ファーストフードの「時給1500円」にあげろというデモがあるなど非正規社員の賃金の話題を最近よく耳にします。

 そんな中、とても興味深い記事を読みました。

 同じ仕事でも賃金3割以上カット「正規vs.非正規格差」は永久に不滅ですか 

 最近人手不足で、非正規社員の賃金も上がってきているが、正社員の方の上げ幅の方が大きい。

 正規社員への雇用の転換が促されているが、今や非正規社員の割合は38%で、正規社員への転換がたとえ進んだとしても、正規と非正規の間の格差を無視するわけにはいかない。

 だから、きちんと、「同一労働同一賃金」を進めるべきであるという内容です。

 そしてその中で、生協の興味深い取り組みが紹介されています。きちんと職務の内容を分析してみると、正社員の時給2153円に対し、非正規社員は1671円が適切だが、実際は1024円、つまり600円以上低いという結果が出たそうなのです。

 正社員の方が職務の内容が上なため、差があるのは仕方ないせいでうやむやになってるけど、ちゃんと評価したら、やっぱりちょっと低すぎだよねという結果。

 この調査何気にすごく大事ではないかと思います。結局企業側だけが悪いわけではなく、働く方もなんとなくこんなもんというイメージがあります。実際時給1024円で求人すれば人は集まるでしょう。その社会全体のなんとなくが「正規vs.非正規格差」を長引かせてしまっています。

 ここでたまに出す大福の例に似ています。きちんと原価計算せずになんとなくこれくらいだしと値段を設定して、道の駅で大福を売り始める。最初少ししか売れないときはあまり儲けがなくても仕方ないかと続けますが、いくら売れだしても全然儲からず息切れしてしまう。

 自分の時給はいくらが適切かなんて簡単には計算できませんから、並ぶ求人を見て同じような仕事が同じような時給なら、「こんなもんか」と思うしかありません。でも実際はきちんと分析すると仕事の内容以上に差があるわけです。