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toyokawaさん のコメント

コメント書いても、返信が無ければ、何様?って俺だったら思う。
No.1
53ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田玲司のヤングサンデー 第294号 2020/6/15 いつから母は「鬼」になったのか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今週解説した「鬼滅の刃」は、とにかく「激しい」漫画だった。 全編に渡ってこれでもかという残酷描写が続くし、身体欠損描写の表現も容赦がない。 作者は全力で登場人物たちの「痛み」を伝えようとしている。 その痛みは身体的な苦痛から精神的苦痛に至るまで、あらゆるバリエーションで読み手に迫ってくる。 この漫画を読んでいて感じるのは、作者の抱えている「痛み」だ。 その痛みが本当だからこそ、「痛み」に苦しむ多くの読者の心に届いたのだと思う。 作者はそんな「痛み」を主人公の炭治郎を通じて救済しようとしている。 自分自身も家族を殺され、妹を「鬼」にされ、限界状態にいる炭治郎が、同じように大事な人を殺され「壮絶な痛み」を抱えた多くの登場人物の心を癒やす。 その方法は、辛い思いを抱えて生きてきた人の「心の声」を代弁する形でも行われる。 「本当は辛かったんだ!」 「かわいそうじゃないか!」 「こんなの嫌だ!」 「非情な現実主義者」には論理的に破綻しているように見えても、そんな事はどうでもいいのだ。 「この人は辛かったんだよ、かわいそうじゃないか」と炭治郎は叫ぶ。 まるで「お母さん」のように。 【地獄なのはわかってる】 数年前までの世の中の考え方の主流は「評価主義」と「自己責任論」だった。 世の中は甘くない。結果を出せないヤツが悪い。「バカ」という言葉もやたらと目にした。 多くの年長者は若者に「この世は地獄だ、甘えるな」と言っている。 若者から言わせれば「そんなのわかってますよ」という感じだろう。 世の中が地獄なのを知っているから「黙っている」のだ。 そして1部の人を除いて「自分だけはうまくやれる」なんて思っていない。 かつての「ベンチャー成功者」に憧れるような空気も数年前に終わった感じがする。 それでも書店の新刊の棚には相変わらずの「策略本」が並んでいるけど、これは単に「新しい価値」を提示できないまま「以前のヒット作」の延長で同じような本を出版しているにすぎないと思う。 そんな中「鬼滅の刃」だけが売れる、という現象が起こっている。 読んでみるとその理由がよくわかった。 鬼滅の刃の中には、みんなが本当にもとめていた「優しいお母さん」がいるのだ。 鬼滅の刃の世界には壮絶な戦いの合間に「ささやかな暮らし」の描写が入る。 そこでは女の子たちが「おにぎり」を作ってくれたり、盗み食いをする少年に「内緒のご飯」をくれたりもする。 辛すぎる過去のせいで「世界のすべてがどうでもいい」と思うようになり、自分では何も決められなくなった少女に「自分の心で決めていいんだよ」と言ってくれる。 「策略」なんかいらない。 「辛かった気持ち」をわかってくれるだけでいいのだ。 【母はどこへ行った】 問題は沢山あったけど、かつての日本の家庭では、父親が「理屈と常識」で子供を叱り、母親が「理屈を超えた情愛」で子供の心をフォローする、というパターンがあった。 「こんな成績で社会に通用すると思うのか!」と父が叱咤し、「頑張ったんだからいいのよ。仕方ないわよ」なんて母が慰める、というやつだ。 これはこれで問題はあるのだけど、少なくとも「ある程度のバランス」は維持できたし、子供も「世界は地獄だ」なんて思わずに生きられたと思う。 人間は「無条件で愛してくれる母」を求める生き物なのだと思う。 60年代の高度成長が終わろうとする時期に「母もの」というジャンルが流行り出した。 定番の「母をたずねて三千里」「星の子チョビン」「銀河鉄道999」なんかもそうだ。 「東京だョおっ母さん」「母に捧げるバラード」「ボヘミアン・ラプソディ」なんかもその文脈だと思う。 主に団塊世代が故郷を離れて「実家の母」と別れたのもその背景にあるだろう。 都市への集中、地方の過疎化、母との離別がこの時期同時に起こったのだ。 ドラえもんが登場するのは1969年。 高度成長期のクライマックスにあの漫画は登場する。 日本中に「物質的な豊かさ」と「過酷な競争」が同時に訪れ、激しい戦いの季節が始まっていた。 そんな時代に生まれた「ドラえもん」に出てくる母親の多くは「怒って」いる。 のび太の母もスネ夫の母も子供を怒鳴る。ジャイアンの母は子供を殴る。 そしてどの家庭も「父親」の影は薄い。 藤子先生は当時の家庭の雰囲気をかなり的確に描いていると思う。 これもまた定番の話だけど、母たちは決して子供を愛していないわけではない。 愛しているからこそ「世の中で戦えるだけの強さと賢さ」を身に着けて欲しいだけなのだ。 しかし、それ以前に子供が求めているのは「無条件の優しさ」だ。 単に「頑張ったね」「つらかったね」と言って欲しいだけだったのだ。 そんな「言って欲しかった言葉」を2020年に「鬼滅の刃」の主人公が言っているのだ。 同じく今の時代のヒット作の「3月のライオン」でも、血の繋がりのない「あかりさん」が同じような優しさを見せている。 これらの漫画を読んでいる今の若者世代の人達が「母」や「父」になる時には、そんな「優しさ」が戻ってくるのかもしれない。 【鬼の姿】 一方で「コロナの世界」で社会の裏に隠れていた「鬼の姿」も見えてきた。  
山田玲司のヤングサンデー
ラブコメ漫画「Bバージン」で「モテるためにはどうしたらいいか?」を描き、対談漫画「絶望に効くクスリ」で400人近くの著名人と対談してきた漫画家山田玲司がその多彩な経験と圧倒的な知識を元に「テレビでは語られない角度」で恋愛、社会問題、漫画、映画、音楽、人生とは何か?など様々な問題を切っていきます。