「とりあえず今日は安静に!」と言われた俺は、そのまま一人で部屋に残されていた。

何日間か眠っていたようだが、体調に問題はない。明日に備えてもう一度寝直そうかと思うのだが、この異常な状況に目が冴えてしまっている。じっと窓の外を見ていた俺はベッドの上で起き上がり、近くにあった椅子に腰掛けてテーブルに肘をついてみる。一度、この現状を考え直してみよう。


 

ここは本当にゲームの中の世界なのか、そもそもそんな現実離れした話があるのだろうか……。


何より一番心配だったのは、もしここが考え得る中での最悪の状況だった場合、帰る方法があるのかということだった。


〝入れたのなら、出る方法もどこかにあるハズだろう〟


冷静になって考えてみると、現実世界に戻れるという確信はない。


もしこのまま帰り方がわからなければ、妹を――ユウナを一人ぼっちにしてしまうことになる。


それだけはなんとしても避けたかった。


自分達兄