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【自然災害メモリアル】第316回:北海道南西沖地震(1993)の日 [防災]太平洋の津波と日本海の津波
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【自然災害メモリアル】第316回:北海道南西沖地震(1993)の日 [防災]太平洋の津波と日本海の津波

2019-07-12 21:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    07月12日は、
    北海道南西沖地震(1993)から26年です。

    過去の地震を調べようと思って、比較的被害が大きい地震を調べると
    大体辿り着くのがこの地震になるでしょう。
    この北海道南西沖地震は、死者202人、行方不明者28人を出した大きな被害を被った地震ですが、
    実は大地震と言っても、揺れ自体は奥尻島を除いて烈震と言えるほどの揺れが
    道内や東北を襲ったわけでもありません。もちろん、少なからず大地震による被害は出ましたが、
    やはりこの地震で特筆すべきは、大津波です。

    最も被害を受けた奥尻島は、地震が揺れが収まらないうちから潮位が変化し始め、
    わずか5分以内に津波が押し寄せ、日本海中部地震などを基に迅速化したはずの
    津波警報さえも、離島に間に合うことがなく被災しました。

    津波による火災も発生し、檜山地方全体としても大きく衰退傾向に向かう一端になったとも
    言えるこの地震は、まさに地獄絵図でした。

    M7.8という巨大地震に迫る規模のこの地震は、日本海震源の中でも類を見ない規模でした。


    今回は、
    「太平洋の津波と日本海の津波」をテーマにお伝えします。

    太平洋側で起きる津波と日本海側で起きる津波は、
    同じ津波であれど、特徴的なところがあります。

    まず、日本海側の津波で恐ろしい所は、行ってみれば太平洋に比べれば、対岸となる
    ロシアや朝鮮半島には比較的近い場所となっています。
    それが故、津波が複雑に波が反射し合い、巨大な地震規模ともなると、
    日本海全体に被害が及ぶこともあります。
    これは、東京湾で懸念されていることをより大きなスケールで見てもらったものと
    似つかわしい所があります。エネルギーが減衰しないうちに戻ってくることもあるために、
    一度大津波警報が出てしまった場合は、長い間注意報まで解除されることがなく、
    しかも広範囲に津波警報が発表されることも否めません。
    また、プレート境界や小さなトラフなどがある為に、結構なレベルで津波到達までの時間が
    短いことが多いです。佐渡島や隠岐島など、離島に住んでいる方は
    この北海道南西沖地震のような形がその島でも起きる可能性があることを忘れないでください。

    隠岐島はもともと震源になることが極めて珍しいので、東北側よりは懸念度は下がりますが、
    侮ることができないのが地震です。ちなみに、東北側の場合は、一度M7.5以上の地震が
    起きたらまず遅くとも10分以内に避難を完了しなければなりません。
    大きく、長い地震だと確信したら、津波警報等の情報を待たずして即避難してください。
    ほんの1分1秒が命取りになるケースも多々あります。


    一方、太平洋側の津波については、東北地方などではプレート境界部が離れているので
    僅かながら猶予が存在します。しかし、それでも20分程度が限界ですから、
    落ち着いて避難できるかどうかという所にかかっています。
    避難の仕方を間違えると、渋滞に巻き込まれるなどして逃げ遅れる可能性は大いにあります。
    車などでの避難は絶対に避けて、少し時間があってもかならず走って逃げるようにしましょう。
    津波避難ビル・タワーの位置は必ず把握するのです。

    ただし、東北の事例で太平洋側は時間に猶予があると思ってはいけません。
    東海地震は、下手すると北海道南西沖地震よりも短い時間で津波が襲ってくる可能性があります。
    基本的に巨大地震になったら、揺れが収まる前に避難を開始しないと間に合わないケースが
    あります。これは、プレートの境界部が陸地にかなり近いところにあるからなのです。

    というのも、富士山はプレートの境界部、しかも3点が集約するところにある
    世界でも珍しいと言われる火山です。そしてその境界部の延長線上が南海トラフになるわけです。
    つまり、富士山のすぐ近くというのは、行ってみれば陸地のプレート境界部なのです。
    静岡県では3分で津波が到達するという最悪のケースもあります。
    つまりこれは、地震速報で今の地震が震度いくつかを知る前に逃げなければならないのです。
    まずは、太平洋側との違いは時間に猶予があるとは思わないでください。

    太平洋側震源の津波で恐ろしいのはどちらかというと、遠地津波です。
    環太平洋沿いでは、日本と同じようにプレートの境界部が太平洋の外側にほとんど分布しています。
    フィリピンからインドネシア、ニュージーランドから、東はアメリカ西海岸に至るまで、
    北もカムチャツカやアラスカ・アリューシャン列島にもその気になれば、
    M9.0という超巨大地震が引き起こせるだけの力を持った場所が点在します。
    このような巨大地震が起きた時に怖いのは、やはり全く揺れを感じずに知らないうちに
    突然園地の津波が襲来してくることです。

    何かの予定が重なりあい、ネットにもテレビにもありつけない状態になっていてかつ、
    ここで他の人ともコミュニケーションが取れない時、
    突然防災無線の津波警報の放送で、あるいは津波が到達してから初めて気づくことも
    ないとは言えません。尚、アウターライズ地震などでは揺れが大したことないのに、
    津波だけは物凄い高かったということがあります。明治三陸津波での事例でも分かる通り、
    この揺れが小さいという油断を作りやすいのが、太平洋側の津波の恐ろしい所です。

    日本海側では、朝鮮半島やウラジオストク付近での津波を伴う地震というのはほとんど事例がなく、
    大抵の場合は日本側の地震が、逆に朝鮮半島方面に押し寄せる方が多いと言えますので、
    太平洋側と違う場所というと、この辺りが挙げられます。

    あとは、津波の恐怖度はその場その場の場面や時間になります。
    もちろん今回は大まかに2つ分けて紹介しただけですが、震源域やメカニズムが違うだけで
    全然津波の襲来の仕方も変わってきます。
    特に地盤沈下などを引き起こす地域では、津波ハザードマップより盛った考えを視野に入れて
    より安全な場所はどこにあるかを調べてみて下さい。



    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。


    明日は東京を中心に発生した、東京オリンピック渇水(1964)を紹介します。
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