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2時間ほどあちこち歩きまわって、私たちはカフェに入る。
名古屋駅からそれほど離れていない場所にある、こぢんまりとしたカフェだ。
私は意外とこのマイナーな観光を楽しみつつあったのだけれど、ニールが「そろそろあのイラストと照らしあわせた方がいいんじゃねぇか?」とごねはじめたのだ。
私は意外とこのマイナーな観光を楽しみつつあったのだけれど、ニールが「そろそろあのイラストと照らしあわせた方がいいんじゃねぇか?」とごねはじめたのだ。
私たちは4人用のテーブルに着く。私が壁際の長椅子に、向かい合う形でノイマンとニールが、木を編み込んだような素材の椅子にそれぞれ座る。各々、好き勝手に注文した。私はアイスのカフェラテを、ノイマンは揚げパンみたいなドーナツとアイスティーを、ニールはチョコバナナシェイクのチョコレート抜きを。
それから、ノイマンが例のイラストをテーブルに広げる。
「この中から、4コマ漫画を作ればいいんですよね?」
と私は確認した。
「ええ。正確には、このイラストは挿絵に近いみたいだけどね。必要なのはあくまで英雄のエピソードだから」
なるほど。絵をヒントに、物語を作るわけだ。
「1コマめだけははっきりしてるわ」
「どうしてですか?」
「上がそう言っているからよ」
まったく。ぜんぶその「上」とやらが教えてくれればいいのに。いまだにいまいち、この作業の必要性がわからない。ノイマンは儀式のようなものだと言っていたけれど、なんだか誤魔化されているような気がする。
――とはいえ、少し楽しみだ。
これが久瀬くんの過去に繋がっているなら、興味がある。
「1コマめはこれよ」
ノイマンが指さす。
それは、17番、と番号が振られているイラストだった。凛々しい目つきペンギンが魔女のような帽子をかぶって、ほうきに跨っている。上には、文字で「とべるの!」と添えられている。
ため息が出る。
明らかに飛べそうではない。
「どう? なにかわかる?」
とノイマンが言った。
私はイラストをじっとみつめる。
ペンギン。魔女のような恰好。ほうき――
ふと、思い出した。
――クラスに、魔法を使えない魔女がいたんだよ。
久瀬くんの言葉だ。
いつだったか、ほんの幼いころ、あのクリスマスパーティで久瀬くんからきいたこと。
――オレはその子の魔法にかかったんだ。
たぶん彼は、そんなことを話した。
それを思い出した瞬間。
ぐにゃりと、視界が揺らいだ。
座っているのに、平衡感覚がなくなった。
倒れる――私は咄嗟に、目の前のテーブルに肘をつく。ガンと大きな音が鳴った。すぐ手元のはずなのに、それはひどく遠くから聞えた気がした。
ひどい睡魔に襲われたとき、瞼が勝手に落ちるように、目の前の風景が端から黒色で侵食されてゆく。視界はやがて真っ黒になる。
怖い。
なに? これ。
直後、耳鳴りのような、聞き取りづらい声がきこえた。
――条件を達成しました。
――リュミエールの光景、起動します。
直後。
光が射した。
子泣き少将@優とユウカの背後さん @conaki_pbw 2014-08-04 16:46:15
更新…えっリュミエール?!
OMG @omg_red 2014-08-04 16:46:36
なんか起動したー!?
セトミ@レンブラント派 @setomi_tb 2014-08-04 16:46:48
魔法をつかえない魔女の魔法にかかった ってどういうことだ
コウリョウ@ソル賑やかし班 @kouryou0320 2014-08-04 16:48:07
とべるの! なにが起こったし
木庭とアルドノア・ヒゲの夏 @kbmkt_ 2014-08-04 16:48:42
超展開……
超展開……
ヌク @nukokkuma 2014-08-04 16:49:50
違った。ツイ消し。 更新きましたね。1コマ目が17番。
闇の隠居 @yamino_inkyo 2014-08-04 16:50:01
起動した? その喫茶店に行けば何かが見られる!?
沙耶/Sol岐阜/名古屋班 @susukiyumi 2014-08-04 16:47:20
これは…もしかして駅で待機した方がいいんでしょうか…神社向かっちゃっていいですかね?
和雄@3D小説参戦中 @kazuo_niconico 2014-08-04 16:52:50
名古屋駅に向かいます!
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