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PL紳士さん のコメント

最高裁の判決が出るたびに思うことがある。殆どの判決が政権寄りで、真に国民の方を向いた判断になっていない。裁判官が内閣によって指名される以上、ある程度はやむを得ないにしても、いくつか問題をはらんでいる。

 まずは、裁判官の選考過程がまったくブラックボックスで国民にいっさい明らかにされていないこと。15名の裁判官の出身分野が、以前からずっと裁判官6名、弁護士4名、検察官2名、行政官2名、学者1名に固定されたままだが、その根拠はただ従来からの慣例というのみで、法的なものがあるわけでも何でもない。

 裁判官出身および検察官の裁判官はそろって保守的で、殆どが政権寄りの判断しか下そうとしない。国民にとって頼りにできるのは弁護士出身の裁判官にほぼ限られている(今回の判決でも、「憲法違反」判断を下した4名の裁判官中、3名までが弁護士出身の裁判官で占められている)。

 政権べったりの判決しかしようとしない最高裁の現状を改めることは、実は簡単である。裁判官の出身分野別の比率を変えて、弁護士出身の裁判官の数を増やせば良いのだ。
 それと、裁判官の選考過程を明らかにするとともに、例えばできればアメリカのように選任に議会の承認を必要とするようにでもしたい。

 最高裁の裁判官については、せっかく国民審査の制度が設けられているのであるから、これを少しでも有効に機能させるべく、メディアも判決が出される都度、各裁判官の個別の判断結果を細かく国民に伝えることが大切である。現状では、国民審査に必要な情報がまったく不足している(各家庭に配られる広報には、各裁判官の「抱負」「趣味」など、まったく下らない項目が並んでいるが、ナンセンスである)。

 いずれにしても、司法に対する国民の関心があまりに低すぎる。日本の現状を改めさせるカギは、何も国会議員の選挙ばかりではない。司法の抜本改革が待たれる。
No.3
115ヶ月前
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昨年の参院選は「違憲状態」 一票の格差巡り最高裁判決 A: 事実関係: 「一票の格差」が最大4・77倍だった昨年7月の参院選について、最高裁大法廷26日、「憲法違反の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった」と判断した。選挙の無効(やり直し)の請求は退けた。「2016年参院選まで」を事実上の是正の期限とした。国会は、両院の選挙制度を迅速に是正することを求められた。  昨年の参院選で、定数(当選する議員の数)1人あたりの有権者数を計算すると、最も多い北海道は、少ない鳥取県の4・77倍。 最高裁判決の骨子 ・昨年の参院選当時、最大4.77倍の格差があった投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった。 ・ただし、選挙までに議員定数配分規定の改正がされなかったことが、国会の裁量権の限界を超えるとは言えず、違憲とは言えない。 ・違憲の問題が生ずる不平等状態を解消するために
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。