3D小説「bell」本編
■久瀬太一/8月15日/22時
宮野さんの激しい質問と、それをのらりくらりとかわす八千代の会話を聞き流しながら、そこそこ高級なコース料理をゆっくりと味わって食べた。取材の方に意識が向いていたからだろう、宮野さんも次の皿を催促したりはしなかった。
帰り道、オレと八千代はタクシーの後部座席に並んで乗る。
「元気な子だね」
と八千代は、どこか楽しげに告げる。
「今日は比較的ましだった」
とオレは素直な感想を告げた。
それから、確認事項をきり出す。
「ダザイとホールについては?」
八千代を狙っていた可能性の高い、ふたりのスイマだ。
「ダザイは一昨日の一件にはっきりと関わっている。しばらくはこちらをどうこうする余裕はないみたいだ」
「そりゃよかった。ホールは?」
「そちらがまだわからない。上手く行方を追えていない」
「なんだ。あんたなら、すぐに調べられるのかと思っていたよ」
「おいおい。君のせいで、協会との繋がりがほとんどなくなったんだぜ」
笑みを浮かべていた八千代は、それをふっと消して、続ける。
「気になることが、ひとつある」
「なんだ?」
「ニールも姿を消している」
ニール。
「あいつがなにか、関係しているのか?」
「わからないよ。でもね、聖夜協会の中じゃあ、ホールは多少、ニールと繋がりがあったみたいだ」
「なるほど。名前が似ていると思っていたよ」
「それはただの偶然だ」
オレは額に手を当てる。
不安要素がまったくないわけではない。だが、さすがに焦りつつあった。8月24日まで、もう10日を切っている。
「そろそろ、本格的にヒーローバッヂを探した方がいいんじゃないか?」
八千代が頷く。
「ああ。明日の朝、愛媛に向かおう」
愛媛。オレが小学3年生のころ、暮らしていた場所だ。
だが不思議と、タイムカプセルを埋めた記憶はない。現地でなにか思い出すだろうか?
「ホールについては、今夜もう少し調べてみるよ」
「ああ。期待している」
オレにできることは、「思い出す」ことだけだ。タイムカプセルについて。そして、ヒーローバッヂについて。
だがその記憶はみつからない。
痺れるように、また顔の左半分が痛んだ。
子泣き少将@優とユウカの背後さん @conaki_pbw 2014-08-15 22:09:59
おお久瀬くん達も愛媛行くのか!これはまた面白くなってきたな
コウリョウ@ソル(偽山本) @kouryou0320 2014-08-15 22:02:20
久瀬くん、愛媛に向かう。しかし辿り着くのはタイムカプセルはソルによって掘り出された後であろう…
みかみ@3D小説用 @mikami_pro 2014-08-15 22:54:50
松山市明日雨みたいですね。現地班はカッパとか用意した方が良いかも?
セトミ@レンブラント派 @setomi_tb 2014-08-15 22:02:22
あーーーダザイはお縄ってことかな…?
雑食人間@3D小説大阪現地愛媛遠征組 @zassyokuman 2014-08-15 22:31:51
本日、バスで久瀬くんがシロクロサーガの続きをすると思うので、質問や伝えたいことがある人は今のうちに攻略本に書いておいてください。
コロッケカレーを円盤投げ @toromikobu 2014-08-15 23:26:21
バス発車待ちしてますが、今日もヨフカシですか…
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