今回は、海外で不発だった『シン・ゴジラ』について語ります。
今回はニコ生ゼミ3/19(#170)より抜粋しました。
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「なぜ『シン・ゴジラ』は海外で不発だったのか?【前編】」
日本中の映画賞を総ナメ状態の『シン・ゴジラ』。
日本アカデミー賞も、あんなに取るとは思いませんでした。
しかし、アサヒ芸能の電子版である“アサ芸プラス”というところに、とんでもない記事が載っていました。
配給会社も出演者もホクホクといったところだが、実は日本での大ヒットに隠れる形でかなり残念な話もあるという。
世界的に名の通っている『シン・ゴジラ』が、海外で予想以上の大爆死を繰り返しているというのだ。
ふたを開ければ、台湾・香港といったアジアで不発。
さらにゴジラに馴染みの薄いヨーロッパでは、なんとかスペインで興業にこぎつけたが、なんと興行収入が91万円という残念過ぎる売り上げ。
つまりほとんど話題になっていない。
だからといって、国内の評価が下がるわけではないが、「国防を怪獣を使ってでしか説明できないのは幼稚」など、欧米では辛辣な意見も少なくなかっただけに、やはりテーマが受けなかったことは間違いない。
こんな記事が載っていました。
スペインの興行収入91万円っていうのはすごいですね。
これに反論するならば、「国の在り方を怪獣映画で語る」というのは、僕は“高度な抽象化”だと思うんですよ。
“幼稚”とは全く真逆の方法なんですよね。
もし、“国の防衛”とか、そういう政治的な大テーマを怪獣映画の形で語るのが幼稚だというんだったら、人間の愛憎を白鳥のダンスで語る『白鳥の湖』も『オペラ座の怪人』も、すべて幼稚っていうことになっちゃう。
「高等数学をロリータファンタジーで語る『鏡の国のアリス』はどうなるんだ? それだって幼稚じゃん!」って思っちゃうんですよ。
コケたのは事実。
でも、このコケた理由を「幼稚と受け取られたからだ」とするのは、それはもう“一部の人の意見”に過ぎないと思うんですよ。
(後編へ続きます)