拝啓、生徒諸君。

先生です。
9月も半ばに入り、暑かったり寒かったりと気候が変化しておりますが、
皆様、いかがお過ごしですか。

先日、本放送が無事に終了しましたので、これが最後の学級日誌となります。

果たしてこれが喜ばしいことなのか、悲しむべきことなのか、
はっきりと判断することは出来ませんが、
何も全てのことをはっきりとさせなくても良いことなのだ、と考えるに至り、
曖昧な気持ちのまま、本題へと移ろうと思います。


今回は「卒業のメモリー」というテーマで、皆様からお便りを頂戴致しました。
本当にたくさんのお便りを頂きまして、ありがとうございます。

送られてきた中から、僅かではありますが、紹介させていただきます。



P.N:びゅーさん(女性)

私の卒業のメモリーは、高校の卒業式で、
卒業生全員で学年主任の先生にサプライズをしたことです。
それは、皆で少しずつお金を出し合って花束を買い、
先生にプレゼントするというものでした。

式が終わった後、卒業生約300人が校内の多目的スペースに集まり、
主任の先生を呼びました。何も知らされずにやってきた先生は、
これから一体何が始まるのかと周りをきょろきょろ。

その時、一人の生徒が校歌を口ずさみ始めました。
それに続いて卒業生全員が、先生を中心とする輪を作って
大きな声で歌い出しました。
校内に響きわたる、私たちにとって最後の校歌。


歌が終わり、一同揃って「ありがとうございました!」と
感謝の言葉と共に花束を渡すと、先生はみるみる顔を赤くして、
目頭を押さえて下を向いてしまいました。

そして大きな花束をきつく握りしめ、
「ありがとう、本当にありがとう。君たちに会えてよかった」と一言。

その先生の姿に耐えきれず私は号泣してしまい、
他の卒業生も泣いたり笑ったりで皆くしゃくしゃの顔に。
毎朝玄関の前に立って、一人ひとり名前を呼びながら挨拶をし、
「君たちは最高だ」と言いながらいつも叱咤激励してくださった先生に、
少しでも恩返しが出来たかな、と思います。
あの時の先生の言葉と皆の表情は今でも忘れられません。

先生はその後異動して違う学校に行ってしまいましたが、
今では我が母校に教頭先生として再び戻ってきたと風の噂で聞きました。
◼︎先生からの一言
とても素敵なメモリーですね。
先生は、学生時代にこんなにも教員の方を思ったことがありませんでした。
卒業式もあっけないもので、挨拶も殆どしなかったように思います。
したらしたで、「あれっこいつ誰だっけな」と思われていたかも知れませんが。
今思えば、もっと何かを共有すべきだったのだなぁと、
しみじみ思うのでした。



P.N:あかたんさん(女性)

わたしは今、卒業したくても出来ないものがあります。

それはアニメのとある男の子です。
その男の子がすごく好きで好きで堪らないんです。
グッズを買うのをやめようと思ってみたり、
始発でくじを引くために並びに行くのはやめようと思ったりしたのですが、
結局その男の子に見立てたマネキンを買ってしまいました(4万くらいで買えました)。

今はその彼と楽しく2人で暮らしています。
◼︎先生からの一言
卒業する必要がない、と言いたいところですが、
そのアニメの男の子はきっと、
あかたんさんが別の誰かにお熱になってしまうことに怯えていることでしょう。
どうぞ、出来る限り長い間、ご一緒に時間を過ごされてください。

現実世界での影響は、出ると思いますが。



P.N:しぐれさん(女性)

小学校の卒業式の二日前にインフルエンザ。
後日校長室で貰った卒業証書。
◼︎先生からの一言
大丈夫です。
皆と一緒に出たところで、あんまり人生に影響はありませんでした。



P.N:hapiさん(女性)

卒業アルバムの寄せ書き欄に
別れた彼氏が書いてくれた言葉です。

楽しい思い出をありがとう。大好きだったよ!
これからも俺の理解者はお前だけだから
これからもよろしくな!

と書かれていました。    
◼︎先生からの一言
いつのタイミングでお別れになられたのかが気になるところですが、
大好きだったよ、という文字から察するに、
卒業式前に別れたのだろうと思います。
なにが『これからもよろしくな』じゃい!
と書き返してやりたかったですね。

でも、そのお調子者っぽい彼氏のことを考えると、
ちょっと楽しくなってしまいます。



P.N:Bianchiさん(女性)

これは私の従兄弟の話です。
中学卒業の時、後輩に呼び出され、告白をされたそうなのです。
従兄弟は中学1年生から付き合っている彼女がいた為に断ったそうなのですが、
帰宅した従兄弟をみてびっくりしました。

なんと上半身裸で帰ってきたのです。

上半身裸で帰ってきた従兄弟に「なにがあったの?!」と聞くと、

「ボタンはあげてたんだけど、全部あげちゃってあげるもん無くて
 上に着てたのあげてきた。」

と爽やかに話すのです。
第二ボタンをあげるのは良く聞いたことがあるのですが、
シャツ・ネクタイ・名札・上着まであげるのは聞いたことがありませんでした。
そして、従兄弟がモテていた話は聞いていたのですが、
ここまで凄いとは思いませんでした!

従兄弟にとってはとても楽しくとても素敵な卒業式だったようです。

ちなみに彼女とは同じ高校に進学しましたが、
入学して数日で別れ新しい彼女と付き合っているようです!
◼︎先生からの一言
先生も上半身裸で自宅に帰ってみたいです。
おそらく家族は、私が暴漢に襲われたか不良に絡まれた以外の
回答を持ち合わせないのでしょうが。



P.N:やいちこ(女性)

私の卒業のメモリーは高校生の時です。
私には、高校3年間クラスが一緒で、3年間片想いし続けた相手がいました。
それはそれは素敵な方で「いつか、いつか告白しよう!」と思いながら3年間を過ごしていました。

ですが、時の流れというものは残酷で、いつの間にか卒業目前。
想いだけでも伝えようと考え、
どうにか2人きりになれないかとタイミングをはかっていました。

しかし、ついに卒業式前日になってしまい、殆ど諦めていた時です。
下校の時間になりみんなが帰ってガラーンとした教室の中、
忘れ物をしたのか、片想いし続けた男子が教室に帰ってきたのです。

(これは、最後のチャンスかもしれない)

そう思い、意を決して想いを伝えようとしたのですが、緊張のせいなのか、
頭が真っ白になって何も話すことが出来なくなってしまいました。

すると、片思いの相手が
「あ! やいちこさん!」
と声を掛けてくれたのです。

「あのさ、俺ら3年間クラス一緒だったね。なんかやいちこさんと離れるの寂しいな。お互い大学生になっても仲良くしてこうね」

満面の笑みでそう言ってくれたのです。
私は嬉しさと感動で「そうだね」としか返せませんでした。
もしかしたら声も震えていたかも知れません

最後に彼は私に1つ飴をくれて去っていきました。
その飴は甘いはずなのに、何故かしょっぱい味も混ざっていました。
◼︎先生からの一言
伝えたいことがあっても言えなかった人、というのは、
想像以上に大勢いらっしゃるのかもしれません。
人は、そういう思いを幾つも抱きながら、過ごしていくのでしょうね。

言った方が良かったのか、言わなくて良かったのか、
それは誰にも分かりませんが、
いずれは薄らいでいってしまう「あの時誰かを好きだった」という思いを、
覚えている間だけは、大切にされてください。


以上、僅かではありますが、皆さんからのメモリーを紹介させていただきました。

こちらでお便りを取り上げさせていただいた方々にも、本編と同様に
『ゲムするッ! 番組特製、ANDGAMER×三人称オリジナルステッカー』
をお送りさせていただきます。
発送まで多少の時間が掛かってしまいますが、しばらくお待ちいただければ幸いです。


7月の上旬から始まった『ドンピシャ・ぺちゃんこのときめきメモリアル』ですが、
先日、無事に終了を迎えることができました。

それもこれも、長きに渡り視聴して下さった皆様、
生放送でコメントをして下さった皆様、
更にはメモリーを送って頂いた皆様のお陰です。
本当にありがとうございました。

それでは皆さん、また次の時まで、お元気で。
                                    
担任:鉄塔