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本日の記事は、10月10日、24日の日本経済新聞の記事から
「9月末、貸出残高3%増」
「銀行 そろり国債離れ 貸し出し 徐々に」
という記事について。
銀行貸出の残高が増加を続けている。
これは、日銀の量的緩和とは違ったもう一つのルートにおいても
お金の創造が活発に行われていることを表している。
この影響がどのように経済、及び家計に及びそうなのかについて。
■10月10日の日経新聞1面より
「9月末、貸出残高3%増」
全国銀行協会が9日に発表した9月末の買い出し残高は439兆7億円と前年同月を3.0%
上回った。25ヶ月連続のプラスとなった。
という内容。
もう一つは
■10月24日の日経新聞5面の記事より
「銀行 そろり国債離れ 貸し出し 徐々に」
日銀は4月からの大胆な金融緩和が金融機関にどう影響しているかを分析した。
銀行は国債保有を減らし、貸し出しなどリスクの高い資産へ資金をシフトさせている。
という内容。
さて、二つの記事に共通しているのは、銀行の貸出残高が増加していると言うことだ。
貸出残高の増加は、市場の消費とマネーが増加していることを表している。
銀行は貸し出しをすると、同額分のマネーを市場に創造するからである。(信用創造)
それが23ヶ月連続で増加し続けている。
消費とマネーが増えるのだから、景気にはすこぶる良いニュースである。
もう一つの記事に書いてある国債離れであるが、銀行の国債保有残高が少なくなったのは、
銀行が国債を購入しなくなったからでははない。
日銀が民間銀行の保有している国債を購入してマネーを渡す、量的緩和を行っている
ために、銀行の保有額が減っているためだ。
国債を日銀に売却した銀行は、売却分のマネーを日銀から得ている。
その結果が、マネタリーベースと言われる指数の激増である。
マネタリーベースとは日銀が作り出しているマネーの量(現金+日銀預金)を
表している指標である。
日銀が銀行から国債を購入すると、日銀のバランスシート内で無からマネーが創造される。
これを来年末までに270兆円まで激増させる予定であると。
それだけのマネーが銀行に渡されるわけである。
そのマネーは銀行の財テクを通じて、金融経済に流れ込んでいくだろう。
一方、銀行貸出はこの日銀の国債購入による量的緩和とは関係なく、23ヶ月連続で
上昇をしてきた。
日銀の量的緩和とは別に考えるべきである。
景気回復の理由については、日銀の量的緩和だけではなくそれ以前から発生していた
民間銀行の貸し出し増加も入れて考えるべきだろう。
マネーを作れる唯一の機関である、日銀と民間銀行がマネー創造を増加させている。
ここから読み取れるのは、日本の長期デフレ不況の根本原因だったマネーの量の不足による
消費と投資の停滞は終わりをつげるだろうということだ。
何故なら、マネーが増加し続けているからだ。
マネーの増加は、消費と投資の増加を引き起こす。
その結果インフレ、市場は資産価格と消費の上昇に向かうのである。
日本の不況の原因はそれだけだったというオチだ。
意図的に不況が作られ、意図的に不況が解消されたのは言うまでもない。
【このニュースの家計への影響】
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