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                                                                                                    (INTERVIEW 山内秀一)




────今回は唯さんがこれまで語ってこなかった側面を伺っていこうという魂胆です。まず、唯さんの趣味ってなんですか?

唯:趣味…あんまりね、趣味っていう趣味がなかったんですけど、去年ぐらいから、初めてと言っていいほど、ドハマりしたもんがあって。僕、ソロで遠征するときって車を使うことが多いんですけど、ホテルに泊まるのが好きじゃないんです。だから、サービスエリアで夜中に寝て、朝方に向かうことが多いんですけど、あるときに車中泊をもっと快適にできんかなと思ったんですよ。それでネットとかYouTubeを見とったら、今あるんですね。軽ワゴンみたいな車で、車中泊をめっちゃ快適にしてる動画を見つけて、それを参考に、助手席後ろの席をフラットにして快適に寝れる環境を作ってます。いわば小さなキャンピングカーみたいな感覚。今、それにドハマりしてますね。

────車、買ったんですか?昨秋の段階でかなり悩んでらっしゃいましたけど。

唯:いや、結局今の車のまま。次の車検で、もうすぐ10万キロ超えそうなんで、この機会に買い替えたらいいんちゃうかなと思いながら、本気で悩んでるとこです。いろんなバンドマンに「どう思う?」って聞いたら、やっぱバンドマンってノリいいから「買いなよ、買いなよ」って言ってくるんで、乗せられてますよ(笑)。でもね、キャンピングカー、今めちゃくちゃ流行ってて、納期が2年らしいんですよ。

────そんなになんですね。

唯:もうキャンピングカーを作る工場が間に合ってない状態。だから、全然手に入らへんわと思って。コストもかかるし、現実的ではないから、じゃあ自分で作ろうかなと。

────DIYで。

唯:そう。楽しそうでしょ?

────読者向けに一応言っておくと、唯さんが言ってるのって1億円とかするキャンピングカーじゃないですよね。

唯:違う違う(笑)。

────メンバー全員生活できますもんね。巨大キャンピングカーだったら。

唯:今ね、ほんまに流行ってるから、軽のキャンピングカーがいっぱいできてるんですよ。700万円ぐらいで快適に暮らせるなら、マジで考えようかとも思ったんですけど。とりあえず、しばらくは今の車で快適に寝れたらいいかな、ぐらいの感じ。でね、去年の秋頃に話してたときよりは進歩してて、最近、ポータブル電源を買ったんですよ。あれがあると、車の中でIHコンロも使えるんです。

────もうバンドの移動も、自分の車で移動したくなっちゃいません?ぶっちゃけ。

唯:正直言うと、ちょっと思う(笑)。例えば、将くんやったらタバコ吸ったりもあるし、メンバーによって休憩したいタイミングもあるから、ひとりの方が楽は楽。あと機材車って後ろの席ってカチカチなんですよね。あの状態でずっと寝るのも体的にしんどさもありますね。

────ポータブル電源は具体的にどんな風に使ってるんですか?

唯:この前、雪が積もる日に京都の雪山に行ったんですよ。鞍馬とかあっちの方に。

────ロープウェイとかで行くところですよね、鞍馬って。

唯:そうです。その手前のトンネルを超えたところから、動けないぐらい雪が積もってたんですよ。そこで雪景色を見ながら、シートをフルフラットにして、ポータブル電源を使ってケトルでお湯沸かして、スープ飲むっていうのをやって帰ってきたんです(笑)。

────めっちゃ満喫してるじゃないですか(笑)。

唯:めっちゃ楽しかったですね。なんか癒されました。

────やっぱり一人で過ごす方が、唯さんは好きなんですか?

唯:僕は一人の方がいいですね。

────お酒も飲まれないですもんね。そんなガチャガチャしたとこに行くイメージもないし。

唯:そうですね。だから、打ち上げのときが結構大変やったりするんですけど。基本、お酒なくても楽しめますね。あと、お酒飲まないから車で帰れるのはありがたい。

────4月の色々な十字架とのツーマンのときは打ち上げがありきだから大変ですね(笑)。

唯:そうですね。まあ、その日は機材車なんで、僕が運転するんでしょうね。柊くんがお酒飲むんやったら、僕がずっと運転して帰るかもしれんし。まあ気を遣って酒飲まんかも。どうなんでしょう。

────ここから幼少期からのお話を聞きたいなと思うんですけど。まず、ご出身はどちらなんですか?

唯:生まれも育ちも京都の伏見区です。「お酒のまち」って言われていて、月桂冠って聞いたことないですか?日本酒の町なんですけど、お酒飲まないやつが日本酒の町に住んでるっていう(笑)。山の上ですね。

────子どもの頃って、唯さんご自身で振り返るとどんな少年でしたか?

唯:えっとね、僕は目立たん方でしたね。人気者になりたいけど、そこまで勇気のない引っ込み思案な子やったと思います。あとはなんかオタク路線に行くタイプで、ゲームとか漫画とかが好きでした。特撮とかヒーローものとかが流行ってたんで、そういうもので、ごっこ遊びとかしてましたね。

────特撮って、何がお好きでしたか?

唯:仮面ライダー系とか多かったんじゃないですかね。仮面ライダーとかヒーロー戦隊とか。

────「仮面ライダーアギト」とかですか?

唯:アギトはもう大人になり始めた頃ぐらいなんで、あんま覚えてないんですけど。なんかね、僕はおもちゃとかは買わないんですけど、友達がそういうヒーローものの装備をすごい整えるんですよ。

────高いんですよね、変身ベルトとかだと。

唯:武器とかも意外とね。マニアックな大人向けモードのおもちゃになると値段が一桁変わるんですよね、確か。

────そうですね。

唯:友達がそういう高価なものを持ってて、装備させてもらって遊んでた記憶がありますね。

────ちなみに、小学生のときって部活とか習い事はされてましたか?

唯:うちの父は長渕剛が好きなんですけど、その影響で、幼稚園のときくらいから空手を無理やり習わされてました。極真を高校まで。

────極真って高校生くらいになると打撃もヒットしていいんでしたっけ、顔とか。

唯:僕の場合は、頭に当てたら一本って感じで、顔を殴るとかはなかったです。本気でやったらあかんみたいな感じの空気はあったんですけど、頭に当てたら一本ってわかってたんで、頭ばっか狙ってましたね。

────色々な十字架のmisujiさんも極真をやってたって言ってました。

唯:あ、同じや。

────打撃当てていいわけじゃないけど、全然当たっちゃうって言ってて。鼻血まみれになったりとか。

唯:ああ、もう俺なんかお腹蹴られて骨折れたこともありますよ。

────えぇ!

唯:あるある。なんかそんなんはあります。普通に足折れたりもするし。

────長渕の影響を受けたお父さんの影響とはいえ、高校生まで続けたってことは、唯さん的には、空手は気に入ってたんですか?

唯:いや、もう全然好きじゃなかったですね(笑)。でも、辞めるってこと自体があんまり好きじゃないんですよ。音楽もそうですけど。辞めたら負けみたいな気持ちになるかな、逃げたというか。諦めが悪いのもあるんですけど、辞めるといろんな人に迷惑かかる気がして。習わせてくれた親もいるし。生きてきてほとんどのことを辞めてないですね。辞めたのって塾ぐらいじゃないですか。

────塾も通ってたんですか?

唯:僕、中学校のときに病気になって2年半ぐらい入院してたんですよ。ほとんど入院してたから、院内学級みたいなところに通ってましたね。学力的に高校に行けるかわからんかったんで、退院してからもずっと塾通いとかしてたんですよ。勉強はあんま好きじゃなかったですけどね。

────2年半っていうと、中学校生活のほとんどですよね。

唯:ずっと入退院を繰り返してる感じでした。うちの親が心配して「病弱で入院してるとか言わんといてください」みたいなことを学校の先生に言ってたらしく、先生も「あいつはいろいろあって学校に来ない」みたいな曖昧な説明をクラスでしたらしいんですよ。で、僕が2年ちょっとで退院して帰ってきたら、そのときは死亡説が流れてて。マジで死んだと思われてたんですよ(笑)。友達も「お前、生きとったんか?」ってなって。

────あるいはヤンチャなことでもしたのかって疑いますよね。

唯:ね、そのどっちかやと思うんですけど。おとなしい子やから捕まることはないけど、死んだか捕まったと思われとったみたいで(笑)。

────ちなみに、ご病気のことって具体的な内情まで話してるんですか?

唯:そこはあんまりしてないですね。病気やからっていうので同情を買いたくなくて、あんまり言ってないですけど、身体が弱いとは言ってますよ。

────精神的なものじゃなくて、肉体的なものってことですよね。

唯:そうですね。今もスケジュールが詰まってくると悪化することもあって。ストレスって病状のトリガーになりがちなんですよ。どうなるかわかんないんで日々を一生懸命生きてくしかないですね。


・音楽へ進むことを指南した恩師
・L'Arc〜en〜Cielと同じ事務所っていうのはひとつの夢
・路地裏サーチライト再開の動機
・メンバーのお尻を叩く気持ちもある