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  • 「スリーパー・セル妄想と差別」小林よしのりライジング Vol.259

    2018-02-20 22:455時間前18
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    第259号 2018.2.20発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…2月11日放送のフジテレビ「ワイドナショー」において“国際政治学者”の三浦瑠麗が「(朝鮮半島で)戦争が始まったら『スリーパー・セル』が動き始める」「テロリスト分子が潜んでいる」「結構大阪がヤバイ」と発言、炎上している。このような「工作員妄想」はネトウヨ・自称保守界隈では事実として流通しており、三浦を擁護する言説が現れている。果たして三浦の「スリーパー・セル」発言は正論なのか?根拠とした情報源の信用度は?そして日本にいる工作員の実態とは?
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…安倍首相が裁量労働制に関する国会答弁を撤回、謝罪した一連の問題で、現在、その答弁のもとになった厚生労働省のデータが、あまりにも恣意的に官邸の意向を汲んだ内容になっているのではないかと指摘されている。さらに首相は子どもの相対的貧困率が2009年の9.9%から7.9%に下がっていることをあげて、こう強調した。「雇用が大きく増加するなど、経済が好転する中で低下に転じた。格差が拡大し貧困が悪化したとの指摘はあたらない」…これもウソまみれの答弁である。データの「誤用」に注意せよ!
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!朝鮮戦争が再開される可能性は?日銀がじゃぶじゃぶと紙幣を刷る事は日本にとって正解なの?小学生の時、どのくらい本を読んだ?「よーしゃなく厳しい攻め」とはどういうもの?娘に避妊具についてどのように説明するのが正解?先生にとって「文豪」といえば誰?“イイ女”とは?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第265回「スリーパー・セル妄想と差別」
    2. しゃべらせてクリ!・第217回「答えてクリ! 貧ぼっちゃまに質問攻めぶぁい!の巻〈前編〉」
    3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第69回「子供の貧困率は改善している、という嘘」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第265回「スリーパー・セル妄想と差別」

     三浦瑠麗の「スリーパー・セル妄想」について、もっと詳しく書いておきたい。
     事の発端は2月11日のフジテレビ「ワイドナショー」における、以下の発言である。

    三浦瑠麗「実際に戦争が始まったら、テロリストが、仮に金正恩さんが殺されても、スリーパー・セルって言われて、もう指導者が死んだっていうのが分かったら、もう一切外部との連絡を絶って都市で動き始めるスリーパー・セルってのが活動される、化するってのが言われてるんです」
    (「スリーパー セル 一般市民を装って潜伏している工作員やテロリスト」とのテロップが入る)
    東野幸治「普段眠っている暗殺部隊みたいなのが…」
    三浦「テロリスト分子がいるわけです。
     それが、ソウルでも、東京でも、もちろん大阪でも、いま結構大阪ヤバイって言われていて」
    松本人志「潜んでるってことですか?」
    三浦「潜んでます。
     というのは、あの、いざという時に、その最後のバックアッププランですよ。
     そうしたら、首都攻撃するよりかは、正直、他の大都市が狙われる可能性もありますので、東京じゃないからっていうふうに安心はできないっていうのがあるので、正直我々としては核だろうが何だろうが戦争して欲しくないですよ、アメリカに」

     これを「工作員妄想」と名付け、いち早く批判したのが文筆家の古谷経衡だ。
     古谷によれば、三浦の発言は小泉訪朝に揺れた時代の「ネット右翼の典型的対北朝鮮工作員観をトレースしたモノ」だという。
     実際には、拉致問題が注目されて以降、日本の公安当局は北朝鮮関係者への監視を大幅に強化、朝鮮総連内部の詳しい動きに逐一目を光らせているが、それにもかかわらず、公安当局による報告書には「スリーパー・セル」なる特殊工作員の記述は一切存在していない。
     また「リテラ」も、ベテラン公安捜査官の「長く公安にいるけど、スリーパー・セルなんて言葉は誰も使わないし、聞いたこともない」との証言を紹介している。
     三浦は、日本の公安が全く知らない「スリーパー・セル」の情報を自分は知っているとテレビで言ったわけだ。

     では、三浦は何を根拠に「スリーパー・セル」なるものを言い出したのか?
     三浦は自身のブログで「すべての情報源を明らかにすることはできませんが、本件は、専門家の間では一般的な認識」などともったいをつけるが、その上で公開できる情報として真っ先に上げたのは、なんと英国の「デイリー・メール」というタブロイド紙だった。
     デイリー・メールは、誇張と煽情的表現を売りにした右派大衆紙で、「過激な表現や差別的な記事が多い」ことを理由に、鉄道運営会社ヴァージン・トレインズが同紙の車内販売の中止を発表(のち撤回)したほどである。
     記事の信憑性についても、1934年、ネッシーが湖面から首を出した写真を初めて掲載、つい最近も、ウィキペディアがデイリー・メールからの引用を禁止する決定をしたという、いわくつきの新聞なのだ。
     しかもその記事自体も、北朝鮮本国が工作員にラジオ放送で暗号を送っているというよく聞く話だけで、「スリーパー・セル」なるものがテロを企んでいるとも、「大阪が危ない」とも一切書いていなかったというから、話にならない。
     ここまでくれば、これはやはり「妄想」だろう。

     ところがこんなヨタ話が、ネトウヨ・自称保守界隈では事実として流通しているらしく、三浦を擁護する言説が現れている。
     例えば「アゴラ」に掲載された梶井彩子なるライターの文章だ。
     梶井は、古谷経衡が引用しているのは公安調査庁の報告書だけで、警察の公安部門はこれとは別であり、「警察白書」には北朝鮮の「潜伏する工作員」について書いてあると反論している。
     そこでわしは警察白書を読んでみた。該当部分を以下に引用するが、少々長いので、わしが太字で強調したところだけ見てもらえればいい。 
  • 「結婚延期、眞子様の言葉を信じる」小林よしのりライジング Vol.258

    2018-02-13 18:252293
    150pt
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    第258号 2018.2.13発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…今年11月に予定されていた眞子さまのご結婚が突如、再来年に延期されたことに関して様々な憶測が飛び交っている。ご結婚相手の小室圭さんの母親に関するスキャンダルが影響したのだろうという見方が強いのだが、これも憶測の域を出ない。今後どうなるかという予想は大きく二つの見方に分かれる。一つは眞子さまの言葉どおり、再来年には結婚されるという見方。そしてもう一つは、一応延期ということにしておいて、実は破談になるのではという見方だ。我々国民はどう受け止めるべきか?
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…1920年、インド東部のミドナプール教区で、狼に育てられている少女がシング牧師という宣教師によって発見されたという。1歳半と8歳の2人の“オオカミ少女”の存在は世界中の研究者の注目を浴び、日本でも教育心理学、発達心理学、幼児教育学、脳科学、精神分析学、生物学、言語学などありとあらゆる学術研究の土台として取り入れられていった。しかし…「この本、ウソやったんや…」!!
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!「たれた乳、ゆるんだ肉体に性欲を感じる」のは退廃なの?ネットの書き込み感想と直筆の感想は違う?「女の男装」よりも「男の女装」の方が難しい理由は?「子供を楽しませる」と「子供騙し」の違いは?泰明小学校のアルマーニの標準服をどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第264回「結婚延期、眞子様の言葉を信じる」
    2. しゃべらせてクリ!・第216回「ぽっくんの未知との遭遇!ファースト・コンタクトぶぁい!の巻〈後編〉」
    3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第68回「狼に育てられた子、という嘘」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第264回「結婚延期、眞子様の言葉を信じる」

     今年11月に予定されていた眞子さまのご結婚が突如、再来年に延期されたことに関して様々な憶測が飛び交っている。

     ご結婚相手の小室圭さんの母親に関するスキャンダルが影響したのだろうという見方が強いのだが、これも憶測の域を出ない。
     このスキャンダルは最初に「週刊女性」が報じ、「週刊文春」「週刊新潮」が後追いで報道した。
     小室さんは小さい頃に父親を亡くしており、母親はその後に商社マンの男性と交際、婚約し、430万円ほどの金銭の援助を受けていた。
     ところがこの男性は婚約破棄を申し出て、金を返せと言ってきたという。
     親の話であり、本人には関係ないじゃないかと思うのだが、そのお金の大半が小室さんの大学の入学金や授業料、留学費用などに充てられていたから、小室さん本人の問題でもあると言う者もいるようだ。

     しかしこの問題で最も悪い者は、小室さんの母の元婚約相手以外にない。
     子供がいる人と婚約までしたのなら、その子のためにお金を出すという関係性はいくらでもあるし、そのお金のやり取りは借金じゃないだろう。証文も交わしていないはずで、それなら贈与にほかならない。
     婚約破棄を言い出したのは男の方なのだから、むしろ男が慰謝料を払ってもおかしくないのに、仲がこじれて別れた後で金返せと言い出すなんて、あまりにもみっともない。しかもこいつは、情報を週刊誌に売り歩いていたのだ。
     この男が一番悪い。以上、話は終わり!
     それをなんで横からバッシングする奴がいるのか?
     小室さん本人は、真面目過ぎるほど立派な性格だ。本人がよければいいじゃないか。親の話は関係ない。

     結局のところ、ご結婚が延期になった理由として真実性のあるものは、眞子さまのコメントだけである。
     マスコミ報道が先行してしまったために、「当初の予定を大きく前倒しして婚約が内定した旨を発表」することになってしまい、「色々なことを急ぎ過ぎていた」と思ったため、「結婚までの、そして結婚後の準備に充分な時間をかけて、できるところまで深めて行きたい」と、眞子さまはおっしゃっている。
     その上で、「今後の私たちの結婚とそれに関わる諸行事を、これから執り行われる皇室にとって重要な一連のお儀式が滞りなく終了した後の再来年に延期し、充分な時間をとって必要な準備を行うのが適切であるとの判断に至りました」とコメントされているのである。
     急ぎ過ぎたから、もっと時間をかけたいということだけであり、小室さんと結婚するお気持ちは何も変わっていない。
     それならその言葉通り、来年の天皇退位・即位の儀式が終了した後、再来年にはご結婚されるものと思って、見守るしかないというだけの話である。

     今後どうなるかという予想は、大きく二つの見方に分かれる。
     ひとつはいま述べたように、眞子さまの言葉どおり、再来年には結婚されるという見方である。
     そしてもうひとつは、一応延期ということにしておいて、実は破談になるんじゃないかという見方だ。
     竹田恒泰は、「宮内庁は小室さんの自身の足場を固めるための期限と言いつつも、白紙に戻したい意向もあるのでは。小室さんから『婚約辞退』を願い出る可能性も含めた2年半では」と発言している。
     要するに一旦棚上げにして2年待たせて、どこかで小室さんが辞退するという形で婚約解消に持ち込もうと、宮内庁が画策しているのではないかというのだ。
     一番心の汚れた人間が邪推すれば、こういう見方になる。 
  • 「Apple社、『ナパーム弾の少女』を児童ポルノ判定」小林よしのりライジング Vol.257

    2018-02-06 17:10153
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    第257号 2018.2.6発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…4週間に渡り、フェイクニュースとジャーナリズムの価値の崩壊、広告代理店とルールなき欲望の市場万能主義、その末に起き得る企業による情報統制について書いてきたが、その結果、その記事そのものが、企業による情報統制に見舞われるというトンデモが起きた!過去にFacebook社がベトナム戦争の象徴的な写真「ナパーム弾の少女」を一律に検閲し、「児童ポルノ」と認定して削除してしまったという事件を紹介したところ、なんとApple社から「『ナパーム弾の少女』は児童ポルノに当たる」として削除要請が来たのだ!なぜこんなことになったのか?
    ※「ゴーマニズム宣言」…日本相撲協会の理事候補選挙を前に、貴乃花親方はブログで「相撲界の未来」について語り、驚くほど端的に保守の精神を述べていた。ところが保守を名乗る言論人の間でも、貴乃花に対する評価は分かれる。例えば西部邁氏は生前、白鵬を評価して、貴乃花をボロクソにこき下ろしていた。保守を名乗っている人でも、社会問題についての見解がまったく異なることがあるが、果たして「真の保守」とは何なのか?
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!安倍政権が調子に乗り続ける一番の原因は?毛糸のパンツやカイロを使うことはある?大竹まこと氏の娘が大麻所持で逮捕された件をどう思う?一番好きな果物は何?国民栄誉賞は政権の人気取りでは?無声映画は好き?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第67回「Apple社、『ナパーム弾の少女』を児童ポルノ判定」
    2. ゴーマニズム宣言・第263回「相撲、表現規制、原発、対米関係…保守も意見は分かれる」
    3. しゃべらせてクリ!・第215回「ぽっくんの未知との遭遇!ファースト・コンタクトぶぁい!の巻〈前編〉」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第67回「Apple社、『ナパーム弾の少女』を児童ポルノ判定」

     AIが暴走したというフェイクニュースをきっかけに、仮想世界のなかに企業が作り出した欲望のシステム、それによる価値の崩壊と平板化、感受性の劣化へと引きずられそうになってゆく現実を書いてきた。
     で、このまま無関心・無自覚のままでいると、一企業が設けた「わが社の規定」によって画一的な情報統制がなされてしまうよ、そう、Facebook社が「ナパーム弾の少女」を機械的に児童ポルノ判定して削除したようにね。

    ・・・という記事を書いたら、その記事中の「ナパーム弾の少女」が児童ポルノ判定されて、削除させられてしまった!
     
     まじか。

    ■経緯
     経緯を改めて書いておく。
     1月30日に配信した記事について、翌31日までに、Apple社からニコニコチャンネルを運営するドワンゴ社に対して、「ナパーム弾の少女」が児童ポルノに当たるとして、削除依頼があった。
     どうしてAppleから? 青天の霹靂すぎて驚いたが、ニコニコチャンネルにスマホから簡単にアクセスできる機能として、「ニコニコチャンネルアプリ」というものが配信されており、ライジングをスマホの専用アプリで簡単に見られるような仕組みがあったらしい……。
     そしてこのスマホアプリが、Apple社の配信基準に合わせて運用されているため、ドワンゴを飛び越えて、Appleの規約に触れたということだった。

     ドワンゴにとっては、Appleと契約の上でスマホアプリのサービスを利用しているわけで、Appleをコントロールすることは不可能。ドワンゴのチャンネル担当者は、記事を読んでくれていて、「記事の意図からも、該当画像が児童ポルノ画像には当たらないと考えている」とのことで、なにか他に対応策はないか検討してくれたようだが、不本意ながら、現状では削除するしか方法がないということだった。

    ■Appleは人道に反しすぎている
     しかし、どこの誰が、あの写真を見てポルノだと思うのか。いるとしたら、相当特殊に病んでいる人間で、そのような特殊なごく一部の人間のために、紋切り型のルールを全世界に適用し、歴史的に重要な報道写真まで排除するなんて、Appleは異常すぎる。

     だいたい、ナパーム弾はアメリカが開発したものだろう。あの写真だって、南ベトナム軍(=アメリカが加担した側)の空爆による実態を示しているのだ。広島・長崎の原子爆弾によって、身ぐるみを吹き飛ばされてしまった少女の写真があったとして、それを掲載したらアメリカの会社からポルノ呼ばわりされ、一方的に削除されるようなもの。人道に反するのもいい加減にしてもらいたい。

     それに、あの写真に写っている少女、キム・フック氏は生存しており、大人になって、現在も反戦活動家として各国で講演を行っている。背中一面に壮絶なケロイド状の火傷の痕のあるキム・フック氏が、生まれたばかりの我が子を抱きしめる写真もかなり印象的だ。来日したこともあり、日本の大学などで講演会も行っている。もちろん、あの写真をみずから説明しながら。

     キム・フック氏は、自伝も出版しており、自伝の表紙にも、あの写真が使われている。
     しかも、少女時代の逃げ惑う自身の姿の部分をあえて明るく加工し、スポットライトを当てたようなデザインになっている。自身の存在意義を示す写真でもあるだろう。だが、その本の書影をここに掲載したら、またAppleから削除依頼が来るのかもしれない。
    「The Girl in the Picture: The Story of Kim Phuc, the Photograph, and the Vietnam War」という洋書だ。戦争で過酷な体験をした生き証人である女性の自伝が、児童ポルノ扱いされるなんて、本当に腸の煮えくり返るデタラメな世界だ。

    ■たどりつかない…
     こういうことを、直接Appleに言って、見解を聞こうと思ったのだが、まず、どこに連絡したらいいのかがわからない。