結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年3月5日 Vol.049
はじめに - 未来に広がる一手
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。 少しずつ春が近づいてくるのがわかるような毎日ですが、 ときどきふっと寒くなる日もありますね。
最近「未来に広がる一手」という言葉がときどき心に浮かびます。
未来に広がる一手。
どういうことか。
私たちは日々いろんな勉強や仕事をします。 たいていは毎日・毎週きまったことの繰り返しになります。 きまったことの繰り返しなんですけれど、 その中でときどき「判断」が必要になることがあります。
この仕事、続けたほうがいいのかな?
それとも、これは終了させて次に移った方がいいのかな?
長期的・短期的さまざまな観点での判断が必要でしょうが、 一つの観点として、
それは「未来に広がる一手」か?
と問いかけるのはどうだろう、と思うのです。 これはずいぶん以前、私よりも五、六歳年上の方からいただいた アドバイスです。印象に残っていて、ときどき思い出すんですよね。
未来に広がる一手。
長期的・短期的の区別でいえば長期的といえるんでしょうけれど、 もうちょっと深いですよね。というのは、このアドバイスを 聞くと、いまから打とうとするその「一手」が、 どのような意味を持っているかを考え始めるからです。 そして自分自身がどのような「未来」を求めているかについても。 判断の前に「私は、どんな未来を求めているんだろうか」という問いかけをするのです。
もちろん、どんな考えも、判断も誤ることはあるわけですが、 「未来に広がる一手」かどうかを考えるのはなかなか良いと思いませんか。
ときにそれは大きな人生の転機に関わるかもしれません。
たとえば、進学。
たとえば、就職。
たとえば、結婚。
たとえば、人間関係。
たとえば、自分のキャリア。
自分が何かを選択できる機会というのは多いようで少ないかも。 選択するときに、目先のこと(まあそれも重要ですけれど)だけじゃなく、 自分の未来について思いをはせた上で判断する。
未来に広がる一手。
春は進学・進級・就職…新年度に向かう季節でもあります。 新年もスタートですが、新年度もスタートですよね。 あなたが「未来に広がる一手」を打つことができますように。
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今回の「手書きノートのスナップショット」のコーナーでは、 結城が何年か前、自分の子供に出した数学(算数)の問題のスナップショットを お届けします。
「数学文章作法」のコーナーでは、2013年4月(もうすぐですね)に刊行される 『数学文章作法 基礎編』の再校について、 それから無料プレゼントについてお知らせします。
また「文章を書く心がけ」のコーナーでは、 「書かない時間」という読み物をお届けします。
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目次
- はじめに - 未来に広がる一手
- 本を書く心がけ - 手書きノートのスナップショット(10)
- 文章を書く心がけ - 書かない時間
- 数学文章作法 - 再校ゲラと無料プレゼント
- 次回予告 - 新企画?