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山田玲司のヤングサンデー 第358号 2021/9/6

人生は「失っていく」歴史か?

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どうも「勝手に送られる日記」の時間です。


正直な話、放送後に書くこのメルマガはそれなりに苦労して書いている割に反響がない事が多いので「スルーされているんじゃ・・」とか思う事もあるのです。


ところが今週の「理想のおっさん」について語る回で「勝手に日記を送ってくるおっさん」の話の時に「このメルマガがそうだ」とのコメントが盛り上がっていまして、まあ嬉しかったわけです。


お元気ですか?


今週も勝手にすみません。




【30歳の絶望】


今回の放送で「20代が終わる時」の話になった。


学校を卒業して何だかんだやってるうちについに「30代」が来てしまう。

28歳くらいからその騒ぎは始まり、特に女の人達の焦りはこの時期に「クライマックス」を迎える。


僕の世代は特に「結婚への同調圧力」が強かったので、多くの女達が「30歳までに結婚!」となり、心の準備が出来ていないパートナーを追い詰めたり、婚活に大金を使ったりする。


ところがいざ「その日」がやってきても何も変わらない事に気づくのも定番だ。


30歳になったとたんに醜い老婆になるわけでもなく、謎の収容所に連行される事もない。


男達も同様に「青春が終わる!」とか言って大騒ぎしていたのに何も終わらない事に気がつく。


放送中にしまさんが言っていた「30歳になるのは、ただ1つ年を重ねただけ」なのだ。


今こんな事を書いている僕は当時どうだったのか?といえば、ご多分にもれず「大騒ぎ」をしていた。


ろくな結果も出せないまま「若手漫画家時代」が終わろうとしていると思っていた。


「2度と帰らない20代」が永遠に消えていくと思っていた。


よせばいいのに手塚治虫やビートルズのような「早熟な天才たち」と「冴えない今の自分」を勝手に比べて勝手に絶望していた。


まったく馬鹿げてるが、これが「20代の終わり」というものだろう。




【本当に20代に戻りたいか?】


そんなこんなで30代も半ばに差し掛かる頃、いよいよ「20代とは違う感覚」を覚えるようになる。


よく言う「徹夜が出来なくなってくる」もそうだし「最新の文化に乗れなくなってくる」なんていうのもそうだ。


自分たちの世代中心に供給されていたコンテンツが、自分たちより「下の世代」に向けて供給されているのに気がつく。


正直に生きようと思うと、どうしても自分が子供の頃に好きだったコンテンツを漁ってしまう。

「限定ブルーレイボックス」なんてものにまんまと手が出る。


「体の衰え」に気が付き


「いよいよきたか・・」


「これが中年か・・」みたいになる。


そんな「中年の嘆き」は、それを見ている10.20代の若者に「ああなってしまうのか・・」と悲しみと恐怖を与えてしまう。


「あの頃に戻りたい」


そんな事も考える。


村上春樹の小説のように「人生は喪失の連続だ」なんて気分にもなる。


ところがだ・・


〜本当に20代に戻りたいのか?〜



ある日「20代に戻れる列車」がやってきたら自分はそれに乗るのだろうか?