久瀬視点
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 当然だが、スマートフォンのアラームは鳴らなかった。
 宮野さんが眠っているあいだにまた、ソルからのメールがあった。

       ※

 カーナビをいじって、ルート変更できないかやってみてください

       ※

 残念だが、この車にカーナビはついていない。
 とはいえ、ルートを変える、というのは正しい方法のように思えた。
 そう考えていると、宮野さんがうめき声をあげ、目を覚ます。
 まぶたを持ち上げて、こちらをみて、
「あれ?」
 と宮野さんは言う。
 彼女は車内の時計に視線をやった。
「もう30分、経ってるじゃない」
 そうですか、とオレは答える。
 彼女はスマートフォンを手に取り、首を傾げて、それからオレをみた。
「プリン」
 疑わしそうな目だ。
 オレは彼女に、コンビニの袋を差し出す。
「お、高いやつじゃない」
 と、中を覗き込んだ宮野さんが弾んだ声を上げた。
「ええ。だからゆっくり食べてください」
「どうして食べるペースまで指示されないといけないのよ」
 彼女は大きなあくびをしてから、プリンの封を開けた。プラスチックのチープなスプーンで、彼女にしてはちびちびとプリンを食べ始める。
「せっかくお子様ランチ頼んだのに、プリンついてなかったのよね。そのせいで、無性に食べたくなっちゃって」
「お子様ランチって大人でも食べられるんですか?」
「うん。割高だけどね」
「好きなんですね、お子様ランチ」
「いろいろ載ってるのに、意外と低カロリーなのよ。おまけついてくるし」

「さっきの、夢の話なんですけど」
「夢? あの、事故がとうのってやつ?」
「ええ」
「夢なんかホントに信じてるの?」
「はい」
「そう」
 宮野さんはプリンを食べ終え、空になった容器をコンビニ袋に突っ込む。それから彼女はエンジンを掛けた。
「でも、帰らないと雑誌を出せないのよ」
「宮野さんも信じていないオカルトの雑誌でしょ」
「仕事は仕事よ」
 オレはため息をついて、ベンチから立ち上がる。
「じゃあ、せめて帰り道のルートを変えましょう」
「いいけど。そもそもルートとか決めてないし。どの道で帰るのよ?」
 オレは額を押さえる。
 ――どこだ? この車は、どの道で事故を起こしていた?
「道なんてどうでもいいから、早く決めてよね」
 そう言って宮野さんは、アクセルを踏み込んだ。

読者の反応

capo ‏@caporello 
おお、タイマーが功を奏してるw 


moyalist ‏@moyalist6 
タイマーナイスw 


フミ ‏@ayn_l_k 
ナイス久瀬! 


アマキー ‏@RaReRua 
よかったぁぁぁ。これでもしロックがかかってたら土下座して詫びないといけないところだった


ウイン(まさこ) ‏@Win0036 
む、このままタイマーいじれるのかしら…


コウリョウ ‏@kouryou0320 
久瀬くんよくやった!! 次はどうしようか… 


歩くラノベ図書館@かわいいは正義  ‏@sodoatodaisuki
とりあえずプリン買いにいかせる


コウリョウ ‏@kouryou0320 
眠くなる薬をプリンか飲み物に混ぜる…くらいしか思いつかない…でもコンビニに睡眠導入剤は売ってないだろうし…とにかく宮野さん起こしちゃいかん気がする 


歩くラノベ図書館@かわいいは正義  ‏@sodoatodaisuki 
宮野さんを押し倒しちゃえ! 


ひげ ‏@HiGravityEdge 
久瀬君、運転出来たりしねえのか? 出来るのであれば、運転を代わりましょう、っていう提案の筋は残ってるが…


和雄@7/31大富豪8/01カジロワ? ‏@kazuo_niconico 
更新してる!
今宮野さんが運転始めた!!


ウイン(まさこ) ‏@Win0036 
カーナビついてないんだ~!


みどばち ‏@midobachi3 
まだ出発しないでくれw 


灰色(しろくろ)パンダ ‏@Miraclekurami 
交通事故の現場特定できんかね?





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