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号外 2020.8.11発行


【目次】
1. ゴーマニズム宣言・第384回「経済への深刻な打撃」
2. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第178回「新型コロナよりずっと怖い、インフルエンザウイルスの脅威」




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第384回「経済への深刻な打撃」

 新型コロナ「感染症」によって日本が「地獄になる」「目を覆うようなことになる」などと「専門家」が言い続けた予言は、全て外れという結論が間もなく出ることになるだろう。
 だが新型コロナ「恐怖症」によって、経済はこれから本当に地獄になり、目を覆うような事態を迎えるかもしれない。

 民間の信用調査会社・帝国データバンクによると、新コロの影響で倒産した企業(破産などの法的手続きをとって倒産した企業と、事業を停止して法的整理の準備に入った企業)は、8月3日までに406社に上るという。
 月別では、4月が89社、5月が86社、6月が121社、7月は91社。5月に件数が増えず、6月に急増しているのは、緊急事態宣言の発令で裁判所が自ら機能を停止してしまい、5月末の宣言解除まで破産開始決定が出なかったことが影響したからだろう。
 都道府県別では、最も多いのが東京都で97社、次いで大阪府が42社、北海道が23社などとなっている。
 業種別では、居酒屋やレストランなどの飲食店が最も多い56社、ホテルや旅館が48社、食品卸が27社となっており、飲食と宿泊関連で全体の3割を占めている。
 帝国データバンクは、「酒を提供する飲食店などに対し、東京都が営業時間短縮を要請することなどで、特に飲食業は再び厳しい状況に陥るおそれがある。また、これまで多かったサービス業だけでなく、製造業などにも倒産が広がらないか、注視が必要だ」と話している。

 同社情報部の丸山昌吾氏は、「週刊SPA!」8月11日・18日合併号で次のように解説している。
「当初は中国からの渡航規制の影響でホテルや観光業の落ち込みが目立ちましたが、自粛が始まり飲食店の倒産数が追い抜いた形です。アパレル業界も同様ですが、業界全体が落ち込んでもワークマンや西松屋など独自の商品構成で営業する企業や強いEC基盤かある一部の企業はむしろ伸びています。ただ、全体的には今は金融機関の支援である程度、倒産が抑えられている状態でしょう。8月から年末に向けて、徐々に倒産数は増えていくと予測しています
 金融機関の支援といっても要するに借金なのだから、当座をしのいで業績が回復して返済ができればいいが、そうならずに期限を迎えたら、倒産するしかないのである。

 自粛が経済に大打撃を与えているのは、もう明らかだ。思ったとおり、特に 飲食・観光が顕著である。
 前出の「SPA!」に掲載されている、観光業の現場の声も紹介しよう。
 32歳の旅行会社社員は、こう語る。
「冬のボーナスはカットです。相当落胆しましたし、そもそも基本給すら下がりました。共働きの妻と二人暮らしなので切り詰めればなんとか生活できますが、家や車のローンがある同僚は本当に青ざめていましたね
「コロナが騒がれだした3月から予約は軒並みキャンセル、現在も予約状況は例年に比べて絶望的に少ないです。秋口以降の予約は少しずつ入っていますが、それも感染状況次第でどうなるかわかりません。他社さんも同じようなものでしょうし、今の状況が続けば観光業に関わる小さな会社からどんどんつぶれていくでしょうね」
 また、北関東のある老舗旅館の支配人はこう話す。
「3月中句から急激にお客さまが減り、売り上げが前年比の3割まで落ち込みました。5月は1か月休館したので売り上げはゼロ、6月に再開しても例年の2割、現在は少し戻りましたが前年比で3割の宿泊しかありません。ウチは行政からの助成金で踏みとどまっている状態ですが、魚屋やお土産屋、リネン屋など、旅館に関わる業界も火の車になっています。なんとか耐え抜きたいですが……」

 経済産業省のホームページを見たら、とんでもない状態になっていることがはっきりわかる。

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 第3次産業の中で、赤で囲まれている「生活娯楽関連サービス」の急降下は、恐怖を感じるほどだ。
「生活娯楽関連サービス」とは名前の通り、生活や娯楽に関連する様々なサービスである。
「生活関連」は、宿泊業、飲食店や洗濯・理容・美容・浴場業、旅行業、冠婚葬祭業など。
「娯楽関連」は、映画館、劇場・興行団(プロスポーツ興行含む)、ゴルフ場などスポーツ施設提供業、遊園地・テーマパーク、パチンコなどで、他に、学習支援業、ペットクリニックなどがある。

 そして、3月から5月の「生活娯楽関連サービス」の落ち込みに特に影響を与えた(寄与度が高い)業種は、いずれも1位が「食堂、レストラン、専門店」、2位が「ホテル」、3位が「パブレストラン、居酒屋」となっている。
 4位以下は変動があるが、やはり飲食・観光関連がズラリである。

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 官僚も政府もこういう現状を把握しており、真っ先にここに手を打たなければならないことがわかっていたから「GoToキャンペーン」をやったのだ。
 本当に観光業界が苦境に陥っている。だがもう当分は外国人観光客を迎え入れることができない。そこで国内の旅行客で何とか観光業界を救おうというのが「GoToトラベル」であり、それに続けて飲食業界を救うために「GoToイート」をやろうと考えたのであって、決していい加減な発想で始めたわけではないのである。

 ところが、マスコミも専門家ぶった奴らもGoToキャンペーンをやめさせようとして叩きまくり、それに多くの大衆も乗っかった。