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まぶたの裏側には、やはり白いスクリーンが映っていた。
だが、そのスクリーンに表示される文字さえ、これまでとは違っていた。
――これが、最後の儀式です。
明朝体の、綺麗な、温度を感じさせない文字が流れていく。
――このエピソードは、彼のものではありません。
彼。久瀬くん?
久瀬くんではないの?
――これはある男のエピソードです。ですがこのエピソードはすでに失われています。その男自身さえ忘れており、通常は思い出すことがありません。
どういうことだ。
ある男って、だれだ。
誰も知らないエピソードを、どうやって思い出せというんだ。
――これは書き換えられた記憶を、それでもみつけだすための儀式です。
と、スクリーンの上の文字は言った。
――彼の真実をみつけだしてください。3枚目までの物語は、すでに「描写」されています。必要なのは、結末だけです。
※
意味がわからなかった。
私は目を開く。
こちらにむかって、ノイマンがスマートフォンを差し出した。
――なんにせよ、これまで通りにするしかない。
私はそう覚悟を決めて、いつもの通りに「@4koma_memories」のアカウントにツイートする。
みなさん、いつもありがとうございます。
今日で最後なので、また力を貸してください。
たすけて! @4koma_memories 8月11日
今日は「ある男性」の事を思い出したいんです。
ここにある40枚のイラストに、ヒントがあるはずです。
たすけて! @4koma_memories 8月11日
この中に、「4枚組」のエピソードが紛れ込んでいます。1コマめは、これ。
たすけて! @4koma_memories 8月11日
のこり3枚がどれで、どういう順番に並べればどういうエピソードになるのかが、わかりません。
たすけて! @4koma_memories 8月11日
ヒントになるのは――「すでに3枚目までは描写されている」?
よくわかりませんが、なにか思い当ることがありましたら、よろしくお願いいたします!
桃燈 @telnarn 8月11日
@4koma_memories 1→22→40→。離婚した両親。父親のもとで暮らした男は父が用意した革靴が嫌いだった。男はクリスマスに母親から履き潰すための靴を買ってもらったが、なかなか履けずに隠していた。しかし、通いの家政婦に見つかり捨てられてしまう。までは分かっている。
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。