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               * 堀潤のテレビでは言えない話 vol.2 *
             〜えー!出馬要請ありませんけどの巻〜
                発行:8bitNews  2013.4.8 (毎週月曜日発行)
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皆さん。
こんにちは!堀 潤です。

NHKを退職してちょうど1週間。
フリーランスとして怒濤の日々を過ごしています。

特に!
パブリックアクセスの実現にむけ、市民発信をどうやってマスメディア
のインフラにのせていくのか、日々営業活動中です。
嬉しい事に、大手出版社や新聞社、そしてとある放送局から
「堀さんが言う、市民発信とマスメディアの融合について協力できる
ことがあれば、一緒にやりたい」と申し出がありました。

やはり、ネットメディアとマスメディアがいつまでもパラレル
な関係を続けていてはいけないと思うんですよね。

僕がハブになって、両者を何とか結びつけたい。
市民とマスメディアが一緒になってニュースを創る試みを日本でも!
頑張ります。心あるメディア人達が手をあげてくれて嬉しいです。

さて。
皆さん驚かれたと思いますが、昨日7日、神奈川新聞が運営する地域情報
サイト「カナロコ」が、「元NHKアナ堀潤、松沢氏ら浮上、みんなの党参院神奈川」と見出しをつけて報じていましたが、皆さん、誤解しないで下さいね。
[リンク]http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1304070009/
僕が出馬表明した訳ではありませんので。

マスメディアの報道って、本当に、せっかちというか、先走りますよね。
知っています。
僕もそのような現場に10年以上おりました。
選挙前は、各党の立候補予定者が誰なのか、血眼になって取材します。
テレビでは言えない話ですが、
記者達も自分が担当する政党の選対本部長などから「ねぇ、あっちの陣営はどうなってるのか聞いてきてよ」とせっつかれ、手土産代わりに、対立陣営の情報を入手し伝える事も多々あります。

んー。それにしても、日曜の朝にいきなり自分の名前を新聞の見出しで眺めるのは少々、動揺するものですね。

ただ、政治の現場については、僕も思うところがあります。
NHK退職後、取材で数人の政治家の皆さんとお会いし、お話しました。

「俺たちの世代が選挙で投票しても世の中変わらないんだとはっきり言うべき!」と語ったのは、チームラボの猪子寿之社長(35)。

以前僕が担当したNHK Eテレの討論番組「ニッポンのジレンマ」での猪子氏の発言です。NHK的には禁じ手とも言える内容でしたが、非常に考えさせられる指摘でした。

多数決で物事が決まる民主主義ではマイノリティの声は届かない、というのです。  確かに、上の世代に数で負けてしまう僕らバブル崩壊後の世代が日本を改革していこうと思うと、投票行動だけでは変わらないのかもしれません。

では、どうすればいいのか。
僕は、「選挙にいこう!」から「選挙に出よう!」というムーブメントが広がればいいなとも思っています。

出馬要請か?の報道について、今週のブロマガで僕の考えもお伝えしますので、皆さんぜひご覧下さい。


http://live.nicovideo.jp/gate/lv133373196

今号のコンテンツはこちら!↓
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├○    堀潤のテレビでは言えない話  vol.2:2013.4.8
├○
├○  01.【活動日記】
├○  堀潤のフリーランス的一週間
├○  第1回「宇野氏/津田氏/田原氏/安藤美冬氏/NHKの仲間達」
├○
├○  02.【ルポタージュ】
├○  マスメディアが報じない本当の○○
├○  第1回  「デリケートで触れない〈三菱重工問題〉」
├○
├○  03.【ルポタージュ】
├○  次世代メディアへの創造力+α
├○  第1回 「セカンドスクリーンは成功するか?」
├○
├○  04.【メディア批評】
├○  そうだ!ニュースを語ろう
├○  第1回 「出馬はあるのか否か」
├○
├○  05.【オンライン講座】
├○  そうだ!メディアを創ろう
├○  第1回 「NHKドキュメンタリー的動画の撮り方」
├○
├○  06.【オープンジャーナリズム的 企画会議】
├○  そうだ!企画会議を開こう
├○  第1回「取材テーマの設定」
├○
├○  07.【動画紹介】 8bitNews
├○  パブリックアクセスへの道
├○  第1回「原発作業員の実名告発」
├○
├○  08.【告知】今週のスケジュール& お知らせ└───────────────────────────────┘

▼「vol.1」へのリンクはこちらです。
[リンク] http://ch.nicovideo.jp/horijun/blomaga/ar177269

未読の方は併せてお楽しみ下さい。

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┗■  01.【活動日記】堀潤のフリーランス的一週間
  
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このコーナーでは堀の一週間の出来事を皆さんに報告。
ジャーナリストとして、司会者として、そしてNPO法人代表として
第一線で活躍する人々との日々の出会いをエピソードを交えお伝えします。
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[第1回 宇野氏/津田氏/田原氏/安藤美冬氏/NHKの仲間達]

・4月1日(月)
 この日の午後6時半。12年間勤めたNHKを退職した。
 アナウンス室に顔を出して最後の挨拶をきちんとしようと思って
 いたが、いざ、当日になると、どうしても渋谷に足が向かなかった。
 経済産業省を辞めた古賀茂明氏も同じようなことがあったと聞いたが、
 実は、米国に留学する直前くらいから、職場に一歩足を踏み入れると、
 手のひらや足の裏が冷たく感じたり、動悸が激しくなったりするようになった。
 相当、精神的に追い込まれていたのかもしれない。
 最後の日も、正直局に顔を出すのを想像しただけで、冷や汗が額に滲んだ。

 結局、上司とメールのやりとりで、最後の挨拶をした。
 
 スーツを着て足取り軽やかに向かったのは東京・水道橋にあるドワンゴのニコ生スタジオ。
 フリーランスほやほやの初仕事が、津田大介さんとの対談だった。
 津田さんには、去年僕のtwitterアカウント@nhk_horijunが閉鎖に追い込まれた際にも
 随分助け舟を出してもらった。
 当時はtwitterをニュース番組に本格的に導入した「NewsWeb 24」開始の直前。
 「10万人もフォローするアカウントを十分な説明もないままつぶすのは納得がいかない。
 これでは番組に出演できない」と報道局に抗議してくれたこともあった。
 今回のニコ生でも、「ネットを使った発信を試みる仲間が増えることは大切」だと言って、
 思いやりにあふれる司会進行で僕を助けてくれた。感謝したい。
[リンク]https://www.youtube.com/watch?v=L3bmOvUVL_c
 
・4月2日(火)
 講談社の現代ビジネスの主催で田原総一朗さんと批評家・宇野常寛さんとのトークイベント
 「堀潤と考える『メディアの未来』」に参加。
 田原さんは実は、とても優しい人であることがわかった。
 朝まで生テレビの印象があるので、ズバズバと厳しい意見をぶつけてくるかと思いきや、
 トークの冒頭こそ「NHKを辞めた理由を正直に言いなさい!」とおっつけられたものの、
 その後はまるで自分の息子を見るかのように目を時折細めながら、
 応援モードで話を進めてくれた。
 ぼそっと耳元で「突然辞めて、食っていけるのか?」
 と真剣な口調で話しかけられたかと思うと、
 すぐに「大丈夫、僕もテレビ東京クビになったけど意外に食っていけるもんだよ」と
 笑いながら背中を叩いてくれたのは忘れられない。
 
 [リンク]http://live.nicovideo.jp/watch/lv132029243

 宇野常寛氏と公の場で一緒に登場するのは、昨年の「ニッポンのジレンマ」以来で、
 2人で楽屋で「不思議な感じだね」と笑い合った。
 というのも、宇野氏とはこの1年ですっかり友情を深め、堀が留学していた
 ロサンゼルスにも1週間程の日程で遊びにきたほどだ。
 先月、NHK退職を決めた際、宇野氏は「僕の役割は、堀さんがちゃんと生活
 して取材もできるようにすることだ」と言って、その場でドワンゴに電話を
 してこのブロマガを解説する準備を直ちに行うよう手配してくれた。
 さりげなく、宇野さんの事務所の電話番号がメールで送られてきて、
 「うちの事務所も自由に使っていいから」と言ってくれた時には涙が出た。
 
・4月3日(水)
 講談社の現代ビジネスで同じく連載をしている、安藤美冬さんとの対談。
 安藤さんと会うのはやはり去年の「ニッポンのジレンマ」以来、2回目。
 しかしSNS上でやり取りを続けてきた事もあり、戦友と再会したかのような盛り上がりに。
 彼女がはじめて「フリーランス」という肩書きでテレビに出たのが、僕の番組だった。
 今度は逆だ。
 ミッフィーこと安藤さんのインタビュー術が、見事だったので驚いた。
 「他の対談で出てくる様な話ではなく、もっと堀さんの人間らしいところを知りたいです」
 と切り出され、あれよという間にプライベートまで赤裸々に話す結果になってしまった。
 恐るべし、安藤美冬!
 代わりに彼女は「フリーランサーとしてお金を稼ぐコツ」を色々と伝授してくれたので
 実践していこう。
 インタビューの模様は、5月の連載で。

 [リンク]http://gendai.ismedia.jp/category/21c

 安藤さんとの対談後、今度はNHKの同僚達が開いてくれた壮行会に。
 局内で共に次世代放送の新戦略などについて話してきた仲間達で、
 彼らが「堀潤のバカ話を聞く会」と題する会を企画し、集まってくれた。
 テレビの未来やNHKのあり方などについて、皆で議論したところ、
 「組織にはうっかりさんが必要」だという結論でまとまった。
 コンプライアンスが強化される中、うっかり、新しい事にチャレンジして
 しまう心の余裕がないといけないよね、という意見に共感。
 うっかりしすぎるとよくないけれど。

・4月4日(木)
 午前中は早速、宇野常寛氏のPLANETSの事務所で事務作業。途中、電話番なども。
 午後はお茶の水・山の上ホテルで、朝日新聞が運営する「WEBRONZA」の取材を受ける。
 市民メディアとマスメディアの融合がいかに大切か、フリーの記者さんと盛り上がった。
 一次情報保持者の発信力をどのように活かし、マスメディアと結びつけていくのか、
 その記者とも協業できそうだったので、固く握手をして別れた。

 夜8時からは、今度は品川で、講談社現代ビジネスの瀬尾編集長と打ち合わせ。
 堀の連載「次世代メディアへの創造力」の今後について、取材方針などを確認。
 対談ものもどんどんやっていこうという話に。
 現代ビジネスは、瀬尾編集長が社内ベンチャー的にはじめたプロジェクトで、
 自由度も高く、それでいて先進的なので、話していてとても楽しい。
 新しいアイデアを共有し、ともに仕掛けていく事を約束。

 [リンク]http://gendai.ismedia.jp/category/horijun
 
・4月5日(金)
 午前中から午後にかけて、出版に関する打ち合わせ。
 これまで堀がやってきた取材やアナウンサーとしての経験を本にまとめられないか検討。
 夜は大阪に移動し、MBS・毎日放送のラジオ番組「報道するラジオ」に出演。
 アメリカの原発事故に関する自らの取材報告や、パブリックアクセス、
 そしてオープンジャーナリズムの可能性について語った。
 毎日放送には、同期の山中真アナウンサーがいる。
 就職活動が一緒で、10年来の友人だ。
 彼はそのラジオ番組には全く関係がなかったものの、
 堀のそばにずっと付き添ってくれこう言った。
 「ほりじゅんが、ワイドショー的な扱いで消費されるのは嫌なので、今日は
 マネージャーとして民放初出演を見守るから」。
 嗚呼、泣けてくる。ありがとう。

 放送終了後、毎日放送の皆さんと会食。
 昨年秋に終了したラジオ番組「たね蒔きジャーナル」に関わっていたスタッフの皆さんと、
 権力に負けず地道に取材を続け発信する大切さについて語り合い、意気投合した。

 [リンク]http://www.mbs1179.com/hou/

・4月6日(土)
 午後、東京に戻った。
 春の嵐。
 雨が強まる中、東京駅八重洲口の会議室で「週刊プレイボーイ」のインタビューを受ける。
 新しいメディア発信をどうやってつくっていくのかについて語った。
 フリーの記者が切実な目で「自分達でメディアを持とうと思うと、ネットの
 サーバー維持費とかメンテナンスなどでも相当お金がかかるし、大変」と話すので、
 ぜひそうした金銭面での市民、フリージャーナリストの活動を
 支える取り組みを始められないか検討している、と伝えた。

 夜は深夜0時から、ニコ生で緊急生放送。
 嵐の夜に、各地の気象状況をみんなで共有するための番組を実験的に敢行。
 
 [リンク] http://live.nicovideo.jp/watch/lv133162152

・4月7日(日)
 午前中、神奈川新聞の報道に驚く。
 早速、朝日新聞や週刊文春などから取材依頼が入るが、まずはニコ生などで
 色々と話したいなと思って、取材は受けず。

 午後は秋葉原で、日本農業新聞のインタビュー。
 「TPPとメディアの報道」について話して欲しいというので、米国での体験
 なども交えながら、1時間半ほど懸命にしゃべった。

 以上が堀のこの1週間の出来事、出会いでした。


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┗■  02.【ルポタージュ】
     マスメディアが報じない本当の○○
    
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テレビでは言えない話、というタイトル通り「テレビでは扱い辛い」
という理由で、なかなか放送されない話題も沢山ある。
国家や大企業を敵にまわしがちなテーマについては、局側の判断で、
ニュアンスが弱められたり、企画そのものが採用されなかったりする
場合もある。
このコーナーでは、そうしたマスメディアが報じない現場の実態をルポ。
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"第1回  「デリケートで触れない〈三菱重工問題〉①」"

去年6月から9ヶ月間にわたって、筆者はアメリカ・カリフォルニアに滞在し、
現地での取材活動を続けてきた。
フリーランスのジャーナリストとして、今後も日米の現場を訪ね歩き、
皆さんへの問題提起に励むつもりだ。

特に、カリフォルニアでは継続して取材を続けている問題がある。
日本のメディアが詳しく報じない、ある原発事故についての問題だ。

日本国内に留まっていたらアクセスできなかったであろう自国に関する情報が、アメリカでは容易に手に入る。今回は、日本の主要メディアが報じない日本の課題、世界から日本へアクセスすると初めて浮かび上がる私たちの国の現状、情報がコントロールされているのかについて、三菱重工業が直面する米国での原発事故を通してリポートする。

■NRCが公開した「三菱重工との往復書簡」の衝撃

筆者が渡米して以来、継続して取材を続ける南カリフォルニア・サンオノフレ原発。
去年1月、三菱重工製の蒸気発生装置の配管が破損し、放射性物質を含む水が漏れる事故が起きて、現在、全ての原子炉の運転が停止している。
NRCが行った事故後の調査では、配管の1万5千ヶ所以上で“異常な摩耗”が見つかった。