2019年12月から中国で始まり、世界的な大流行となっている新型コロナウイルス。
次世代独立国際研究所政経レポート
2019年12月から中国で始まり、世界的な大流行となっている新型コロナウイルス。
新型コロナウイルスにLPSー“免疫ビタミン”でコロナ対策
2019年12月から中国で始まり、世界的な大流行となっている新型コロナウイルス。
免疫力が低い高齢者や基礎疾患を持っている方は特に重症化するリスクが高く、亡くなった方もいます。現時点ではこのウイルスを抑える薬もまだ確立されていません。
そのため人と距離を取るようにしたりそもそも外出を控えたり、マスクやうがい・手洗いをこまめにしてなるべく感染を防ぐことや、自分の免疫力を高めておき発症を防ぐことが予防法となっています。
そこで、「免疫ビタミン」とも言われる「LPS」という成分が注目を浴びています。
LPS(Lipopolysaccharide)とは、「グラム陰性細菌」という細菌の表面にある成分のことです。LPSはグラム陰性細菌の細胞壁の外側に隙間なく埋め込まれた形で存在しています。糖と脂質が結合した構造をしていることから、日本語では「糖脂質」または「リポ多糖」と言います。糖部分は水溶性、脂質部分は油溶性なので、LPSは両方に溶けます。
なお、細菌には有用な菌(酢酸発酵に使われる酢酸菌など)と病原菌(大腸菌、コレラ菌など)がありますが、LPS自体は病原性の有無とは関係ありません。
LPSはマクロファージを活性化させます。マクロファージは体内に存在し、細菌やウイルスから体を守ったり、傷の修復を助けたり、新陳代謝の調整をしたりなど、非常に重要な役割を担っています。
つまりLPSは、これらの機能を高め自然免疫力を向上させているのです。
LPSは腸内にもあり、皮膚に付着しても安全です。むしろLPSが不足すると腸や皮膚の免疫力が低下します。
細菌は土壌に存在し、植物の生育を助けています。土壌の細菌は根菜はもちろん、葉野菜や穀類にもたくさんついています。穀類の中でも玄米がLPSを豊富に含んでいると言われています。細菌は穀類の表面に共生するので、精白米より玄米の方が多く残るのです。
また、LPSは海草にもついています。これら食用植物についている細菌は料理の際に殺菌されるとしても、細菌の成分であるLPSは残るので、食事の際に摂取できます。そして身体に良い影響を与えています。
しかし近年、衛生環境の改善により、細菌成分、特にLPSの自然摂取が減っていることが問題視されてきています。植物の栽培の際、化学肥料を使用すると細菌の種類が偏り、農薬を使用すると細菌が死滅します。そのため野菜に付着しているLPSが減っているのです。
先進国でアレルギー疾患が増えているのはこのことが原因だということがわかってきました。
冒頭でも述べましたが、コロナ対策には自己免疫力を高めておく(弱くなっているのを元に戻す)のが得策です。
初めて出現するウイルスに対し、体内では抗体ができていません。人為的に抗体を生み出すためのワクチンも開発され病院に出回るまでには時間がかかります。
免疫系には「獲得免疫」と「自然免疫」がありますが、抗体を作り出すのは「獲得免疫」、抗体の有無に関係なく外から来る異物と戦うのは「自然免疫」です。
「新型コロナウイルス」の「新型」というのは「獲得免疫」に対する意味なので、「自然免疫」には関係ありません。つまり、自然免疫が高い人(正常に機能している人)は、新型コロナウイルスに感染しても発症しにくい、あるいは回復が早いと言われています。
自然免疫を活性化する物質には、グラム陰性細菌のLPSの他にも乳酸菌のペプチドグリカン、きのこや酵母のβグルカンがあります。これらの成分はいずれもマクロファージを活性化します。マクロファージはウイルスが感染してしまった細胞を食べて処理する働きを持っています。これらの成分の中でもLPOは特に抗ウイルス因子(ウイルスに抵抗する因子)を活性化させる働きを持っています。そのため、LPSを多く含む食品を食べたり、サプリで補給したりすることが、新型コロナウイルス対策につながるでしょう。