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  • 「アイドルはルックス、政治家は能力」小林よしのりライジング Vol.247

    2017-11-21 22:25721
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    第247号 2017.11.21発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…アイドルをルックスだけで評価することを「幼稚で後進的な女性観」と罵っておきながら、自ら『女政治家の通信簿』で女性政治家の評価基準の一つに「ルックス」を入れている、分裂症ぎみの新宿ホスト風ライター・古谷経衡。果たして、アイドルと政治家の評価はどうあるのが正しいか?
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…今月17日、民泊仲介サイト世界最大手の米国Airbnb社(通称:エアビー社)が、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会から立ち入り検査を受けたという報道があった。そのエアビーを使って大阪で民泊!果たして予約した宿の実態とは!?
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!トランプ大統領と懇談された際の天皇陛下のお言葉をどう思う?昔好きだった忍者漫画は?一人旅と集団旅行、どちらが好き?首相に対して異論があっても、大臣になると何も言えなくなってしまうのは仕方がないこと?コンビニにエロ本を置くのはアリ?日馬富士の暴行事件をどう思う?アメリカンニューシネマで好きな作品は?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第253回「アイドルはルックス、政治家は能力」
    2. しゃべらせてクリ!・第205回「悪夢ぶぁい! 沙麻代ちゃんが袋小路くんにキッシュ!?〈前編〉の巻〈前編〉」
    3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第57回「“エアビー”で大阪、民泊してみた 後編」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第253回「アイドルはルックス、政治家は能力」

     新宿ホスト風ライターの古谷経衡が、「SAPIO(11・12月号)」で『女政治家の通信簿』と題する、愚にもつかない記事を書いている。
     記事そのものに対する批判はブログでトッキーが徹底的にやっているのでそっちに任せるが、今回はそれとは別に、記事から一カ所気になったところを取り上げて、考察をしてみたい。

     古谷は、政治の世界への女性の進出が一向に進まないのは、女性の側にも応分の理由があると責任転嫁し、こう書いている。

     とりわけ女性の政治的自立や自覚が足りない。男性側には、「選抜総選挙」と銘打つ女性アイドルを愛玩動物のように消費する幼稚で後進的な女性観が寡占的で、若手批評家が「アイドルの○○推し」を公言して憚らない時期があった。誰もこれを異常と言わない。女性を個として認識せず、愛玩の対象とする異様性は日本特有のものだが、女性側もそれに異を唱えない。

     言論人で「『アイドルの○○推し』を公言して憚らない」者といえば、まずわしのことだと自負してもいいくらいで、古谷も当然わしのことを念頭に置いて書いたはずだが、わしの名前を出して批判するわけでもなく、そればかりか、「若手批評家が」として、わしのことではないかのようにして書いている。そんなにわしを敵に回すのが怖いのか?
     それはともかく、AKBの総選挙が女性アイドルを「愛玩動物のように消費する幼稚で後進的な女性観」による「日本特有」「異様性」の産物だというのなら、ミスコンテストは一体どうなるのか?
     あれだって女性をずらっとステージ上に並べて「品定め」して序列をつけているんだから、女性を「愛玩動物のように消費する幼稚で後進的な女性観」の産物だと言えてしまうではないか。
     ミスコンは「日本特有」のものではない。むしろ海外から入ってきた文化で、世界中で行われているのだが。

     90年代、堺市の女性市民団体がミスコン反対運動を起こして、話題となったことがある。
     同団体は「ミスコンは女性差別の集大成」と主張し、ステージ上にエントリーした女性を並べて審査する方法については、「昔のアメリカの奴隷制度がまかり通っていた暗黒時代の人身売買のエントリーのしかたと何ら変わりがない」とまで言っていた。
     同団体の運動のために、一時は各地のミスコンが次々と中止に追い込まれたが、今ではかなり復活して来ている。
     古谷はこの女性団体と同意見で、ミスコン廃止を訴えているのか?

     そもそもこんなこと言い出したら、グラビアアイドルだって成立しない。
     グラドルだって、女性をルックスだけで「愛玩の対象」としており、「個として認識」していないということになってしまう。
     もちろんグラビア雑誌だって海外にもいくらでもあり、グラドルが「日本特有」「異常性」だというわけでは全くない。
     前述の堺の女性団体は、女性をルックスだけで評価するのはけしからんとして、「大切なのは人柄なのよ」と唱えていたが、古谷が言っているのも全く同じことである。
     だが、わしはこれをそんなにイデオロギー化しては捉えられない。 
  • 「帰属なき個は獣以下である」小林よしのりライジング号外

    2017-11-14 16:25193
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    (号外 2017.11.14)

    【目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第252回「帰属なき個は獣以下である」
    2. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第56回「“エアビー”で大阪、民泊してみた」



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    第252回「帰属なき個は獣以下である」

     神奈川県座間市で、わずか2か月ほどの間に9人が殺害されるという事件が起きた。
     被害者は、行方不明になった交際相手を探していて事件に巻き込まれた男性一人を除き、全員が10代・20代の女性で、容疑者の白石隆浩という27歳の男は、自殺願望を持つ女性とツイッターでコンタクトを取り、自宅に呼び寄せては殺していた。
     ツイッターのアカウント名で呼び合っていたため相手の本名すら知らず、どうせ死にたい奴なんだからと、罪悪感もなく犯行に及んだのだろう。
     白石は次々に餌食にする女性をツイッターで漁っては、本当は自分には死ぬ気などさらさらないのに「一緒に死のう」などとダイレクトメールを送って気を引き、呼び出して犯して殺し、金目のものは全て奪い、遺体を浴室でバラバラにして、骨から肉をそぎ落とし、生首をクーラーボックスに入れて保存していた。証拠隠滅のために遺体をバラバラにしたのなら、こんなことはしないものなので、死体愛好的な異常性欲の可能性もあるらしい。
     それにしても今の日本には、ツイッターでやり取りしただけでどこの誰ともわからない、名前も知らない男の家に訪ねて行くような無防備な女子がものすごくいっぱいいるようだ。だからたった2か月で、8人もが餌食にされてしまったのだろう。

     白石は家族とも絶縁状態、職は転々として定着せず、居住していたアパートの近隣でも交友関係はほとんどなく、全く社会から孤立しており、今年6月頃には「生きていても意味が無い」などと漏らしていたという。
     わしは『戦争論』などでいつも、「個人」とは社会のヨコ軸と歴史のタテ軸の交差するところに形成されると説いている。
     社会のヨコ軸である共同体に一切帰属意識がなく、歴史のタテ軸など意識することもなく、何にも縛られていない一個人というものがあるとすれば、それこそが白石隆浩なのだ。
     一切の帰属から解き放たれた個人は、性欲だけのケモノになる。
     いや、そう言ってはケモノに失礼だ。
     ケモノは本能のルールから外れた行動はしない。異常性欲のために仲間を無駄に殺すなんてことはやらないのだ。
     ヒトは本能が壊れたサルだから、帰属による縛りがなくなったら、ケモノ以下の醜悪な生き物になってしまうのである。

     幼女4人を連続誘拐・殺害して平成元年(1989)に逮捕され、平成20年(2008)死刑執行された宮崎勤も、家族や職場などに一切の帰属意識を持っていなかった。
     唯一、心を通わせていたのが祖父だったが、その祖父が死んで、3か月後には最初の犯行に及んでいる。
     祖父が死んで社会のヨコ軸からも、歴史のタテ軸からも、全ての属性から切り離され、後には性欲しか残らなかったわけだ。
     しかも、まともな社会から切り離されていたために大人の女性には相手にされず、性欲の対象が幼女だけになってしまった。それも、当然ながら幼女にも拒否されるから、拉致した途端に殺害するということを繰り返したのだ。
     逮捕されると、取り調べの刑事が真面目に自分の言うことを聞いてくれるから、宮崎にとってこれが唯一の人間関係となった。それで普通なら黙秘するところを、刑事との属性を感じたがために、あっさりと洗いざらい自白したのだった。

     人は何にも縛られない一個人になったら、ケモノ以下にまで堕ちる。 
  • 「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」小林よしのりライジング Vol.246

    2017-11-07 20:55244
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    第246号 2017.11.7発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…元TBS記者で安倍首相と親交の深い山口敬之氏からのレイプ被害を告発した伊藤詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋)。被害を受けた詩織さんが、ジャーナリストとして世に問題提起しなければならないという使命感から必死の思いで行動し、書き上げたものだ。しかし、彼女に巧妙に寄り添ったふりをしながら同書を推薦しつつ、実は彼女の意志は全否定し政権擁護に利用する、姑息な女性論客がいる。その巧妙な言論を徹底解説!表面的な薄っぺらい言葉の数々に騙されるな!
    ※「ゴーマニズム宣言」…今回の衆院選でも若者の自民党支持率は高く、若者の「保守化」が進んでいると言われていたが、その若者の心理分析が少々違っていたらしい。読売新聞社と早稲田大学現代政治経済研究所が共同で行った調査では、若い世代ほど自民党を「リベラル」と認識しており、逆に民進党や共産党は保守政党、守旧派だと思っているという結果が出たという。若者は自民党をリベラルと思って支持し、年寄りは保守と思って支持している…なぜこんなヘンテコな現象が起きているのだろうか?
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!煽り運転をする車に遭遇したらどうする?米大統領にゴルフ接待する意味とは?パソコンばっかりするパパを怒って!創作の原動力とは?古典の名作が著作権切れで無料で読めることは果たして正しいこと?偏食の女性と食事した事はある?チョコに合うのはピーナツとアーモンド、どっち?山尾議員が立憲民主党に入党されなかったのはなぜ?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第55回「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」
    2. ゴーマニズム宣言・第251回「若者は自民党をリベラルだって?」
    3. しゃべらせてクリ!・第204回「必勝!ぽっくんの選挙演説大作戦ぶぁい!の巻の巻〈後編〉」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第55回「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」

     元TBS記者で安倍首相と親交の深い山口敬之氏からのレイプ被害を告発した伊藤詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋)を読んだ。

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     これまで『週刊新潮』の取材記事と、ご本人の記者会見によって、逮捕状が発布されていた山口氏による性犯罪が警察トップによって握りつぶされていたこと、さらに、山口氏本人が内閣情報調査室の人間に“事後処理”を依頼していたことなど、権力者と性犯罪者の卑劣すぎる共謀関係が報じられてきた。
     この本では、被害を受けた詩織さんが、心の傷を負ってボロボロになりながらも、ジャーナリストとして、自身の身に降りかかったことから逃げることなく、世に問題提起しなければならないという使命感から必死の思いで行動し、書き上げたものだ。

    「伝える」ことが強い目的になっており、事件の全容とその後の山口とのメールのやりとり全文、独自の調査、浮上する疑問点、デートレイプドラッグの実態、性犯罪被害者をめぐる現状、被害にあった時の対処法などが全体としてかなり精細に、丁寧に、冷静に、そして抑制的な筆致でつづられている。
     被害者としての本音を吐露した部分は、本当はもっと痛々しく息苦しいほど濃密な表現を選んでもおかしくなかっただろう。けれど、自己憐憫に陥らないよう踏みとどまり、この事件を“公の問題”としてスポットを当てようとする姿勢は本当に立派だし、並みの勇気ではないと思う。

     なかでも、詩織さんが一番かわいがり、この子の将来を守りたいと思い、記者会見の動機のひとつにもなった、年の離れた妹さんが、その記者会見とその後のネット上の中傷などによって傷つき、拒絶反応を示して連絡をとることすらできなくなったこと、そして、詩織さん本人が事件後の一連の経過のなかで、自死を思わせる心理状態を何度も何度も体験していたことは、読み手としてつらく、胸のつまる思いをした。

     警察の捜査を経て裁判所から発布された逮捕状が、警察トップからの電話一本で執行中止になり、加害者は安倍政権の御用コメンテーターとして各局ワイドショーで大活躍、被害者本人が顔出しで記者会見を行って不公正を訴えているという大事件。
     しかし、なぜメディアはほとんど後追い報道をしなかったのか? 八つ墓村の因習で、女性政治家のスキャンダルには執拗に食いつくのに、なぜ?
    「忖度という空気」の蔓延かと思っていたら、本の中で、政府から明らかな報道自粛要請があったと明かされており、驚愕した。
     翌日、知人のジャーナリストからも連絡があった。
    「政府サイドが各メディアに対し、あれは筋の悪いネタだから触れないほうが良いなどと、報道自粛を勧めている。各社がもともと及び腰なのは想像がつくが、これでは会見を報道する社があるかどうか……。
     でも、会見はやるべきで、ただ、工夫が必要ですね。しかし、なぜ政府サイドがここまで本件に介入する必要があるのか、不可解」
     矢継ぎ早の連絡に、気持ちが混乱した。
     そんな時、「週刊新潮」の記者に、メディアに対して私の会見に関する報道自粛を求める動きが、水面下で拡がっているらしいと話すと、彼は軽い調子で、
    「ああ、知ってますよ」
     と言った。「だから何?」というようなその姿勢に、私はとても勇気づけられた。
    (伊藤詩織『Black Box』より)

     圧力に負けず、取材を断行したのは、「週刊新潮」の記者だけだったのだ。
     メディア関係者のなかには「タクシーでホテルに到着した詩織さんには意識があり、自分で嘔吐物を処理しており、歩いてホテルに入っていった。だから合意のもとでの行為なんだ」というデマをばらまく者もいたという。
     意識不明になった詩織さん(デートレイプドラッグを盛られた可能性がある)が、ぐらぐらのまま山口氏に担がれ、床に足もつかないままホテルに連れ込まれていく様子が防犯カメラの映像として残っており、タクシー運転手、ベルボーイにも目撃されているという事実があるのに、である。
     証拠があるのに確かめもせず、デマを鵜呑みにして言いふらすなど、どこのメディアだ? 職務上もっともやってはならないことだろう。

    ■政府によるあきらかな被害者弾圧

     記者会見を行うと、詩織さんが「共謀罪の審議が長引いて、刑法改正案の審議が遅れている」と発言したのを取り沙汰して、「共謀罪に言及した政治的な会見だ。バックには民進党がいるらしい」という憶測がネット上に流れた。その後は、詩織さんのもとに嫌がらせや脅し、誹謗中傷の嵐がやってきたという。

     既に連載第40回「内閣ぐるみ!強姦犯・山口敬之の無罪放免を許すな」で書いたが、詩織さんに対するネットの憶測と誹謗中傷の元凶は、内閣情報調査室が作り上げ、ばら撒いたデマだということが発覚している。政府は「民進党が党利党略のために告発を仕組んだ」というデマをでっち上げ、チャート図を作ってマスコミに配布していたのだ。