3D小説「bell」本編
■久瀬太一/8月2日/24時
ソルから知らされていた通りだ。
夜、オレはまた夢の中であのバスに乗った。
――確かバスが走るのは、残りは8日、15日、24日。
意外に少ない。だがこれでずっと、予定が立てやすくなった。
オレはきぐるみの隣に座る。きぐるみは言った。
「機嫌がよさそうじゃないか」
「どうかな」
ま、悪くはない。
みさきのメッセージを読めたし、バスの運行予定もわかった。
「たいした余裕だな。このあと、ドラゴンに食われるってのに」
……ああ。
そういえば、そんな未来もあったな。
突拍子がなさすぎて、リアルな恐怖に結びつかない。
「なんなんだよ、ドラゴンって」
「さあな」
きぐるみは、窓の外に顔を向ける。
「たぶん今ごろ、ソルのみんなががんばって攻略中だよ。でもお前が動かないと、みんなも困っちまうんだ」
同じようなことを、昨日の夜も言われた。
バスが走り出す。
※
とりあえず、決める。
昨夜みた、あの滅茶苦茶な出来事。ドラゴンに頭からかじられるなんて、まったく現実味のない、冗談みたいな死。
このままであれば、あれは現実に起こるのだと信じることにした。すべてフィクションならそれでいい。今は、最悪に備える方が建設的だ。
いったい、未来のオレになにが起こっているのか?
少しでも状況をつかもうと、意識を集中する。
また車内アナウンスが、わけのわからない日づけを告げる。
――次は青と紫の節、9番目の陰の日です。
昨日と同じ、だと思う。はっきりとは覚えていないが。
バスがトンネルを抜け、また目の前に、あのドラゴンが現れる。
――知っている。
もう、驚かない。たとえ自分自身が食い殺されても。
心を落ち着けていたからだろうか? 昨日は気づけなかったことが、ふたつわかった。
まずひとつに、オレはスマートフォンを手にしてた。画面を必死に覗き込んでいるようだ。
――ソルからのメール?
どうだろう。バスの中からではわからない。
窓の向こうのオレは、ドラゴンに背を向けて、一目散に逃げ出す。
――ま、そりゃそうするしかない。
前方にはあの髪の青い女性がいる。たぶん幽霊、なのだろう。彼女はやはり、ドアを突き抜けて消えてしまおうとして。
その前に、オレが叫んだ。
「なあ、あんた。ちょっと待ってくれ」
少しでも情報を収集しようと決めたようだ。
青い髪の女性が、ゆっくりとこちらを向く。
続けてオレは叫ぶ。
「なんでもいい。知っていることを教えてくれ」
小さな声で、青い髪の女性が答える。
「マコト」
と彼女は言った。
――え?
マコト?
人名、だろうか?
彼女は続ける。
「マコトに伝えて。私は、幸せだった、と」
――いや。
誰だよマコトって。
――To be continued
ıƃɐuɐɹɐ @aranagi 2014-08-03 00:01:14
マコト誰だよwwwww
よもぎ@3D小説参加中 @hana87kko 2014-08-03 00:02:01
誰だよマコトって!!!wwwww
マコト @mako_3dbell 2014-08-03 00:05:20
ビビった。俺じゃねーぞ
さいとう@金東コ51b @jinbe_s 2014-08-03 00:01:31
マコトだああああああ!!!!
しゅんまお@ sol軍事班 @konkon4696 2014-08-03 00:01:40
はよ!!ゲーム班死者にマコトはよ!!
コウリョウ @kouryou0320 2014-08-03 00:02:17
ゲーム攻略班!死体にマコトと呼びかけるんだ!
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