申します。よろしくお願いいたします。

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    今年僕が担当するのは今回が最後なので、2020年、このメルマガから生まれた一つのシリーズのお話と先月10月にリリースした世界中のどの音源とも一線を画す世紀の大傑作「KIND OF RED」についてお話しします。

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    ・メルマガから生まれた「おはな詩」について



    前回、メルマガを担当した8月。コロナの影響でいつもと違う8月。

    今年はほとんどの人間がお盆に帰省できないのか…。なんて考えてたら不意に母親について考えてしまいました。

    だから「今まで自分の母親を母親としか見てないな、お母さんってどんな人間なんやろう」ってことに「小さい頃の思い出」を足して、割と分かりやすい郷愁で煮詰めたエモく甘酸っぱいジャムみたいなものをメルマガで書いたんです。


    https://ch.nicovideo.jp/yamadareiji/blomaga/ar1939438


    37歳になっても僕、性格的に家族のことあんまり考えたことなかったし、考えたくなかったし、だから書いたことなかったし、家族のコト作品にするのダサいと思ってたので、そのメルマガを書けたことが個人的には面白くて。


    さらに今年は最初から「武者修行の年」って決めてて、このメルマガでもそう発表したと思うんですが、今まで通りの活動も強化してやるし、今までの価値観をいったんなるべくなかったことにして、パソコンでいうところの初期化なのかアップデートなのかその辺の何かを自分の意識に対して行ってみようと思って一年生きてみてたんです。


    例えば、喫茶店に入ってスイーツを頼む時、僕は基本的に、コーヒーゼリーかチーズケーキしか頼まなかったところを、今まで生きてきて一回も喫茶店で頼んだことないパンケーキを頼むようにしてみたり、去年までならラーメンとか牛丼を食べてたタイミングでサラダ食べてみたり。

    服とかファッションとか好きやけどそんなにお金かけてこなかったから、そこにお金かけてみたり、一眼レフを買って映像撮ってみたり、やってこなかったこと、選べたけど選んでこなかったことをあえて選ぶ年にしようと思って生きてみてたんです。


    食べものなんて、一瞬関係ないように見えて思考とかに影響与えまくるし、たぶん、ファッションも色々身体と言葉に影響与えてくれて、自分が今までみたことがない自分を見せてくれるやろうと思って。

    選べたけど選んだことなかったものをたくさん体験したら、自分の言葉と作品がどう変わるのか楽しみに実験してました。

    その試みが一つ大きく実を結んだのがこのメルマガのおかげもあり「おはな詩」というシリーズが生まれたことです。

    だって「家族のことを作品にする人はダサい人」って決めつけて生きてた人間が家族のことを描いて、しかも気に入ったものが出来たんですから。


    その時の制作過程と思考の過程が僕にとって面白かったのでご紹介させてください。

    メルマガを下敷きにして詩にしようと思ったとき、そのままそれを発表したらさすがに「詩じゃない」って思いました。だってメルマガやもん。

    わざわざ詩じゃないモノを気に入ったからって舞台で朗読するのもそれは詩人の仕事じゃないよなぁ。ただ「舞台でメルマガ読んでる人」ですね。それはあんまり感心しません。

    究極的には詩人が描いたものは全部詩になりうるとも思うんですが、それは道を究めた人間が言うことなので、僕にはまだ早い。


    えーーじゃあ。どうしたらこの言葉は詩になるのかな。

    何をもって自分はいつも並べた言葉たちを詩だと思うんだろう。ってことを考えました。

    そう思ってもう一度、自分のメルマガを読み返したら…「えっ待って…むっちゃいい。なにこれ…」。なんか詩を読んだときと同じ気持ちになったんですよね。

    ある種の感情の高揚。かきむしられるような。胸が締め付けられるような、でもそのことに名前がついていなくて、もどかしくて、気持ちのおさまりが悪いけど不快な感情ではなくて、むしろ、この気持ちが消えるのが嫌だ、この気持ちを残しておきたい。でも、多分この気持ちは消えてしまう。名前のないものだから。


    えー。待って…これはもう詩なんちゃう?こういう風に心が動くものは詩と呼ぶべきなんちゃう?詩って感情なんちゃう?「詩という感情」が人間にはあるんちゃう?と思いました。喜怒哀楽詩!うわっ。待って…絶対あるやん…詩って感情やったんや。凄いしっくりする。


    これはもしかしたら、「新しいジャンルの詩」かもしれない。僕以外の誰かからするとただのエッセイだけど「詩と感じている僕」がこれを声に出して読むことで、この文章を声に出してる間、音として世界にとどまっている間だけ「詩」になる。

    読む間だけ詩だってことを僕が読んだら証明できたり、体現できたり、共感したりしてもらえるかもしれない。自分の身体で、感じた感情の表出で、普通の文章を詩にする取り組み「おはな詩」。何の文章でも、今まで一般的には詩だと思っていない言葉の選び方も、

    僕がそこに詩を見出せれば、どんな「お話」も「詩」になる。「おはな詩」

    えー!!面白いもん見つけたんちゃう!!


    そう思って結局はメルマガに少し手を入れただけで、「詩」という感情だけ用意して、朗読することにしました。


    文面だけで読むと少し詩というには足りない言葉。

    「読む」ことで、その間だけ詩になる言葉。

    読んでいる間だけしか存在しない詩。9月に上演しました。良かったらご覧ください。


    「おはな詩・お盆」

    ※この動画の29分辺りから上演してます※


    そして、これを経て、10月にも父親について綴った文章を詩という感情で朗読して身体で詩にしました。こちらヤンサンでもちょこちょこお話ししている自分の父親ですね。

    2作目ということもあり、母親の話をした1作目より練れていると思います。


    「おはな詩・鏡の国の健一」

    ※この動画の2時間06分58秒辺りから上演しています※

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    あと描いてないのは弟だけです。次は弟のおはな詩も描いてみようかなぁと思っています。

    お楽しみに。


    ・KIND OF REDについて

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    さて、一つ目の話が随分長くなってしまいました。次の話。

    今年、僕が全ての力を注いで、「言葉と音」について考えて考えて磨いて磨いて磨き抜かれた大傑作「KIND OF RED」について。


    これ、本当に一人でも多くの人に聞いてほしいです。だって、どこにもないです。こんな音源。どこにもないということは聞くときに「ちょっと考えないといけない」ということで、それは疲れてるときとかにはちょっと億劫かもしれませんね。ただ、いろんな仕掛けを用意して、ただ聞くだけでも耳心地の良い良質な作品に仕上がっています。でも、ここに居る方は考えるのが比較的好きな方なのではないでしょうか?

    さらにBGMとして家を彩るのにはちょっと向いていません。曲自体がしっかり聞いていれば考えることを促して来たり、身体を手放して感じることを求めてきたりとなかなか「体験」を強要するからです。詩を読むではなく聴くのでもなく詩そのものを体験することができるのがこの作品の特徴です。

    「赤の世界ってなに?世界のコトワリってなに?ってのが知れる美術館の入場券」という感覚でCDを最初から最後まで通して聞いていただきたい。

    わくわくする脳内旅行が始まります。

    この世界に生きながらまた同じ状況で生まれ直す。銀河鉄道の夜のような、女神転生のような、身体を手放し同じ世界の同じ場所なのに、神隠しにあったような、初めて目が開いたような、様々な神話の世界を身体で理解したようなそんな感覚で。

    渾身の傑作、「KIND OF RED」

    まだお手元に届いてない方は是非、購入検討ください。お願いします!!!


    「結局どんな作品かわからんわい!」って方は全曲流しながらの解説も自分と音楽家でやってみたので、ちょっと見てみてください。

    素敵すぎるジャケット表・裏のキービジュアルは日本・台湾・韓国を中心に活躍する作家の小澤香奈子さんの描きおろし。感謝。


    全曲解説



    コンセプト

    https://kuzetakaomi.weebly.com/blog/kind-of-red


    購入↓

    https://kuzetakaomi.weebly.com/information.html

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    最後の写真は、玲司さんにKIND OF RED の感想をいただいているところです。

    撮影したので、そのうち僕のチャンネルでUPします。

    良かったら登録しておいてくださいまし。

    https://www.youtube.com/channel/UCcfPtqFmTlROOUJPEgO8KTw




    それでは皆様、少し早いですが、良いお年を。




    ◆【詩人】久世孝臣

    《Twitter》@waraukuze

    《note》https://note.com/kotobanohitoqz

    《HP》https://kuzetakaomi.weebly.com

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    公式サイト:漫画家 山田玲司 公式サイト
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    企画編集:久世孝臣
         平野建太

    発  行:合同会社Tetragon
    and
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  • 【第317号】女の戦略が古くなる時

    2020-11-23 07:001
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    山田玲司のヤングサンデー 第317号 2020/11/23

    女の戦略が古くなる時

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    (注・梨泰院クラスネタバレ有り)


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    【CanCamっぽいとは?】


    今回のヤンサンでは大ヒット韓国ドラマ「梨泰院クラス」の特集でした。


    このドラマ、とにかくヒロインの「オ・スア」が美人すぎる。


    彼女は男が好きそうな黒髪ロングの超美女で文句のつけようがないキャラクターなのですが、放送前にゲストの井澤さんが彼女についてこう言ったのです。


    「なんか彼女のファッションがCanCamっぽいんですよね」


    その1言で僕の中で色々な事がつながった。



    【女の生存戦略】


    この話のテーマの1つは「勝ち馬に乗る人生」についての話だ。


    大企業の御曹司は始めから「勝ち馬」に乗っていて、主人公はその男に父親を殺され全てを失う。


    そんな主人公が思いを寄せるヒロイン「オ・スア」も美人だけど親は無く血縁には頼れる人がいない。


    唯一彼女を支援してくれた「パク部長」も死んでしまった。


    父親を失った主人公「パク・セロイ」も辛いけど、彼女もまた辛く孤独な身の上だ。


    不安で孤独で「人の愛」を信じられないオ・スアは業界トップの大企業で道具として生きる人生を選択する。


    そして彼女は堂々と「私を好きになるなら大金持ちになりなさい」みたいに言う。

    大企業という「勝ち馬」でそれ以上の「勝ち馬」を待って生きる女なのだ。


    中々にえぐい生き様ではあるけど、とにかく彼女は超美人だ。


    しかも「完璧なお姫様」として大企業という「お城」に閉じ込められている。


    主人公の初恋の相手で不幸な過去も知っている。


    こうなると男の「ヒーロースイッチ」は押され、主人公は「姫を助けに命をかけて戦う」・・・・・と・・・・・


    かつての物語はそういうものだった。



    なので、今回の「梨泰院クラス」も定番の物語であれば「数々の障害」や「他の女の誘惑」を振り払って主人公はライバルを倒した後「お姫様」と結ばれたと思う。



    ところが、この「梨泰院クラス」では主人公にフラれるのは「お姫様」のオ・スアの方なのだ。


    主人公のパク・セロイは長く辛い復讐の日々の中で「自分の傷」を見つけてくれる女に出会う。

    その女は体を張って自分を守ってくれる人だった。


    「金持ち(勝ち馬)になって迎えにくるのを待つ女」より「負けている自分にも寄り添ってくれていた女」を選ぶのだ。


    一方で主人公に振られたオ・スアは「選ばれなかった」ことで、自分を守ってきた「城(大企業)」を出る覚悟を決める。


    「王子様(ハイスペ男)を待っているだけの人生」から女性を開放して「1人の人間」として人生を始める物語になっているのだ。


    これだけでもこのドラマの革新性を認めたい。



    【男の妄想】


    何度も言うけど「恋愛」は基本的に自身の勝手な妄想が生み出すものだ。

     
  • 【第316号】「嘘」の使い方

    2020-11-16 07:00
    220pt
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    山田玲司のヤングサンデー 第316号 2020/11/16

    「嘘」の使い方

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    【男はブリーフか?】


    その昔、どこかの高校生か誰かが「男はブリーフか?トランクスか?」という討論を真剣にやっているのをテレビで観た。


    記憶が曖昧で実際どんな番組だったかは思い出せないのだけど、数人のチームに分かれて「自分が本当はどっち派なのか」は置いておいて「決められた方の下着」を「こっちがいいのだ!」と説得する。


    その時僕は初めて「ディベート」というものを知った。


    ディベートなるものは歴史が古く、自分の主張をぶつけ合う系もあるし、「言葉の競技」としてのディベートもある。


    難しい話はともかく、その時の僕は「自分の本意でないこと」を主張する、という部分が気に入ってしまった。


    そもそも人間は全部「自分の本心」を話しているわけではない。


    その場の状況に合わせて「思ってもいないこと」をさもそれらしく語って生きている。


    「営業」なんかの売り込みの仕事なんかは毎日がそんな感じだろう。


    自分では買わない商品を「絶対に買うべきですよ」なんてやってる。



    そんな嘘にまみれた生き方を強いられているので、始めから「嘘でいいんで説得した方が勝ち」という「言葉の競技」は気楽でいい。


    「嘘言ってます」と言いながら嘘を言うのだから、これって逆に「嘘言ってない」のでは・・という何だかややこしい状態で面白い。


    「面白い」が大好きで、人生に「面白い」を集めまくりたい僕は、いつかこういう「ディベート(言葉の競技)」をやりたいと思っていた。


    それが今回ヤンサンでやった「へりくつこねよう・ヘリコネファイト」という企画でした。




    【真面目が浮かぶ】


    そんなわけで、実際にメンバーとバトルをしてみると更に面白い事がわかってきた。


    うちのメンバーは基本的に自分に正直に生きているので「嘘」が苦手なのだ。


    「客商売」のしみちゃんですら、自分の本意でない事を主張する時には「面白い感じ」になる。


    予想通りヤンサン1の正直男「おっくん」がとにかく「嘘」がつけない。


    前回の「ガンダムなんかいらない」というテーマの時は、大好きなガンダムを否定する事になって、悶絶しながら頑張っていた。


    「平気で嘘をつく人達」を見ているより、はるかに好感が持てる。


    今回僕も参戦してみて、自分の中の「真面目」が邪魔をしているのに気がついた。


    そもそもが「嘘つきゲーム」でもあるのだ(本心じゃないのは言ってあるのだ)


    説得できれば「根拠」が嘘でもいいというルールなのだ。


    「本当です」といいつつ「変なもの」を高額で売りつけてる連中より罪は軽い。


    相手が笑っちゃうような「大嘘」を真面目にぶつけていいわけだし、これって「自由度」やら「想像力」やら「遊び心」を存分に発揮できる競技なのだ。


    例えば「19世紀のパリでは、ふんどしをつけているだけでモテモテになれた」なんて嘘をぶつけたとする。


    それに説得力を持たせるために「当時フランスでは浮世絵が大ブームで、その中に出てくるふんどしなるものがとても魅力的に見えたパリジェンヌは・・」なんてやると更に面白い。


    虚実入り交じりの「言葉の武器」がいい感じに仕上がる。

    そういう「遊び」なのだ。

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    【うそつきくらぶ】


    そう言えば昔、精神分析学者の河合隼雄先生が「嘘つきクラブ」なるものをやっていた。