3D小説「bell」本編
■久瀬太一/8月16日/14時55分
今どき滅多にみない、古いルームキーだったのが幸いしたようだ。八千代はそう時間をかけずに鍵をあけた。
「カードキーならどうするつもりだったんだ?」
とオレは尋ねてみた。
「従業員にあけてもらうよ」
と八千代は答えた。
ドアを開いてすぐ、当たりだとわかった。部屋のかたすみに、あのバスからみたソフトスーツケースがあった。未来でオレがあさっていたスーツケースだ。
「確認したいことってのは、なんだ?」
「ホールに仲間がいるのか、だよ。ひとりきりならなんとかなる。でも大勢いたらいろいろと考えなければいけない」
「どっちの方が可能性が高い?」
「少なくとも、少人数ではあって欲しいね。調べ事は上手いつもりなんだ。大勢をみおとしてたなら気が滅入る」
そういいながら八千代は、スーツケースを開く。
「仲間の情報なんてもの、そういう残ってるのかよ?」
「聖夜協会は非効率的な組織でね。紙資料が多い」
ああ。――センセイの影響だかで、妙に捻った情報伝達をするからか。
「そうでなくても、ニールが絡んでいるなら、あるかもしれない」
「どうして?」
「あいつは電話もメールもあまり使わない。人からどうこう言われるのが嫌いだし、自分から言いたけりゃ会いに行った方か早い」
「でもあんたには電話がかかってきた」
「本当にレアなんだぜ? あいつの電話番号を知っているのは」
八千代はスーツケースのポケットから、小さな紙片を取り出した。
「当たりだ」
そう言って、しばらくその紙を眺めて、ふいに笑みを消す。
「おい、本当にニールが絡んでるのか?」
「いや」
八千代は即座に否定して、それから短い時間、沈黙する。
「相手はわからない。でも、みろ」
八千代から向けられた紙片を眺める。短い文章が並んでいた。
「待ち合わせ場所?」
「それよりも気になるのは、下の一文だよ」
確かに、気になる。
――英雄の証が「どちらの状態」なのか確認しろ。
一体、どういう意味だ?
Aot(3D小説bell没入中) @aot_sol 2014-08-16 14:57:14
英雄の証が「どちらの状態」なのか確認しろ
コウリョウ @kouryou0320 2014-08-16 14:59:00
ポンちゃん帰還
しゅんまお@くま @konkon4696 2014-08-16 14:59:26
@hajime_bell ポンちゃんホールの可能性大です
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