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ニートはときにフリーターに勝る。労働するだけで「何かを成し遂げたつもり」になるな。(2285文字)
イケダハヤトさんの「ihayato.news今年の人気記事トップ10」(http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/18854)と題する記事を読み、「錦織圭や石川遼はマックでバイトしない―「大学に行かない若者」と接して」という記事を発見した(http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/7562)。
タイトルこそ挑発的だが、内容は、いまどきの若者は「マックジョブ」と呼ばれる低賃金のアルバイトを「時間の無駄」と捉えている、そういうかれらに対し大人はマックジョブで働かなくてもいいように支援をしていくべきではないか、というきわめてまっとうなものである。
一理あると思う。良く知られているように、マックジョブはなかなか将来に結びつかない。ある意味では自分の時間と労力を安くバイト先に売り払っているようなものだといえる。たかが月数万円のお金のために、そういう仕事に就くことはいかにも無駄に思える。
もちろん、その数万円がどうしても必要だというひとも多いだろう。また、マックジョブを通じて何らかの経験を得られるひともいないことはないと思う。しかし、もしそうしなくても良いのなら、あえてマックジョブで労働する必要はないのではないかと考える。
これは高校生や大学生に限らない。ニートと呼ばれるひとたちも、必ずしもマックジョブに就いたりする必要はないのではないか、とぼくは思う。
たしかにマックジョブであれ何であれ、仕事をしさえすれば、それだけでニートとは呼ばれない。フリーターと呼ばれる。少額ではあるが、お金も入る。ただ時間を無為に過ごすより、とにかく働いたほうがいいと考えるひとが多数派だろう。
しかし、そういう仕事には、ひとつの重篤な副作用が付いてまわる。つまり、それだけで「何かをしたつもり」になってしまうのだ。じっさいには何ら未来に繋がらないマックジョブに時間をつぎ込んでいるだけなのに、「自分はいま働いている」という「実感」を得てしまう。これは危険なことだ。
それはつまりどこまで行っても「あした」に繋がらない「いま」に耽溺してしまう行為だからだ。「いま」よりも「あした」を重視するのなら、「あした」に繋がらない作業に夢中になって「何かを成し遂げたつもり」になっていてはいけない。それは限りある「いま」を浪費する行為だといえる。その意味で、必ずしもフリーターのほうがニートより切実な生き方だとはいえないのだ。
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コメント
コメントを書く自分はマックジョブで働いてますけど、マックジョブも含めて労働って単純にお金が手に入るし、それにある程度他人から認められて承認欲求もそれなりに満たせられるので、私としては「まぁこれでいいのかな」と思ってしまう所もあります。でも海燕さんの言うこともその通りだとは思いますが・・・難しいですね。