「ジャイアン」と「ウサギ」
何度も聞かれてきた質問に「どうすればモテるんですか?」というのがある。
その時々で答えも変わってくるので、僕はそれを聞かれる度に「その時の答え」をもっともらしく話してきた気がする。
そもそも「モテる」なんて感覚的なものだし、時代や環境によっても変わるものなので、「これが答えです」なんてものは無い・・・とも思う。
ところが、先日たまたま観たフランスのドキュメント番組に「その答え」を見つけた。
いや。「見つけた気がした」というのが正しいかもしれない。
何しろそのドキュメンタリーは「4歳の子供」が主人公なのだ。
その番組は、児童心理学を研究している学者さんたちが、4歳の子供を10人くらい集めて、各自に小型マイクを付けて、その行動を観察していきます。
普段聞けない「4歳の子供と4歳の子供の会話」が聞けるのだ。
そこで学者スタッフはいくつかの実験をしていく。
「このケーキは食べたらいけませんよ」と言って、子供しかいない部屋に美味しそうなケーキを置いて、その様子を観察したり、まあ色々な状況に子供達を置いて、その言動を追うわけで、中々人間臭くて面白い。
その子供の中に、いわゆる「ジャイアン」がいました。
何でも自分の思い通りにならないと気が済まない子です。自分の欲望を抑える事も苦手で、食べたらいけないケーキを真っ先に食べたのも彼でした。
おまけに身体も大きく、威圧的です。
彼がいるために子供たちは引っ掻き回されます。
実験の最終日に大人達から5人の女の子にプレゼントが渡されます。
それぞれ綺麗な入れ物みたいなものをプレゼントされるのだけれど、なぜかその中の1人だけに入れ物に「チョコレート」が入っているのです。
なんという意地悪。
女の子はみんな4歳です。当然「私も欲しい」と言い出します。
大人はチョコをもらった子に「どうする?あげる?」と聞きます。
「これは・・私がもらったものだから~・・」と、その子は拒みます。
貰えなかった子の1人が「チョコは何粒入ってるの?」と言ってきます。
調べてみると、チョコは5つ。その場にいる女の子の数と同じです。
でもチョコをもらった子が、それを分けてしまうと、せっかくの「自分だけがもらったチョコ」はみんなのものになってしまうのです。
それでも彼女はそれに応じます。チョコをみんなにくばっていくのです。
まだ困惑ぎみではあるものの、他のみんなは大喜びです。
そこにあの「ジャイアン」が入ってきます。
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