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Vol.077 結城浩/フロー・ライティング/電子書籍の新企画/
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Vol.077 結城浩/フロー・ライティング/電子書籍の新企画/

2013-09-17 07:00
    Vol.077 結城浩/フロー・ライティング/電子書籍の新企画/

    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年9月17日 Vol.077

    はじめに - 台風・楽しい仕事・ナムドット問題

    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。

    この「はじめに」を書いているのは9月16日で、台風18号が日本上陸した日です。 窓から外を見ると木は大風で揺れに揺れ、雨はざんざん降り、 たいへんひどい状況です。

    吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ(文屋康秀)

    「山+風」で「嵐」だそうですが、 それと同時に「あらし」は「荒らし」にも掛かっているのだそうですね。

    そんな悠長なことは言ってられません。 全国各地で警報・注意報・避難勧告・避難指示が出ているとのことで、 少しでも被害が少なくなるようにと祈っています。

     * * *

    別の話。

    一人で文章を書く仕事をしていると、 どうしても「仕事をする」ということに自覚的になります。 自覚的というのが正しいかどうかわかりませんが、 「これは仕事になるかな」や「こういう仕事はどうだろう」 といつも考えているという意味です。 「ワーカホリック」といえるのかもしれません。

    「仕事が好きじゃないとフリーランスは続かない」けれど、 「『好きだけどあえて仕事しない』という日を作らないとそれはそれで続かない」 ような気がします。 私の場合、日曜日は「安息日」で仕事を入れないようにしていますけれどね。

    どうしてワーカホリックになるかというと、仕事が楽しいからです。 もちろん、生活のためにがんばって働き続けなければいけないですし、 家族にも「あなたたちのためにがんばって働いてるよ」アピールはするのですが、 実際は単純に「仕事が楽しいから」働いている気がします。 家内はそんなことはとっくに見抜いていて、 私が冗談交じりに「あなたたちのためにがんばって働いているよ」と言うと、 すかさず「ほんとは楽しいからでしょ」と返してきます。

    上司が見てないと仕事サボるというタイプの人が、

     「自分の好きなように仕事ができるからフリーランスになりたい」

    というのは、大変リスキーだと思っています。 気持ちはわからないではないですが。 上司が見てるかどうかには無関係に自分の仕事を作り・ 考え・実行するタイプの人の方が向いていると思います。 サボるのが悪いわけではありません。 自分の自由時間を増やすために効率化を考えるのはとてもいいことです。 ただ、それを、上司が見てても見てなくても同じようにやるタイプのほうがいいと思います。 何しろ、フリーで働くとほんとうに誰からも何も言われません。 こわいくらいの自由があるのですから。

    そういえば、TeXを作ったコンピュータ科学者(数学者)の クヌース先生のWebページにこんなのがありました。 Retirement(退職、引退)というページ。 「退職した大学教授というものはほとんど普通の大学教授と変わらないが……」

     Being a retired professor is a lot like being an ordinary professor,
     except that you don't have to write research proposals,
     administer grants, or sit in committee meetings. Also, you don't get paid.
     http://www-cs-faculty.stanford.edu/~uno/retd.html

    話がそれました。 「仕事が楽しい」という話でした。 私は仕事が楽しくて、いそいそ仕事するわけですけれど、 それでも自分の好きな気分そのままで書き物をしているわけではありません。 特に、その日の書き始めはいつもつらいものです。 ついだらだらと仕事に着手するのが遅れてしまいます。 その対策のうち、二つをご紹介。

    一つはTwitterです。Twitterは楽しくていくらでも時間を使ってしまいます。 なので、こんな方法を考えて実行しています。

     ◆Twitterの誘惑を振り切って仕事を始める方法
     http://d.hatena.ne.jp/hyuki/20130108/twitter

    これはTwitterで「これから仕事を始めるので離脱する」と宣言する方法です。 しかも、離脱のためのフレーズを仮名漢字変換の日本語入力ソフトに単語登録して、 すばやく入力できるようにするのです。これは効きます。 今年の初めからこれを実行して、かなり成果を上げています。

    もう一つは〆切の決め方です。 原稿の仕事を引き受けるときに、必ず自分から、 「〆切は何月何日にします」あるいは「何月何日に連絡を入れます」 などと相手に伝えるのです。そのときに具体的に「何月何日」と言い切るのがポイントです。 「だいたい月の半ばくらい」みたいな日付にせず、 はっきりした日付を〆切として、しかも自分から約束することで、 仕事に掛かるスピードがかなり早くなるように思います。

     * * *

    次の話題。

    CodeIQの「クロッシング問題」がとても楽しかったので、 新作問題をずっと考えていました。 シンプルで楽しい問題のアイディアがひらめいて、 ちょうどいい難易度に調整をして公開しました。 今度は「ナムドット問題」です。

     ◆古代文献を復元しよう!(ナムドット問題)
     https://codeiq.jp/ace/yuki_hiroshi/q468

    このナムドット問題に対して、 CodeIQの運営さんがすてきな賞品を用意してくださいました。 最高評価の方から抽選で一名様に、 アマゾン限定の特典小冊子つき「数学ガール五冊セット」をプレゼント。 プログラムを使っても使わなくても挑戦できますので、ぜひどうぞ。

    結城が作った問題は今回のナムドットで13問目。 のべ解答者の総数はなんと2000人を越えています(!)。 とても驚きました。

     ◆結城浩の出した問題と挑戦者数
     https://codeiq.jp/ace/yuki_hiroshi/

    前回も書きましたが、CodeIQでの出題はほんとうに楽しいです。 結城は子供の頃からクイズやパズルを出題するのが大好きでした。 特に「解いて楽しめる問題」に仕上げるのが好きでしたね。 難易度がそこそこあって、解いた時間が決して無駄にならない。 そんな問題です。 CodeIQでの出題はちょうどハマった感があります。

    出題ばかりしていてもなんなので、@cielavenir さんが作ったRestricted Wordsという 問題にJavaで挑戦してみました。

     ◆Restricted Words (@cielavenirさん)
     https://codeiq.jp/ace/cielavenir/q431

    問題を出題するのと問題に挑戦するのではまったく気分が違いますね。 ただ、似ているところがあります。それは、 自分が書いたものを「絶対に間違いない」と確信するまで何度も何度も読み返すというところです。 出題するときには出題ミスがあってはたいへんなので、 何度も読み返します。 誤解がありそうなところを中心にして細かく直します。 解答するときは立場はちょうど逆ですが、読み返すのは同じです。 出題意図を誤解していないかを何度もチェックして直します。 そして、

     よし、現在の自分はこれ以上の改善はできない。
     これが現在の自分の最善だ。
     これで送信!

    という一種の決意を持って送信するのです。 この緊張感が私は大好きなのです。

     * * *

    さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。 今回はまず、現在私が考えている「電子書籍の新企画」について (より正確には、ここ二年くらいの仕事の流れについて)お話しします。 まだまとまっていない考えですが、 生の形でざくざくと書いてみようと思います。

    それから、前回予告した「フロー・ライティング」をお送りします。 こちらはPDFでお送りしますので、ダウンロードしてお読みください。

    それではどうぞお楽しみください!

    目次

    • はじめに - 台風・楽しい仕事・ナムドット問題
    • 本を書く心がけ - 電子書籍の新企画を考える
    • フロー・ライティング - 年齢に応じた文章の書き方
    • 次回予告 - 数学文章作法
     
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