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大江健三郎の思い出
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大江健三郎の思い出

2023-03-14 22:30
    大江健三郎が亡くなりました。高校2年生の時に、家にあった「日本の文学86 奇妙な仕事・死者の奢り」(ほるぷ出版)を読んでハマった作家です。高校2年生の僕が抱えていた、ジクジクとした自意識の塊みたいなものと、初期作品のドロドロとした自意識がとてもシンクロしたのです。そこから新潮文庫・講談社文庫に入った作品をゴリゴリと読み進めました。現代国語の授業で書くことになった小説も、もろに“大江調”でしたね。高校3年の時に『ヒロシマ・ノート』(岩波新書)で読書感想文を書き、それが校内ですごく褒められたこともありました。
    高校1年の春休みぐらいにホーガンの『星を継ぐもの』を読んで感動してSF読もうかなとなっていたんですが、大江健三郎を読んで、「現代文学ってこれぐらいなに書いてもいいんだ」というインパクトを受けて、結果としてそっちのほうが人生におけるビッグウェーブになりましたね。
    ブームは『燃えあがる緑の木』を読了したところで一段落し、『宙返り』までは読んで、その後は『水死』を読んだ感じです。後期の作品をもうちょっと読みたい気持ちにはなってますが、なかなかそこまで手が回らず。
    書いているうちに思い出しましたが、新聞記者時代に講演会の取材にいったのだか、別の事件があって警察署にいったので最後まで聞くことができなかったことがありましたね。その時に、人づてだけどサインをもらったことがありました。
    個人的に好きな作品は『同時代ゲーム』『キルプの軍団』ですね。なかなか選びきれませんが。

    写真はネットでみつけた「日本の文学86」の書影です。安西水丸のイラストがかっこいい。
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