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プロレスとエロのコラボが世間を席巻した「JKリフレのプロレス技」騒動! 女子高生が個室でマッサージを施す通称「JKリフレ」でお客にプロレス技をかけるサービスをしたとして、横浜のマッサージ店「横浜リフレ学園Rainbow Color」が労働基準法違反で摘発された事件のことである。「5秒2000円」「一番人気の技は首4の字固め」といういちいちニヤリとする事件の詳細に、報道する側の筆も走りがちだったわけだが、成人向け漫画『シャイニング娘。』などで知られる漫画家・師走の翁先生もこの件を受けて「JKのプロレス技シリーズ」を描きまくり、こちらも大きな話題となった(そのまとめはコチラ→http://togetter.com/li/656595)。「闘い」と「性」――人間の本能が重なったこの事件をエロ表現を知り尽くした師走の翁先生に分析していただきました〜。
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――師走の翁先生が描いた「JKプロレス技落書き」が大反響ですね。
師走の翁(以下、師走) 想像以上ですね。ここ数日で中国や台湾のほうにも広まってるみたいで(笑)。そっち方面のアカウントにリツイートされたり、中国語のリプライが飛んできてますし。
――プロレスとJKに国境はない!……のかもしれません。
師走 面白かったのはプロレスファンの方から「ヘッドロックはそのかたちでは決まらないっ!!」という苦情が入ったり。
――あ、どうにもあふれだしてしまうマニアの主張(笑)。
師走 腕ひしぎ腹固めを藤原(喜明)組長っぽい感じで描いたんですけど「柔道経験者なんですが、もっと腰を低くしてヒジを極めるようにやります!」というリプライがありました。言わんとしてることはわかるんですが、この落書きはそういった趣旨ではないので……(笑)。
――なんだかすいません(笑)。
師走 でも、そういう感じは懐かしかったですけどね。いまはそこまで深くはプロレスを見られてないので「昔は俺もこうだったよな……」という感慨もあって。
――いまはそんなにプロレス格闘技を見られてないですか?
師走 僕は昔リングス原理主義者だったのですけど、パンクラス原理主義者との論争に疲れてしまって。
――いわゆるリンパン抗争ですね。
師走 あのときは論争がだんだん面倒くさくなっていったところはありますね(苦笑)。いまはホント、ミーハーですよ。新日本プロレスが盛り上がってきたら興味は湧くし、新日本が鬼のように冷え込んでいた時期はそれなりでしたし。反作用じゃないですけど、格闘技が盛り上がってないときに“リングもの”を見るとなるとプロレスになりますよね。今回の落書きはプロレスファンが反応するのはわかるんですけど、こんなにたくさんプロレスを理解している人がいるんだなあってちょっと驚きました。それはJKリフレ事件の話題性があったからだとは思うんですけど、プロレスに興味がない方から反応があったりして。潜在的な需要があるんだなあ、と。
――「エロ」「事件」「プロレス」という非日常的要素が重なったことも大きいんでしょうね。
師走 あのJKリフレがM的なニーズなのか、単に女子高生とイチャイチャしたい男性のさもしい欲望があったのかは気になりますよね。ホントよく言われがちなのは「そんなんだったらヌキの風俗に行けばいいじゃない?」っていうことではあると思うんですけど。でも、JKにプロレス技をかけられることが快感というか、そこはJKと密着したかったんでしょうし。
――そこはプロレスをフィルターにしてるだけで。
師走 ぶっちゃっけ、どの技もかけられても、自分がどんな体勢かはわからないじゃないですか。シンプルに言うと、自分の顔がJKの太ももに挟まれてるわけですよね。
――それでけっこうなお値段ですよね。
師走 5秒2000円。
――オバマ大統領が安部首相に連れられていった「すきやばし次郎」は30分程度で5万円ですから、ミシュラン三つ星の寿司屋より高いわけですよ(笑)。
師走 そんなJKリフレにお金をジャブジャブ使ってる人は、場所が場所なら一線を超えることもできると思うんですよ。でも、求めているのはそこじゃなくてJKにプロレス技をかけられることで。
――射精じゃないところの快感ですね。
師走 かけられてる人っておそらくそんなにプロレスを知らないと思うんですよね。そもそも腕ひしぎ十字固めってプロレス技じゃないですし。
――三角絞めも柔道技ですね。たまにニュースに「いじめでプロレス技が~」とか報道されますけど、一時期はそこは「Kー1」だったんですよね。いまはプロレスに勢いが戻ってるんだな、と。
師走 JKリフレから見るプロレス復権ですね(笑)。じゃあいま腕ひしぎをフィニッシュ技にしてるプロレスラーがいるかといえば思いつかないですし。どちらかといえばMMA、総合格闘技なんですよ。
――そこは看板の問題かもしれませんね。「JKがMMAの技を!」や「JKが柔道技!」だと……。
師走 キャッチーじゃないんですよねぇ。プロレスという言葉のほうがエロいんですよ。
――総合格闘技や柔道だとスポーティーというか。JKとJUDOの文字面はいいんですけど(笑)。
師走 プロレスって隠語としても使いやすいじゃないですか。何かいかがわしいことがあると「プロレス」という言葉が良くも悪くも使われて。やっぱりそれだけ文化として身近ってことですよね。さすがに「拝み渡り」の落書きは意味がわからない方が多かったですけど(笑)。
――ハハハハハハ! ただのJKパンチラじゃないのか、と(笑)。
師走 ほかの技はわかるんですけど「この拝み渡りはどこが痛いの?」という声があって。そこはプロレスに興味を持つ入り口にはなるんですけど、プロレスってガチムチな人たちがやってるわけですから基本エロくはなりますよね。男色ディーノの技じゃないですけど、少し工夫するだけでエロの要素が入るじゃないですか。もともと女子プロレスもエロ目線から始まってますし。女性が水着姿で喧嘩して……という。
――いまの女子プロも撮影会や写真集やらでエロは武器の一つではありますね。
師走 ただ、大々的にエロ推しするのが許されない雰囲気ってありますよね、ずっと。愛川ゆず季をリングに上げてる時点でエロ推しなんですけど、やっぱりそこは命がけの職業ではありますから「頑張ってる!」感が前に出てきますし。女子プロの歴史自体を振り返ってみても、だんだんと強さや技術を応援する面が強くなっていって、あと女の子もファンも増えていくとなるとエロを全面に出せなくなりますし。
――アスリートとしての売り方が出てくるということですね。
師走 落書きをして面白かったのは最近は女子プロのアニメ(『世界でいちばん強くなりたい!』)でもありましたけど、女子プロのキャラで求められるのは技をかけられて「痛い、痛~い!」と喘ぐことだったりしますよね。
――かつてはキューティー鈴木もそういう売りがありましたね。
師走 やっぱりプロレス技をかけたい衝動ってあるじゃないですか。できるもんなら誰かにレインメーカーをかけてみたいですし(笑)。でも、今回のJKリフレは、プロレス技をかけられたいわけですよね。
――ああ、そこは欲望が逆転してるわけですね。
師走 そこはひとつのポイントだと思うんですよね。一般的には「女の子とプロレス」というと、まあまあ普通は技をかけたいじゃないですか。でも、今回のJKリフレは逆で。そこはもしかしたら草食化とソフトM化の影響もあるのかな、と。たとえば年配のギラギラしているおじさんならJKに技をかけたいはずなんですね。
――団塊の世代ならかけるほうですかね(笑)。
師走 おじさんたちは「JKがプロレス技で苦悶する表情を見たい」んでしょうけど、いまの人は「苦悶の表情を浮かべたい」と。これはエロマンガにも言えるんですけど、ラノベやアニメのジャンルもここ10年くらい主人公がスケベという設定なのに女の子に手を出さないんです。基本恋愛モノ自体が当たらないこともあるんでしょうけど。それは読者は恋愛ではなく、女の子とキャッキャしたい思いを作品に求めてるからだと思うんですよね。
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