一生14歳
【今年最後のメルマガ】
寒いですね。
こんにちは。山田玲司です。
次週のメルマガは、しみちゃんが担当なので、今回のメルマガが僕にとって今年最後のメルマガになります。
なので、今週は今年僕自身に起こった「大きな変化」について書いてみようと思います。
何しろ今年は本当に大きな変化の年だったのです。
【雑誌からの撤退】
なんと言っても、今年一番大きかったのは、週刊誌などの「商業誌連載」からの撤退でしょう。
デビューしてから30年以上、ずっと「雑誌で漫画を連載して単行本を出す」という人生だったのです。僕の人生のほとんどは「雑誌連載の時代」でした。
雑誌撤退の理由はいくつかあるのですが、1番大きかったのは「雑誌連載からのコミックス販売」という漫画業界のビジネスモデルそのものが限界に来ている事です。
この状況では、編集部は「延命のための赤字減らし」が急務になってしまい、よほどの売り上げを結果として出していない限り「自分の理想通りに漫画を描く」のは不可能になってしまうのです。
雑誌やコミックスを中心とした漫画文化が好きだった僕は、その業界が転落に向かっている事を知りつつ長い間「かつての在り方」に執着してました。
だろめおん達、下の世代は躊躇なくネットでの連載を始める中、自分の理想を曲げてでも雑誌連載にこだわってたのです。
そんな妥協を重ねた商業誌の連載はヒットしないままの状況の中、僕はもう1つの模索を始めていました。
商業誌に頼らない「独立した描き下ろし漫画」を「アートとして出版する」という方法でした。
それが、愛☆まどんな先生とカッキーと作った「白亜」です。
そんな「単独描き下ろし漫画」の「白亜」が、理想を曲げないままで結果を出したので、漫画はこの方向でやって行く覚悟が出来たのです。
【深く刺さってた剣が抜けた】
「売れてから好きな事をしよう」と不本意な要素が入った漫画を描いていたから「心に深く刺さってた剣」が抜けた気分でした。
漫画に限らず「コンテンツ(作品)」を作る事は「自分の心」「魂」を使う仕事です。
「売れるためには仕方ない」と妥協を続けていくと、心は深手を負うので、そんな中で「初期衝動」のときめきは失われていくのです。
商業誌からの撤退で、僕の心に延々と刺さり続けていた「剣」は抜けました。
【知的エンタメ・ディスカバリーレイジチャンネル】
商業誌の衰退と連動するかのように、メディアの王として君臨していた「テレビ」の衰退も加速していきました。
そんな中多くの才能が「ネットの動画」に集まり、明らかに「ネット動画コンテンツ」の時代になっています。
そこでは「面白ければいい」という単純なルールで勝負が行われています。
この世界はまだ黎明期で、何が正解かはまだわからない状況です。
誰でも参加できて、決定権も基本的に「個人」にあります。
僕はここに「かつての漫画」と同じものを感じていました。
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玲司先生、今年も一年ありがとうございました。
平成と令和を跨いだ2019年は、振り返るとなんだか2〜3年分を過ごしたような密度があったように思います。
「14歳不可侵条約」笑っちゃいました。でも、私自身も過去を思い返してみると、今の自分の心の柔らかい部分、痛みや人生の深みや人の多様性を知った原点は14歳の中学2年生の頃でした。あまりに繊細な記憶すぎて思わず部分的に蓋をしてしまっていることも沢山ありますが、少しずつ私も自分の青春の原点に向き合ってみたいなと思いました。
先生の個展、ぜひ見に行ってみたいです。
2020年は「子」年で、世の中の様々なこともまた新しくスタートするのだろうなと感じています。来年もヤンサンのみなさんと一緒に、ご機嫌に生きていけたらと思います。
そうぞよいお年をお迎えくださいm(_ _)m ^^