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Muneaki Ogitaさん のコメント

山田先生は孤独とは無縁だと勝手に思っていたのでこの記事は意外で誤解していました。
「うまくいっていない時の否定の言葉は辛い」
というのは凄く分かります。
Bバージンが大ヒットしていた頃読者でしたが、その頃は山田先生を漫画のかける石田純一の様な方だと思っていたので、その後あまり見なくなっていたとき、あまり心配できませんでした。
そのような時期はとても苦しんでいたのですね。
すみませんでした。
No.1
67ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田玲司のヤングサンデー 第242号 2019/6/10 僕の引きこもり時代 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 凧揚げを再開した僕はクローゼットから「古い凧糸」を引っぱり出した。 それは芯の部分が3本あって、かなりの長さがある。市販の凧糸を3本繋げたものなのだ。 それは30年前の凧糸だった。そしてそれは僕の「引きこもり時代」のものだった。 浮かれて生きてるように思われがちだけど、僕にも「引きこもりの時代」はある。 このメルマガでは何度となく自分の苦悩時代を書いてきたけど、苦しかった時代の方が誰かの役に立つ話が多いので勘弁して欲しい。 最近「引きこもり」に対して批判的な報道が多いので、思う所をちょっと書きたいのだ。 【ヤバいスイッチ】 基本的に漫画家というのは、引きこもりに近い。引きこもっているのが通常営業だ。 仕事も順調で、アシスタントの人達がしょっちゅういるような環境ならそれでもいいんだけど、仕事が無くなると途端に「孤独と不安」だけが友達になってしまうのが漫画家という職業だ。 そして長い期間人気が出なくて企画も通らないと「そもそも俺なんか世の中に必要ないんだ」なんてヤバいスイッチが入る。 そんな時に「最近雑誌に載ってないね」とか「あいつは売れてんのになー」とか、誰かに言われようものなら死にたくなるので、だんだん人に会わなくなっていく。 上手く行ってない時の「デリカシーの無い言葉」は本当にキツい。 おまけに僕が売れない原因を勝手に分析する奴もいる。 「絵が古い」「努力が足りない」「売り込みが下手」「要領が悪い」とか何とか酷い言葉を平気で並べるバカも許せなかったけど、ざっくり「あいつはダメだな」とかいう「雑な全否定」を影で言われてるのもキツかった。 直接言われなくても「あいつがこう言ってたよ」みたいな嫌な話は必ずどこからか伝わってくるのだ。 「どうせ無理だよ」と自分の人生を投げた人ほど、他の人間も否定したがる。 孤独に負けてうっかりそういうタイプの人間と会ってしまうと最悪だ。 僕はそんな言葉の暴力が怖くてどんどん人に会わなくなっていった。 世間の「デリカシーのない視線」が嫌で家から出たくない人の気持ちは本当によくわかる。 そして、僕はその後の人生で「ほとんどの事は運で決まる」って事や「ほとんどの事は努力ではどうにもならない」って事を知った。 つまり、才能があっても、努力をしていても、結果の出ない時はあるのだ。 時代が違ったら手塚治虫もスティーブ・ジョブズも無名のまま野垂れ死にしてたかもしれないのだ。 結果が出ないのは本人のせいではないし、ましてや「引きこもり」の多くは、明らかな「社会が生んだ災害」だと僕は思っている。 「今の若者は昔の人より甘えてる」とか言うけど、100年前の人だって今の時代に生まれたら同じように引きこもりたくなるだろう。何しろ今の社会は若者をまともに受け入れられる体制にないのだ。 努力についてもう少し言うと、生まれた場所や環境、家族や容姿、持って生まれた能力なんかは、本人が努力して選びとったわけではない。ここは重要だ。 たまたま生まれた美人を単純に持ち上げて、たまたま生まれたブサイクを単純に卑下する社会ってのは、どうにも幼稚に思える。 ともあれ、我々は与えられたカードでやれるだけの事をするしかないのだ。 そしてそれは上手く行く時もあれば、どうにもならない時もあるのだ。 【努力はしている】 そして、多くの引きこもりの人は努力をしていると僕は思っている。 それは僕が体験しているからわかるのだ。 「学生」をしていればいい時期とか、「連載」をしてればいい時期とか「何か決められた事」をやってればいい時期に比べて「何をしたらいいかわからない時期」ってのは本当にキツいし、色々考える。 ゲームや音楽に浸りながらも考えてるし、嫌でも色々考えてしまうのに、他人から見たら単に怠けてたり遊んでたりするように見えてしまう。でも本人はもがいてるのだ。 それはもう壮絶なのだ。 壮絶だったよ。 【誰にも会わずに空と遊ぶ】 僕がデビューした頃の漫画業界は華やかで、同じ時期に出てきた山田芳裕や西原理恵子や土田世紀や岡崎京子さんなんかもすぐ近くにいた。 先輩には山本直樹さんや吉田戦車さんや細野不二彦さんなんかも近くにいて、その気になればいくらでも仲良くなれる環境にいたのだ。、おまけに「漫画家野球チーム」や「漫画家麻雀大会」にも誘ってもらっていたし、江川達也師匠の周辺も賑やかだった。 なのに当時の僕は「俺なんかいらないと思われてる」というヤバい精神状態だったので、ほとんどの誘いを断って埼玉のアパートで鬱々としていた。 そんな僕を当時の彼女は捨て去り、漫画のボツは続き、家賃も払えなくなった。 途方にくれた僕は、江戸川の広大な河川敷で「凧揚げ」をしていた。  
山田玲司のヤングサンデー
ラブコメ漫画「Bバージン」で「モテるためにはどうしたらいいか?」を描き、対談漫画「絶望に効くクスリ」で400人近くの著名人と対談してきた漫画家山田玲司がその多彩な経験と圧倒的な知識を元に「テレビでは語られない角度」で恋愛、社会問題、漫画、映画、音楽、人生とは何か?など様々な問題を切っていきます。