久瀬視点
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 ソルから知らされていた通りだ。
 夜、オレはまた夢の中であのバスに乗った。
 ――確かバスが走るのは、残りは8日、15日、24日。
 意外に少ない。だがこれでずっと、予定が立てやすくなった。
 オレはきぐるみの隣に座る。きぐるみは言った。
「機嫌がよさそうじゃないか」
「どうかな」
 ま、悪くはない。
 みさきのメッセージを読めたし、バスの運行予定もわかった。
「たいした余裕だな。このあと、ドラゴンに食われるってのに」
 ……ああ。
 そういえば、そんな未来もあったな。
 突拍子がなさすぎて、リアルな恐怖に結びつかない。
「なんなんだよ、ドラゴンって」
「さあな」
 きぐるみは、窓の外に顔を向ける。
「たぶん今ごろ、ソルのみんなががんばって攻略中だよ。でもお前が動かないと、みんなも困っちまうんだ」
 同じようなことを、昨日の夜も言われた。
 バスが走り出す。

       ※

 とりあえず、決める。
 昨夜みた、あの滅茶苦茶な出来事。ドラゴンに頭からかじられるなんて、まったく現実味のない、冗談みたいな死。
 このままであれば、あれは現実に起こるのだと信じることにした。すべてフィクションならそれでいい。今は、最悪に備える方が建設的だ。
 いったい、未来のオレになにが起こっているのか?
 少しでも状況をつかもうと、意識を集中する。
 また車内アナウンスが、わけのわからない日づけを告げる。
 ――次は青と紫の節、9番目の陰の日です。
 昨日と同じ、だと思う。はっきりとは覚えていないが。
 バスがトンネルを抜け、また目の前に、あのドラゴンが現れる。
 ――知っている。
 もう、驚かない。たとえ自分自身が食い殺されても。
 心を落ち着けていたからだろうか? 昨日は気づけなかったことが、ふたつわかった。
 まずひとつに、オレはスマートフォンを手にしてた。画面を必死に覗き込んでいるようだ。
 ――ソルからのメール?
 どうだろう。バスの中からではわからない。
 窓の向こうのオレは、ドラゴンに背を向けて、一目散に逃げ出す。
 ――ま、そりゃそうするしかない。
 前方にはあの髪の青い女性がいる。たぶん幽霊、なのだろう。彼女はやはり、ドアを突き抜けて消えてしまおうとして。
 その前に、オレが叫んだ。
「なあ、あんた。ちょっと待ってくれ」
 少しでも情報を収集しようと決めたようだ。
 青い髪の女性が、ゆっくりとこちらを向く。
 続けてオレは叫ぶ。
「なんでもいい。知っていることを教えてくれ」
 小さな声で、青い髪の女性が答える。
「マコト」
 と彼女は言った。
 ――え?
 マコト?
 人名、だろうか?
 彼女は続ける。
「マコトに伝えて。私は、幸せだった、と」
 ――いや。
 誰だよマコトって。

――To be continued
読者の反応

ıƃɐuɐɹɐ @aranagi   2014-08-03 00:01:14 
マコト誰だよwwwww   


よもぎ@3D小説参加中 @hana87kko   2014-08-03 00:02:01 
誰だよマコトって!!!wwwww


マコト @mako_3dbell 2014-08-03 00:05:20
ビビった。俺じゃねーぞ  


さいとう@金東コ51b @jinbe_s   2014-08-03 00:01:31 
マコトだああああああ!!!!   


しゅんまお@ sol軍事班 @konkon4696   2014-08-03 00:01:40 
   はよ!!ゲーム班死者にマコトはよ!!


コウリョウ @kouryou0320   2014-08-03 00:02:17 
ゲーム攻略班!死体にマコトと呼びかけるんだ!   





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