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20240206LIVEの補足(ハイパーインフレ条件の話)
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20240206LIVEの補足(ハイパーインフレ条件の話)

2024-02-07 00:10
    ■2/6(火)20:30-【LIVE講義・前半無料】財政破綻論と高圧経済論【著者解説】はいかがだったでしょう.横断性条件(ハイパーインフレと日銀債務は政府負債かという点)の部分は...実はスルーするつもりだったのですが,話し始めてしまったので初回の講義からガチンコになってしまいました.

    少しわかりづらいかもしれないので補足です.
    この部分の説明は背理法を思い出しながら読んでください.

    この話の前提は,
    ・日銀債務(現金と日銀当座預金)は政府負債か否か
    という論点に関連しています.

    そして,
    ・将来の政府負債の現時点での価値が無限大なら(≒政府債務が無限大になるなら)現時点で政府の信用がなくなって,その負債の価値はゼロになる....国債や現金が紙切れになる状況はハイパーインフレに他ならない

    わけです.ここにちょっとした条件を足してやります.

    ・政府負債は年率(1+X)で増加する・・・n年後の政府負債は現在の(1+X)^n倍である
    ・割引現在価値はn時点の値を(1+r)^nで割ったものだ

    つまりは,将来負債を現在の価値に直すと,

    ・現在債務×(1+X)^n÷(1+r)^nである

    ...分数でメモを書いてみてください.nが∞になったとき,これが0になるか∞になるかはX(政府債務増加率)とr(金利)の大小関係で決まっているじゃないですか.

    これは後のドーマー条件に似た話ですが,政府債務がすべて金利がつく状態なら・・・負債の元本を返さない(プライマリバランスPB=0)ならば政府債務の増加率Xはr(金利)と同じになるはずです.つまりは,

    X=g

    です.そしてPB赤字なら,政府債務はそれ以上に増加するので

    X>g

    です...これだと遠い将来の政府負債の割引現在価値は無限大です...これじゃハイパーになっちゃうじゃん!!!

    だからこそ,「政府債務はすべて金利がつく国債である」と考えると,「PBは黒字でなければならない」ということになる.財政再建万歳!!!!

    しかし,(極端な例として)政府債務の一部または大半が金利なしの現金だとどうなるでしょう.PB赤字があっても政府債務の増加「率」が金利よりも低くなる可能性は十分に考えられます.というか相当めちゃくちゃな赤字でなければおそらくはX<r満たされる.

    ここから,

    ・日銀負債を政府債務だと考えないと...PB「黒字」しか財政を維持する方法がなくなってしまう
    →そのとおりだと思うならキミもめでたく財政緊縮派!!
    →そうではないと考えるなら日銀負債は政府債務だと考えないとおかしいよ

    という論理の展開になっています.

    混み入った話でごめんよ



    来週はもう少し気楽に聞き流せる放送を心がけますmm

    ■2/13(火)20:30-
    【ゲスト:井上智洋】AIによって経済と経済政策はどう変わる?【前半無料】

    さて,genronカフェでおなじみの座組です^^ AI(人工知能)が雇用に与える影響について,飯田は「たいしたことない」と思っています.井上先生は『純粋機械化経済』(日本経済新聞社)に示されるように雇用の激変をもたらすとの予想.このあたりの評価差がどのように生まれるのかについてスリリングな議論が出来ればと思っています.
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    泰之ちゃんねる場外乱斗
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