突然ですが、いきなりブログ更新します。何かというと、去年、ワッツインさんの業界人特集のアンケート、自分でレビュー書くもんだと勘違いして、すげー一生懸命書いたのに、ほんの数行しか使っていただけなかった、と確認しなかっただけなのですが、興が乗ってずいぶん書いちゃったやつ、いつか公開するつもりだったのを、すっかり忘れておりまして。

 今日、クリープハイプの武道館見て、そしてTHEポッシボーのニコ生をみて、そういや、そういうのいっぱい書いてた!と思い出しましたので、いまさらながらに、毎日音楽に触れていた中から、超個人的ですが、ランキングになっておりますので、ご笑覧いただければ幸いです。

2013年<アルバム部門>
●1位
田淵智也ほか

 これを、企画モノ、アニメものだからといって聞き逃していたらあまりにもったいない!日本語ロックの最先端は、間違いなくココにある。いま、日本語をどの声でどのように発したら一番響くのか、もっとも敏感で実験的なソングライターUNISON SQUARE GARDEN田淵智也が、畑亜貴、SeriarlTVdrama、黒須克彦際立ったクリエイターを集め、日本語を発声するプロ・声優に細かなディレクションをして作ったこの作品しか到達し得ない極みに達しています。あまりに感動して、自分の番組ではおもわず全曲特集したほど。原作を知らなくても音楽的快感にまったく障害なし。一度でいいからM-13「かしましかしまっ!」を日本語を理解する人全員に聞いてみてほしい。超絶的な名曲です。


●2位
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CIDER ROAD
UNISON SQUARE GARDEN

 いま、よいポジションにあるバンドが、自分たちに向けられている視線を完全に読みきってその予測を超越する手法で作られたすごいアルバムがクリープハイプの「吹き零れる程のI、哀、愛」だとするならば、ポジションを無視して自分たちのやりたいこととできることの到達点の遠くまで飛んでみせたのが、このUNISON SQUARE GARDENのアルバム。言いたいメッセージはたった一つ、未来。でも同じタイプの曲をアルバムではほとんど出してこない、3ピースバンドの可能性を拡張し続けてるバンドでもあります。



●3位
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Signed POP
秦基博

 30年前にリリースされても、100年先にリリースされても、そこには感動する人がある、と実感できる超スタンダードアルバム。古びない言葉、磨きぬかれた音の質感。今年、リリースされたことに、いい意味で理由がありません。この感性と技術とモチベーションが揃ったのが、偶然、2013年だった、というアルバム。



<シングル部門>
●1位
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憂、燦々
クリープハイプ

 バンドの時代ではない2013年にあって、年初から年末で最も勢いを得たバンド、クリープハイプ。ブレイクにつきもののロックフェスでのもてはやされ方、業界の「要チェック感」の薄っぺらさを吹き飛ばすように、作る、ってことに向き合うとはこういうことだ!と見せつけ続けた各作品。その中でもこのシングルは、CMとのタイアップやそもそもの楽曲の良さという際立ったポイントに加えて、それらすべてを台無しにしかねない、一発のSEが刻まれています。これが、今年もっとも音楽的な勇気ある瞬間ではないでしょうか。その勇気が、クリープハイプの未来を約束していると思います。



●2位
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全力バンザーイ!My Glory!
THE ポッシボー

 2013年は、間違いなくアイドルの年。理由はとてもシンプルで、どの職業よりももっとも努力の平均値が高かったのが、アイドルだからでしょう。その中で、一度、200人以下まで落ち込んだ動員を、ライブパフォーマンスを1から見直し、楽曲もすべてその方向に切り替えて、誰よりも身が詰まった道を登り始めたのが、THEポッシボー!基本生バンド+ルックスのレベルが高く全員がアカペラで歌える歌唱力がありなおかつダンスも出来る5人組の女子、なんていうユニットは、アイドルどころかシーンを見渡してもどこにもいません。今一番ライブで目頭が熱くなるのが、彼女たち。これ以外の曲も全て、「熱い!」です!



●3位
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地獄でなぜ悪い
星野源

 他の文化とのコラボレーションを無視して成り立たない現在の音楽で、自ら俳優として出演した作品の主題歌を担当するアーティストはまったくあとを立ちませんが、その中で、今年最高に音楽的にカッコ良かったのが、園子温監督「地獄でなぜ悪い」の星野源のこの曲。映画のテーマをしっかり受け止め、深化させた……!とか、理屈っぽいことはいっぱい言えますが、今年の「気がついたら再生してた曲」ナンバーワン、なんですよね、実は……!



<ベスト・アーティスト部門>
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UNISON SQUARE GARDEN
 その昔、番組のゲストに中村一義さんに来ていただいた時に、詩が好きな曲、と聞いた時に出てきた答えが、ブルーハーツ「ハンマー」でした。なぜこの曲を選んだのか、と聞いた時の理由が「ブルーハーツの歌詞だけが、意味がわかった」から、とのこと。2013年、なぜいまこの言葉を発するのか、何も言わずに理由が全てわかったのが、UNISON SQUARE GARDENだから。



<新人部門>
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phatmans after school
 石崎ひゅーい、赤い公園、米津玄師、じん、などなど、次の世代を感じさせる新人さんは枚挙に暇がなかったのですが、どこかに特化した、スペシャリスト的なものを感じさせる人が多い中で、気負いなく、メジャーなものの真ん中を、ふっとすくい取るような「メディアリテラシー」「ツキヨミ」とたてつづけに聴かせてくれたのが、phatmans after school。真ん中にありつつ、細部のディティールがいつも失われていなくて、もっともっと、先が聞きたくてしょうがありません。


 以上、だからなに、ってこともないのですが、好きなんですよ、それぞれ!
 気まぐれ更新でしたー。