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【自然災害メモリアル】第289回:明治三陸地震(1896)の日 [防災]災害時で情報弱者はネットを控えるべきか
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【自然災害メモリアル】第289回:明治三陸地震(1896)の日 [防災]災害時で情報弱者はネットを控えるべきか

2019-06-15 23:59
    どうも、
    管理者のNDです。

    6月15日は、
    明治三陸地震(1896)から123年です。

    東日本大震災に次ぐ地震規模のM8.2~8.5前後と推定ではありますが、
    津波はそれ以上だった可能性があると言われる明治三陸地震は、
    このM8以上という巨大地震にもかかわらず、本州ではほとんど揺れがありませんでした。
    その為、まったく大津波が来ることとは誰も思わず、実際に津波が襲来してからようやく事態の
    オオゴトさに気付くというどうすることもできない事態に追われました。
    なので、明治三陸地震は明治三陸津波と言われることも珍しくありません。

    ほとんどが津波だけの被害ですが、
    死者など合わせて21959人にのぼるとんでもない惨事となりました。
    やや内陸側の人は、津波が沿岸に到達しているのに「津波の音は軍事演習の音だと思った」という
    証言まで残されています。それだけ津波というのは、恐ろしいのです。
    映画のような見た目に騙されてはいけません。静かに大きく、突然に襲うのです。

    今回は、
    「災害時で情報弱者はネットを控えるべきか」をテーマにお伝えします。

    津波地震の典型とも言える明治三陸地震ですが、
    実際に地震が来た時にすぐに津波を心配している人がいますが、
    正直言うと、それだけ心配している人に限って明治三陸のような津波が来襲ケースを
    知らないなんて人もいそうで、その方が怖いです。

    情報に疎い人や、災害の知識を十分に持っていない人はむしろネットで情報を収集することは
    難しいように感じます。

    例えばこんなものがあります。

    あるコメント欄が緊急地震速報が宮城県沖で発表されて10秒ぐらいの時です。
    揺れてる 仙台
    宮城でかい
    東京めっちゃゆれた!
    福島揺れ始めた
    仙台ゆれ
    岩手大船渡激しく揺れています


    この中で、疑わしいコメントが一つあります。どれだと思いますか?
    また、全体的に見てどれぐらいの揺れかというのも分かる人がいたら中々です。

    正解は、「東京めっちゃ揺れた!」です。
    ほんの10秒ぐらいで、めっちゃがつくほどの揺れが到達しているとは思えません。
    また、地震監視がされている中で大きな揺れが来た時は短文のコメントになることが多いです。
    何故なら、コメントを書いている余裕がないからです。
    なので最後の大船渡のコメントも実際は微妙な観点になります。しかし、他にもコメントがあるので
    「コメントを書く余裕がない程の大きな地震ではない」と解釈することができます。

    また、熊本地震の時は大地震が来てからコメントがあったのは、ほとんど九州以外の人です。
    「きた」などの僅かなコメントならありましたが、実際に大地震があれば
    全く持ってそんな書く余裕などありません。おそらくここの情報が届く前に大地震が到達して
    しまっています。

    つまるところ、本当に恐ろしい大地震は何の情報もなしにいきなりゆれることです。
    一つの名言に「緊急地震速報がない地震は一番怖い」と言われますが、
    強ちこっちの方が、「地震が多発している時は――」などという人よりよっぽど現実的で
    正しい身構え方になります。
    実際に震源地付近は緊急地震速報が間に合わない他、
    "予想さえしていない地震の起き方"という意味で役に立たずに終わることもあるのです。

    地震の捉え方以外にも、情報の発信だって大きな注意が必要です。
    これは以前の記事でもたびたびお伝えはしていますが、
    大地震の時に、大袈裟な情報は絶対書かない方がいいです。
    非常事態でも「かまってちゃん」は、非常に迷惑を被ります。
    むしろ騒いでいる余裕があるなら、相手は「まだそれぐらいの余裕がある」ととらえられます。
    ネット上では、最も危険な場所の情報に限って入ってこないことが多いです。
    流石に都心部で大震災が起きれば、人が多いので大丈夫ですが、地方になると
    人が少ない地域で一番被害が起きている場所もあり、そこでライフラインが切断されている――
    という状態になっていることもしばしばあります。

    大地震や台風では、被害の中心部だけ極端に情報量が減ることが一つの目安になります。
    これがはっきりと分かるようになると、正直災害クラスと思っても良いでしょう。

    実際に4.7の時では、宮城はP2P地震情報の信頼度がD~Eでとどまり、
    関東や北海道では、ほとんどC~Aの高い信頼度になっていました。
    これぞまさに「感知情報を出す余裕がない程の地震」が宮城であったことになります。
    実際にそこの地震は震度6強を記録していますから、とてもネットに触れる状態ではありません。

    情報の送受信、どちらも情報の渡し方・受け取り方が非常に大切になります。
    決して憶測の状態で、大袈裟なことだけは書かないようにしましょう。

    また、情報を受け取る自身がなければおとなしくして、ネットの情報は頼らずにいることも
    一つの手段です。ネット放送している私が言うのもあれですが、コメントが必ずしも情報として
    正しいとは限りません。しっかり留意して正しい情報を掴んでください。

    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。


    明日は昭和の新潟を襲った、新潟地震(1964)を紹介します。
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