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ノイマンは朝方まで仕事をしていたようだった。たまに小さな唸り声をあげながら、ずっとノートPCを叩いていた。
それを見越してか、ホテルは昼ごろのチェックアウトでよいプランだった。
正午になるころにホテルを出た私とノイマンは、喫茶店で適当に時間をつぶして、ランチのピークが過ぎた14時ごろにみそかつを食べた。とてもおいしい。でも私の好みでは、もう少しだけ薄味の方が嬉しい。
「名古屋城でもみにいく?」
と気楽にノイマンがいう。まるで普通の旅行みたいに。
「疲れてますよね?」
と私はつい尋ね返す。
彼女はあくびをかみ殺して、「まあね」と答えた。
「締め切りは終わったんじゃないですか?」
先週の土曜日――あの、食事会の日が締め切りだと、彼女は言っていた。
ノイマンは小さな声で、んー、と唸る。
「今はテストプレイ版を作って、それを触ってもらって問題点を修正して――って工程なわけよ。だからわりと小まめに締め切りがあるの」
「テストプレイ版、ですか」
「そ。今も聖夜協会のドイルってひとがテストプレイしてくれてるらしいわ」
「ドイル」
コナン・ドイルだろうか?
そんな人がテストプレイをしたら、あらゆる問題を見つけ出しそうではあった。
「私はある程度バグに対応して、もう少し先までプレイできるデータを用意しないといけないの。その締め切りが、今週末」
なかなか大変そうだ。
「私と一緒にみそかつを食べていていいんですか?」
「いいに決まってるじゃない、昼食もとらずに働けっていうの?」
そんなわけではないけれど、無理にこちらにつき合わせているようで申し訳ない。
「締め切り、大丈夫なんですか?」
「ま、なんかはできるわよ。今はあくまで内輪向けのテスト版だから、完成度には拘らないわ」
彼女がそういうのを聞いて、私は疑問に思う。
「ゲームみたいなものを作ってるんですよね?」
「みたいなものっていうか、まんまゲームね」
「それ、なんのために作ってるんですか?」
今はあくまで内輪向け、と彼女は言った。
最終的には、外に向かって公開される予定なのだろうか?
ノイマンは口元で笑う。
「それは内緒」
わからない。
どうして、聖夜協会がフリーゲームを作る必要があるんだろう。
※
15時になるころに、私たちの目の前にニールが現れた。
彼の姿は今朝からみえなかった。本当に瞬間移動できるなら、ついさっきまで地球の裏側にいたとしても、エアコンが効いた自宅の部屋でだらけていたとしても不思議ではない。
「どこに行っていたの?」
とノイマンがいう。
ニールは面倒臭そうに、「しゃちほこ見て来た」と答えた。意外と普通に名古屋を観光していたようだ。
「名古屋城?」
「そうだよ」
「かち合わなくてよかったわ」
「まったくだ」
ニールはノイマンに、新幹線のチケットを差し出す。
「そろそろ行くぞ。けっこう移動に時間がかかる」
「貴方なら一歩でしょ」
「オレはな、新幹線の座席でコーヒーを飲むのが好きなんだよ。意外と美味い」
飽きたら先に行ってるさ、とニールは言った。
私は尋ねる。
「どこに行くんですか?」
ニールは面倒くさそうに、「秋田」と答えた。
なかめ @huyusirone
うわあ、次は秋田なのか
やいば @YAIBA9999
しゃちほこwかわいーなw
安里 まなか @Mi_go_pail
秋田ってまた飛ぶなぁー、というかニールさんが意外と好きでな。口悪くて愛想がないおっさん、おっさん!!
最高じゃないっすか
さいとう @jinbe_s
やっぱりぁのゲーム作者ノイマンなのか…っていうか秋田!?
Digital Beefsteak @D_Beefsteak
秋田は今ちょうど竿燈まつりやってるな
煙@制作者派 @smoke_pop
40コマ漫画のカウントダウンきてるー! ゲームのほうも今週末までには一歩進むか…
交響楽 @koukyoraku
秋田は明日の12時か
この中に秋田現地班の方はいらっしゃいませんかー
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。