私達はしばしば、自主外交があったかと問う。
紛れもなく、戦後日本には自主外交と呼ばれる外交があった。その中の一つに1977年8月、当時の首相である福田赳夫が東南アジア歴訪の際にマニラで表明した東南アジア外交3原則がある。
日本では今、軍事力増強が国の進むべき道とされているが、日本は明確に別の選択を行っていた時期がある。
今、改めて福田ドクトリンを見ると学ぶべきものが多々ある。
このドクトリン作成にあたった中心人物に西山健彦氏(当時外務省アジア局参事官)がいる。若いころから自宅で勉強会などを主催していたといわれている。
福田ドクトリンは次の3つに集約される。
第1に、わが国は、平和に徹し軍事大国にはならないことを決意しており、そのような立場から、東南アジアひいては世界の平和と繁栄に貢献する。
第2に、わが国は、東南アジアの国々との間に、政治、経済のみならず社会、文化等、広範な分野において
孫崎享のつぶやき
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